(短歌に託した姉の思いを想像する)
父が亡くなったのは、姉が12歳のときだ。ちょうど、多感な時期に差し掛かろうとする頃。そんな頃の父との旅を姉は鮮明に覚えていたんだな。折に触れ、そんな話をしてくれた。
父の生まれ故郷である木曽は家族旅行で何度も訪れたという。どうやら父の望郷の旅だったようだが、一番の父親っ子だった姉ゆえ、父のそんな思いを感じ取っていたのかな。
今は親戚付き合いもなくなった木曽の地だ。
私には、何処かで川が流れていたという記憶はあるのだが、そこが木曽だったのかすら定かではない。
その父が木曽の地で眠っている。