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「きみが死ぬとき思い出す女の子になりたい」あとがき

こちらは今回、創作大賞にエントリーしている『きみが死ぬとき思い出す女の子になりたい』のあとがきページとなります。

まずは本編をお読みください。


『きみが死ぬとき思い出す女の子になりたい』というタイトルは私、さめざめが2016年にリリースした楽曲のタイトルです。

昔から、私の中で「死」はそこまで遠くないところにあるものだと感じてます。

私の祖父は、子供の頃なんとなく記憶があるときから病気でボケていて会話らしい会話をすることはありませんでした。

小学生低学年の頃、祖父の介護のために数年一緒に住んでましたが、最後の最後まで祖父は私が孫ということも分からなかったでしょう。なので祖父から私は「さおり」と名前を呼ばれた記憶はありませんでした。
ある日、朝目が覚めると母親が「お祖父ちゃん、死んじゃった」とポツリ言いました。そばにいた人が居なくなるという事実に初めて直面をしてショックで涙が止まりませんでした。

確かその日はとても空が晴れていました。
学校の体育の授業で校庭でサッカーをしていると、どうしてこんな悲しい気持ちなのに私は学校に行って体育で体を動かさなくてはいけないだろうと思ったことをひどく覚えています。

10年以上前、さめざめをはじめてからの話、何度かさめざめのライブ写真を撮ってくれていたカメラマンの男の子が病気で亡くなりました。
20代で進行の早い病気での死でした。その子は友達の元カレでもありました。
その友達と一緒にその子の元カレのお通夜に行ったとき、お花の周りに写真がたくさん飾ってあって、その中に二人が恋人だった頃の写真もありました。
別れて、数年経ってたというのにまるで今でも恋人かのように。
友達はその写真を見て泣いていました。もしかしたら、その男の子にとって最後の女の子だったのかもしれません。


大切な人の死は悲しくも立て続けにあることもあります。
2018年、私の父が亡くなった4ヶ月後、追いかけるように祖母が亡くなりました。
祖母は父にとっては義理の母でしたが、祖母は父が亡くなったとき「どうして年寄りの私の方がまだ生きているんだろう。」と先に死んだ父のことを想って言ったそうです。
その年はお葬式の連続でいつの間にかお通夜からお葬式の段取りに慣れてしまい、こんなの慣れたくもないと思いつつ、大人になるということは人を見送っていくこと、そして自分も誰かにいつか見送られるのだなと思いました。

生きていれば誰かが生まれて、誰かが死んで、そんな現実を当たり前のように過ごしていきます。もしあの日の「死」を止めることができたなら・・・そんなことを考えたとき、せめて物語の中だけでもこの手で人の命を救えるか頑張りたいと思ってしまったのです。


少し話はそれますが、私は今まで過去にオトナたちに言われた出刃包丁のような言葉が今でも心に刺さったままです。

昔、私の書く言葉を少しだけ気にかけてくれていたオトナが「君は表の人間よりも裏の人間が合ってるよ。脚本家にならないか」と言いました。
私は書き物にも力を入れたかったので、そのとき綴っていたnoteを見せました。
まだまだ荒削りだし、未完成ではあるけどこんな私をもし育ててくれるなら頑張ろうと思ったのです。

でもその人は「ただの官能小説だね」そう言って、そこから一度も連絡をくれなくなりました。そうか、私の書いてるものはただの官能小説だったのかと、呪いの言葉のようにずっと連呼していました。
そこから物語を書くことに恐怖すら覚えていました。


二十代前半の頃「君は絶対に売れる歌手になる!」と言っていたオトナ
私の音源を聴いてすぐにでもデビューしようと言ったのに、ライブに来てみたら「お客さん、おじさんしかいないんだね。なんかイメージと違うな。」と言われ「君を裏切るわけじゃないんだよ」と言って私からすぐに去ったオトナ
私はそれから女性のお客さんを強く求めるようになりました。


いつか私を拾ってくれたオトナ
事務所との契約が切れる時
「売れなかったのは君のせいだからね」言われました。
「きみのSNSは痛いからフォロー外したよ。」とか「何その自撮りのアイコン?」
男性スタッフやディレクターに笑われました。
言い方というのはとても大切で、もっと違う言い方はなかったのだろうかと思います。

上記の言葉を刺したオトナたちにあの時よりも音楽や文筆での作品で認められて復讐をしたいのです。

私はいつだって復讐心でしか生きていません。(文章だけ読んでると私、めちゃヤバイ人みたいだね!)

途中からホラーみたいな文章になってしまいましたが今の個人的な目標としては自分の綴った言葉を新たに書籍化することです。

このnoteの創作大賞で何かを掴みとれるほどの自信は未知数ですが、これを機にもっと自分の言葉を綴り、皆様は届けられるよう励んでいきたいと思ってます。
物語はもちろん、エッセイや詩集的なものを書きたい。
まだまだ言葉のストックで渋滞中です。

まずは一次審査が通過できるよう皆さからのお力をお借りしたいです。

文筆家笛田サオリも引き続きよろしくお願い致します。
是非今回の新作、お読みください。

笛田サオリ

#創作大賞 #恋愛部門


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