まずそうなリンゴ【短編小説】
便利屋が店主の手伝いをするきっかけになったお話
Ⅰ
ろうそく屋の店主が暮らす小屋は、人里離れた山の中にあった。
自らを大賢者と名乗るドワーフのレリオンと
背の高い便利屋のサトウがろうそく屋に現れて
星空を作る者と呼ばれた店主は
その生き方もいいかと気持ちを切り替えて
せっせとろうそくを作っていた時。
便利屋が、部屋中に無造作に置かれたキャンドルを見て
これをどこかに売りに行かないかと店主に持ち掛けた。
材料となるロウは昔おばあちゃんが使っていたであろうものが
物置に