韓国俳優で唯一”リアコ”と呼べる存在。

韓国ドラマを見始めてもう17年近くになる。でも私は韓国に行ったこともなければ文化に詳しいわけでもない。娘たちは気軽に旅行したり、KPOPにハマったり、何なら韓国語検定を受けたり。韓国という国に結構親しみや、興味があるようだ。私自身はドラマonly。ドラマを通してしか韓国を語ることはできない、堅物な韓流ドラマオタクである。ただこの間、一度も飽きることはなく、ずっとこの流れを見続けてきた根っからの韓流ドラマオタクであることは間違いないと思う。

韓国には兵役という制度がある。日本には馴染みのないこの風習に、韓流ブームと呼ばれる中、俳優ベースでドラマを楽しみ始めていた頃に、2年も(次のドラマの準備期間なんかも合わせるともっと長いかもしれない)お気に入りの俳優のドラマを見ることができないなんて!正直戸惑いしかなかった。きっと本人たちにも一抹の不安はあるはず。しばしば”兵役逃れ”なんていう言葉も耳にした。二年という月日は心変わりが生じても正直仕方がない期間だと思う。確立したファンを繋ぎとめることは容易ではないはず。私自身も日本のアイドルを応援する感覚と違い、人となりに惹かれた訳でなく(少なくとも私の場合はそうだった)ビジュアルやマッチした役どころに心を奪われた訳で、次々と出てくる若い俳優たちも十分魅力にあふれている。兵役というものをある意味しっかりと認識させてくれた。それががチャン・ヒョクという俳優だった。

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1、今までになかった気になる存在。

私が彼の作品で好きなもとしてあげる代表作は「僕の彼女を紹介します」という映画だ。チョン・ジヒョンが主役の人気映画「猟奇的な彼女」に続く、日本でも話題の作品だった。大好きな韓国映画の3本の指に入るこの物語はチョン・ジヒョン演じるヨ・ギョンジンとチャン・ヒョク演じるコ・ミョンウの織りなす切ないラブストーリー。主題歌はX JAPANの「Tears」。物語の終盤一番印象に残るシーンでこの曲がかかる。チョン・ジヒョンの切ない演技にマッチして深く涙をそそる。多くを書いてしまうとネタバレになるので内容には触れないが、映画の中のチャン・ヒョクはすべてにおいて私の理想の彼氏だった。

顔がタイプというわけではない。ただドラマの中の役どころにはどれも何故か引き付けられる。言葉ではうまく言えないが、どの作品を見ていてもいつも彼を好きな気持ちに気付く。その気持ちが何なのかその時はよくわからなかったが、彼の次の作品にとても期待を寄せ始めた頃、いろんな経緯を経て彼は兵役に行ってしまった。

2、ビジュアルも演技も兵役前より◎

2005年~2009年くらいの辺りは、ほんとにおもしろい作品やかっこいい俳優の作品を見まくっていたので正直チャン・ヒョクのことは、頭の片隅程度だったが片隅にいつもあったのは間違いなかったと思う。当時韓国で放映されたドラマは一、二年たたないと日本で見ることができなかったものも多い。時差が生じるので意外とほかの俳優の作品は兵役中でも日本では見れたりする。その頃作品をよく見ていたのは、兵役目前だった、チ・ソン、ソ・ジソプ、兵役を終えていたイ・ソジン、クウォン・サンウ、少し若手だと、キム・レウォン、チョ・ヒョンジェ、イ・ドンゴン、そしてヒョンビン、イ・ジュンギ、チュ・ジフン、コンユという感じに移行していった。大概この頃に韓国ドラマを見ていた人はこんな感じで推移していくパターンが多いはず。その間に除隊で復帰する俳優が出て来たりもして、大忙しになってゆく。私は、彼が兵役期間中も着実に韓流ドラマオタクとしてたくさんの俳優を見続けていた。

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チャンヒョクが除隊後ほどなく新しいドラマで復帰を果たしたと耳にした。

「ありがとうございました」というドラマだ。楽しみではあったが、すぐに見ることがきなかったのと、医療ミスで”HIV"に感染した子供、認知症の祖父シングルマザーという重いテーマのドラマに少し尻込みしてしまった。でも流れてくる評判はとてもよく、少し時間がたってから見始めた私はもっと早く見れば良かったと後悔するほど衝撃を受けた。

役柄のせいかもしれないが、チャンヒョクは髭をはやし少し痩せていて、とても男っぽくなっていた。大人の男の雰囲気にワイルドさが合わさったビジュアル、かっこよくなって帰ってきたなと素直にうれしかった。ドラマの内容にも深く引き込まれたのは相手役のコン・ヒョジンの演技が心に響いた部分でもある。とても感動的な作品だった。傲慢で乱暴な心を閉ざした医者がだんだんと魅力的な人間に変わっていくという私の大好きな展開。家族の愛をベースに主人公たちの恋愛模様も味わえる満足できる作品に仕上がっていた。

