見出し画像

私にとっての韓国ドラマは、毎日をささえてくれたビタミン剤。

私が初めて韓国ドラマと出会ったのは、世にいう冬ソナブームと言われる少し前。ちょうど「冬のソナタ」が年末BSで毎日2話ずつ放送していた。その前からレンタルショップで気になった作品でもあったのですぐに入り込んでしまった。翌日、近所のママ友もたまたま見てたこともあり大盛り上がり。ほかの友達も巻き込み毎日朝からドラマの話題で沸いていたのを今でも覚えている。

大概の人が韓国ドラマに、はまっていく要因の一つにまず”長さ”にある。1回の長さがたっぷり1時間。それもCMがない。日本のドラマが1回45分くらいに比べて、この15分の長さは満足感が味わえた。さらに一つの作品も短くても16話あるせいかいくつかの山場やストーリーに深みがある。展開が早いことも新鮮だった。トレンディドラマが下火になっていたあの頃、どっぷりとした恋愛ドラマは毎日子育てに奮闘中の主婦の心に刺さったのだ。

画像2

1.ほかの作品をなかなか見れないジレンマ

そうしてその次に皆が思うのは、他の韓国ドラマが見たいという衝動。主演であるぺヨンジュンやチェジウ、監督のユンソクホ作品にまで興味を持つも、あの頃はまだ韓国ドラマのレンタルビデオはほとんどといっていいほど出回っていなかった。面白そうな作品を調べても見るすべがわからない。行ける範囲のレンタルショップを調べ「秋の童話」というユンソクホ監督が冬ソナの前に作った作品ををゲットするのに血眼になって駆けずり回った。ようやく手にし、丸2日間で夜中までかけて16話を制覇。物語は、取り違え、兄弟の愛(血はつながってない)、不治の病といった少し暗めのベタな話を根幹としていたが、挿入歌の良さや背景の綺麗さ、俳優陣のビジュアル、そして何度も訪れる切なく涙を誘うストーリーがさらに私の興味をかきたてた。もっといろんな作品を見たい。見れるドラマは片っ端から手を付け、CSだと比較的たくさんの作品が見れると知るとすぐに何本か契約。そこから私の韓国ドラマとのライフワークともいえる長い付き合いが始まったのだ。

画像3

2.はまってゆく大きな要因は音楽

あの当時「韓国ドラマのどこがいいの?」と聞かれて、まず日本のドラマと違ってハマる大きな要因となるのがドラマの中で流れる”音楽”と答えていた。日本のドラマでも主題歌がいい作品はたくさんある。一昔前なら、「ロングバケーション」や「東京ラブストーリー」なんかも、曲を聴けばドラマのワンシーンが浮かんでくる。私のお気に入りドラマの一つである。ドラマを盛り立てるのには欠かせないアイテムだ。でも日本のドラマでは、せいぜい挿入歌を含めた2曲ぐらいでドラマのサントラを買おうと思ったことは一度もない。でも韓国ドラマではかかる曲数も多く、ドラマのいろんなシーンで流れる曲がストーリーと一体化する。

あの当時見たドラマでそれを代表するのが、ユンソクホ四部作のひとつでもある「夏の香り」という作品。物語自体は今思えばそこまで名作と呼べるものではなかったかもしれないが、ドラマのメインカラーでもある"緑”の描写が美しく一面の茶畑や景色が素晴らしい。視覚が記憶に残る数少ない作品。切ないストーリーに寄り添うように流れる楽曲は歌詞がわからなくても心にしみる。今でも目に浮かぶストーリーの断片には、「夏の香りの曲」が必ず流れている。あの曲がなければあのドラマは成り立たない。

画像3

好きな作品のサントラ盤は必ずと言ってもいいほど買っていた。日本では手に入らないことが多かったので直接韓国から取り寄せたりして。今ほどK-POPも盛んではなかったし、扱ってるお店も少なかったので大変だったけどそれでもドラマとサントラはワンセット。ドラマの世界観に浸るためにはなくてはならないほど私にはとても大切なものだった。

3.お気に入りの俳優とラブコメとの出会い

そう、韓国ドラマにはまり始めた最初のころは見れるドラマは新旧ジャンルを問わず全部見ていた。当時よく言われていた韓国ドラマにありがちな設定。記憶喪失、出生の秘密、交通事故、不治の病、男女貧富の差、確かに一つのドラマにいくつかは絶対入っていたような気がする。そんなよくあるパターンが満載でも、なぜかどの作品も楽しく見ることができた大きな要因は、主人公の男性の魅力にまんまとハマり続けていったことかもしれない。とにかく一途でどんな逆境にも誘惑にも揺るがない。恥ずかしくなるようなかっこいいセリフがこれでもかというくらい出てくる。あの頃に”リアコ”という言葉があったらまさにそんな感じで見ていた気がする。

