【短編小説】4.うわさのいえ【その角を通り越して。】
←前の話
薄暗い部屋の中。
普段は心地の良いろうそくの灯りが薄気味悪く感じてたまらなくなり、
立ち上がって蛍光灯のスイッチを入れた。
ジジ、と小さな音がして無機質な明かりが部屋を照らす。
何も変わらない汚い部屋だ。
曇った鏡には僕が映っている。
明るさは少しだけ僕を安心させてくれたが、
急に風の音が気になり始めて窓から外を見た。
いつの間にか雪が降っていて、外は吹雪になっている。
今日はもう暖かくして寝るか…
僕は部屋の灯りを落とし二階にある寝室に向かった。
この