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変わること、手放すこと、また手を取ること。

「一生変わらず好きでいたい」という気持ちはあるけれど、変わらないことは枷でもあって、かつて好きで好きで仕方なかった人のことを、今ではそれほど好きじゃない、というかあまり気にならなくなっていることもある。寂しいような気もするけど、それもいいのかもしれないな。関係性も都度更新制で。

僕は単純だから、好きな気持ちを返してもらえていると、何度でも僕からの好きの気持ちも更新できるんだけど、連絡が途絶えたり、相手からの好きを感じなくなったりしてしまうと、かなり速いスピードで気持ちがあせてしまうんだよな。嫌いにはならないけれど、僕の心の中で存在が薄れていってしまう。

僕にとって大事なのは、自分の気持ちに嘘をつかないこと。これに付け加えて、「今の自分の気持ちに嘘をつかないこと」って言うべきなんだ。人は結構、昔の自分に言いくるめられて、今の自分に嘘をついてしまうものだと思うから。

持っていたものを手放すのは、最初から持っていないよりもずっと苦しい、ってよく言うけどね。僕はそろそろ40歳で、そんなにたくさんのものを抱えて歩いてはいけないから、手放すことを覚えたほうがいいんだろうな。本当に大事にしたいものを抱えておくためにも。

この前、好きな人に言われたんだけど、「煉さんはすごく欲張りですよね」って。そうなんだよ、あれもこれも手を出したい、あの人もこの人も好きになってしまう、できることならみんな助けたい……それはもう僕自身だからきっと変わらない。だからこそ少しは、手放すのがうまくなったらいいな。

手放すと言っても、絶縁するわけじゃない。不可逆な話ではないんだ。そっと手を離すだけ。また向こうから手を伸ばしてきたら、にっこり笑ってその手を取ったらいい。

独占愛には、「手放したら終わり」みたいな感覚もあるよね。他の人にとられちゃうから、みたいな。そういうのからも解放されていきたいな。

一度手放した人をもう一度好きになったっていい。人は変わるのだから。自分も、相手も。

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文月 煉
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