そんな中出会ったのが「私の名前はキムサムスン」というドラマ。俗にいうラブコメと言われる作品だ。私が韓国ドラマを見始めて2~3年たったころだったと思う。それまで50近いの作品に触れてきたが、この作品は秀逸だった。一言でいうと、若くてかっこいい金持ちの社長と三十路にさしかかった容姿もさほどではない豪快なお姉さんとの普通ではなかなかあり得ない恋愛模様。ありそうでなかった新鮮な設定。主人公のキムソナはこのドラマのために8キロも体重を増やして挑んだという。その姿はサムスンそのものと言える。そして一番の魅力はヒョンビンのかっこよさだ。性格が悪いの御曹司がサムスンとの最悪の出会いからどんどん魅力的な男に変わっていく過程に引き付けられた。ヒョンビン扮するジノンがサムスンに少しづつ惹かれていく心の動きが物語の肝となる。私が初めてラブコメで大好きになった作品だ。

私にとっての韓国ドラマは、そのときの気分や体調によって見るジャンルが変わる。他に気になるものや悩み事が頭の中を占めている時は、史劇や重めの題材のものは見進めることが難しい。でもラブコメはどんな時でもすんなり見ることができる。好きな俳優さんの作品ならなおさらサクサク進む。気になることに少し距離を置ける、日常生活の中で精神をコントロールすることのできるなくてはならないアイテムの一つになった。

4.人生を退屈にしないための糧

このころから韓国ドラマというだけで何でも見るスタンスから、好きな俳優が出ているものや面白そうな作品をセレクトして見ることにした。面白くない作品は見終わった後にストーリーも記憶に残らないし、かなりの時間を無駄にしたような罪悪感にかられる。私はこの2~3年のことを自分の中で韓流第一シーズンと呼んでいる。子育てに没頭していた毎日に、息抜きや人生の違う楽しみを見つけ両立させる糧みたいなものを発見できた大きな転機の時期。今から15年以上も前の話で私と韓国ドラマの関係はこの先まだまだ続いてゆくことになる。

画像4

せっかくなので当時(2002~2006)見ていた作品を思い出し順位をつけて紹介してみることにしました。(※実際の放送時期とは異なります。)

👑 私の名前はキムサムスン (出演:キム・ソナ ヒョンビン)    2. パリの恋人       (出演:パク・シニャン キム・ジョンウ)3. 火の鳥         (出演:イ・ソジン イ・ウンジュ)   4. フルハウス       (出演:ソン・ヘギョ Rain)      5. 大望          (出演:チャン・ヒョク イ・ヨウォン )6. 秋の童話        (出演:ソン・スンホン ソン・ヘギョ) 7. 1%の奇跡     (出演:カン・ドンウォン キム・ジョンファ)8. 明朗少女成功記     (出演:チャン・ヒョク チャン・ナラ) 9. マイラブ・パッチ    (出演:チャン・ナラ キム・レウォン) 10. 夏の香り        (出演:ソンス・ンホン ソン・イェジン)

上位5つくらいまではすんなり決まりましたが、それより下の順位は正直、すごく難しい。他にもたくさん思い浮かぶ作品がある。"チャングムの誓い”や”イブのすべて”とかも何度も繰り返し見ていたし、”バリでの出来事”は俳優さんが好きではなかったが名作と呼べる。”冬のソナタ”を順位に入れなかったのも日本語版、韓国語版、ノーカット版、と見飽きるほど見過ぎてしまったゆえにあえて別物と考えるようになってしまったから。そう。ハマると繰り返し見たくなる性質なので、そういう観点からみてもここで上げた作品=好きな作品ということなんだろう。

3年で50作という状態は、ある意味無茶な生活だったかもしれない。仕事をし始めた時期だったし、それも気に入った作品は何度も繰り返しながら見ていた。でもこの時期に今の韓国ドラマをメジャーな分野へと誘ってくれた多くの俳優さんの作品を見れたことは、韓国ドラマというものを語るにおいて重要なことだったように思う。この後の時期からは、もっとドハマりする作品、完全な”リアコ”俳優の出現、史劇の魅力にますます翻弄されていく第二シーズンへ向かっていくこととなる。

#エッセイ   #韓国ドラマ   #ヒョンビン   #冬ソナ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?