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父の憧(あくが)れた風景


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  残りいる 梢の紅葉 ひらひらと
         名ごり惜しみて 朝日にひかる           
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  イチョウの葉 ちりたる道を 走りゆく
               車追うごと 黄の蝶が舞う           
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  かるかやの 穂波をわたる 青田風
             はるか覇王の 夢をのせゆく           
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(姉の言葉〜講座を終えて)
「万葉集に触れてみたい」、そんな軽い気持ちで申し込んだ教室でしたが、自らが詠むことになるとは!

戸惑いながら始めた講座でしたが、5年の歳月は私に多くのものを与えてくれました。そんな思いを振り返ってみました。

講座を始めたばかりのころ。日常の小さな変化に敏感になろうと、自宅の庭の木々、草花の移ろいに目を向けることを心がけました。花の咲き始める瞬間や散ってゆく時の風情に覚えた感動を、短歌の一首に凝縮して詠むことを心がけてきました。

そして時が経つにつれ、もう少し心を外に向けて広げていければ、と思うようになりました。

一首一首の短歌にはたくさんの思い出があります。作品の整理をしていますと、その場面が思い起こされます。満開の桜の下で遊んでいた孫の笑顔、お祭りの日にウルトラマンのポーズを取る姿に、その孫の父親の過ぎた日が重なり、深い思いが致しました。

力不足で充分な表現が出来ませんでしたが、そんな時間を切り取って、自分なりに歌を詠めたことは幸せでした。これからも先生方のご指導をいただきながら、少しでも前に進んで行けたらと思います。





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