何よりも印象に残ったのは、チャンヒョクの演技とカッコよさ。兵役を経て、何か自分の中で演技をすることへの思いに変化があったのか、もともと持っていた潜在的なものが出てきたのかはわからないが、この二年間の兵役は俳優チャン・ヒョクを、大きく成長させたんだと強く感じることができた。恐るべし兵役。デメリットのように捉えることは本人たちにも失礼だし、浅はかなことだと思い直した。このドラマの後の彼の作品を見ても、いろんな意味で転機になったことは間違いないだろう。

このドラマを何度か繰り返し見たときに初めて気づいた事がある。今までアイドルや好きな俳優もいたけれど、キャーキャー言ったり、応援したい気持ちであったりで恋愛と錯覚するような事もなかった。あー、でも違うこともあるんだ。ブラウン管(?笑)の中の俳優に本気でドキドキすることもあるんだな。以前から少し感じていた得体のしれない感情はそういうことだったんだと納得できた瞬間でもあった。

3、いつもいろんな役に果敢に挑戦する素晴らしい俳優

兵役後チャンヒョクは映画やドラマに精力的に取り組んでいた。必ず一年に一本以上の作品に出演している。しかもジャンルも様々で、いろんなタイプの役だからいろんな表情が見れて、ファンを飽きさせることがない。次はどんな役に挑むのか?楽しみな反面こんなに立て続けに仕事をして家庭は大丈夫?と余計な心配してしまうくらいだ。私生活では、確か3人の子供のお父さん。両立しながら俳優チャンヒョクは確実に実力・人気ともに兼ね備えた俳優になっていった。

同じ年代の俳優といえばソン・スンホン、ソ・ジソプ、クォン・サンウ、チソン、カン・ジファンが思い浮かぶ。その中でも彼の作品数は断トツで多い。そして最近では主役以外の役もこなすようになった。それも彼のポリシーの一つなんだろう。主役でなくても彼の放つ存在感や演技のうまさは健在であり作品を引き締める。その俳優として貪欲に向き合う彼の姿勢が唯一無二の俳優チャン・ヒョクを創りあげてきたのだ。最近の彼を見ていると「素晴らしい俳優になったなあ」と、そう呟かずにはいられない気分だ。

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チャンヒョクを語る上でもう一つ触れておきたいのは、彼が”史劇”で放つ独特の魅力。

どんな身分の役も見事に演じきってしまう。特に歴史上実在した人物を演じる時、チャンヒョクの演じるその姿がその人物になる。彼の目なざし、表情、動きが役に魂を吹き込む。この年代の主役級の俳優で時代劇での存在感は、彼の右に出るものはいない。彼の時代劇の作品の中で一番有名なのは「推奴」(チュノ)という作品。平均視聴率も32%の人気作品であるとともに、彼はこの作品で“KBS”演技大賞を獲得している。彼が演じたテギルの心の葛藤や一途な思い、荒々しい部分とのギャップを迫真の演技で体当たりした作品だ。

ただ私の一番はこれではない。「輝くか、狂うか」の光宗の役が彼の時代劇の中では一番好きだ。時代劇の主軸となるカリスマ的な部分と、ヒロインシンユルとの心を揺さぶるラブストーリーの両方が楽しめる。チャンヒョクの魅力を一挙に味わえるおすすめの作品だ。馬に乗ってる姿は本当に美しい。

4、チャンヒョクのおすすめの作品、BEST 5

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作品もたくさんある中、5本に絞り込むのはかなり難しいが、今の直感で選んでみました。                           👑運命のように君を愛している (ドストライクのラブストーリー。ユニークな場面と胸が痛くなるような切ない部分がとってもおススメの作品。)

2、輝くか、狂うか  (史劇としての物語も楽しめるしラブストーリーの部分もキュンキュンできる、とにかくかっこいいチャンヒョクが見れる)

3、ありがとうございました (冷酷で不愛想な主人公が島で出会ったある家族と触れ合うことで段々と心を開いていく様子が見どころの感動作) 

4、推奴     (彼を語る上ではこの作品は欠かせない。主人公の切ない心の葛藤がダイレクトに伝わり彼の演技に引き込まれること間違いなし)

5、根の深い木    (この時代の時代劇の中でも内容的にも良くできた面白い作品。時代劇のチャンヒョクが確立した作品)


個人的には兵役前の作品も大好きですが、人にすすめるならで選ぶとこうなってしまう。最近の彼の作品を見ていて、ひとつ欲を言わせてもらえれば、歳を重ねてしまったせいかラブストーリーから遠ざかってしまった。これ以上歳を重ねる前にチャンヒョクのドロドロの恋愛ドラマが見てみたい。ラブストーリーの中の彼はどんな時も罪悪感さえ覚えてしまうほどドキドキさせてくれる。これかも私にとって唯一無二の”リアコ”俳優でいて欲しい。

#エッセイ   #韓国ドラマ   #チャン・ヒョク   #大好きな韓国俳優


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