【最新号試し読み】月刊不動産流通 23年3月号
その中から、
・流通フラッシュ「“まちの歴史”を保存・再生。不動産事業者による近代建築物有効活用に高い期待」
・座談会「賃貸仲介・管理業の未来」
の内容を掲載します。
試し読み①(全文掲載)
流通フラッシュ
「”まちの歴史”を保存・再生。
不動産事業者による近代建築物有効活用に高い期待」
独自の意匠や装飾生かし新たな使途。
小規模建物の有効活用が課題に
戦前から今日まで、まちのシンボルとして愛されてきた「歴史的建造物」を保存・再生し、有効活用していこうという動きが、全国各地で見られるようになった。不動産事業者による取り組みも活発化している。
1920〜30年代に建てられたビルや公共建築物は、現代の建築物にはない繊細な意匠、重厚なコンクリート造りが特徴。登録有形文化財や重要文化財等に指定され保存されている建物が多く存在するが、一方、老朽化や耐震性不足といった安全性の問題、使い勝手の悪さ、所有者の経済的な事情等で、解体を余儀なくされるものも少なくない。
だが、まちの歴史を紡いできたそれらの建築物は地域住民の思い入れも強く、保存を求める声が上がることも多い。近年は自治体の財源不足等を背景に、公的不動産(PRE)を民間のアイディアや運用等により有効活用しようという自治体も増えてきた。建築物の独自の意匠や造りを生かしながらリノベーションやコンバージョンにより新たな命を吹き込む取り組みは、まさに不動産事業者の腕の見せ所。まちの魅力づくりやにぎわい再生につながる事例も出てきている。
ただ、こうした歴史的建造物の保存・再生には少なからぬコストも掛かるため、スケールメリットが期待できる大型の建築物での事例に偏っているのが現状。京都の「町家」に代表される個人所有かつ小規模の建築物は、保存・再生が進まないのが現状だ。これらの建築物を丹念に拾い上げ、不動産特定共同事業等の新たなスキームで新たな使途を見出していくのも、地域に根付いた不動産事業者の使命といえよう。
試し読み②(一部掲載)
座談会「賃貸仲介・管理業の未来」
人口減少に伴う賃貸需要の減退やユーザーニーズの多様化、急増する単身高齢者や外国人の受け入れ、DXの推進など、賃貸仲介・管理業界を取り巻く環境はめまぐるしく変化し、課題も山積している。事業者はどのように顧客や地域と向き合い、課題に取り組んでいくべきなのか。また、賃貸仲介・管理業はこれからどう変わっていくのか。地域に根をおろし、賃貸管理業に取り組む4社の代表者に〝これからの賃貸仲介・管理業〞について意見を交わしていただいた。
SNSや口コミのリサーチでユーザーが情報を選別する時代
司会 デジタル化やコロナ禍など、業を取り巻く環境の変化が激しい中、
ユーザーやオーナーの行動や意識はどう変わっていると感じていますか?
乃万 ユーザーでいうと、Z世代を中心に、SNSや口コミのリサーチなど
で事前にかなりの情報をキャッチした上での部屋探しが当たり前になってき
ました。電話での問い合わせや来店ではなく、LINEチャットで物件探しから入居申し込みまでを済ませるユーザーも多いですね。
司会 御社は無人店舗も展開されていますが、部屋探しのあり方そのものが変わってきていると?
乃万 その傾向はあると思います。10年くらい前には、すでにスカイプによるオンライン接客を始めていましたが、当時お客さまには「オンラインなんてやったことがない」「何だか怖い」となかなかご評価いただけませんでした。しかしコロナをきっかけにデジタル化が進んだおかげで、オンライン接客への抵抗はまるでなくなりました。
宮川 物件の〝質〞を重視する傾向も高まっていますね。昔は「〇万円以下
で部屋を探している」という価格主体のユーザーが多かったのですが、今は「少し賃料が上がってもより良い部屋を借りたい」と、デザインや設備を重視する方が増えていると感じます。
司会 オーナーの変化についてはいかがですか?
小村 オーナーについても、所有する物件の質にこだわる方が増えているよ
うに思います。住戸内のデザインはもちろんですが、外観の見栄えにもこだわるオーナーが多くなりました。そのため、当社ではおしゃれな外壁デザインやメンテナンスにも手間やコストがかからない資材や建材を提案するよう
にしています。格好いい物件になるとすごく喜んでいただけますし、まちの景観も良くなります。今後は外構や植栽も含めたリノベーションの提案なども行ない、まちの価値を上げられるような物件を増やしていきたいですね。
司会 1968年創業の小菅さんは、古い付き合いのオーナーが多いと思います。世代交代が進んでいるのではないですか?
小菅 そうですね。創業時から付き合いのあるオーナーは、代替わりが進みつつあります。そうした世代交代を機に、賃貸経営に積極的になるオーナーが増えていると感じています。
本誌ではさらに、
・業法施行による「管理業」の在り方の変化
・不動産テックが業務にもたらす影響
・外国人、高齢者の受け入れ態勢
・不動産管理業とまちづくり
・10年後の賃貸仲介・管理業の未来
等に関して熱く語り合っている内容を紹介します。
その他さまざまなコーナーが有ります
「月刊不動産流通2023年3月号」では、この他にも不動産実務に関わるさまざまなコーナーを掲載しています。
・一問一答!建築のキホン
「『耐震』『制震』『免震』。それぞれの工法の違いは?」
・宅建業者が知っておくべき『重説』に必要な基礎知識Q&A 〜建築編 vol.11
「『レッドゾーンと建築物』その1」
・不動産登記の現場から
「2つ目の自宅という考え方」
・関連法規Q&A
『港湾法の一部を改正する法律』施行に伴う宅地建物
取引業法施行令の改正について教えてください。」
・適正な不動産取引に向けて―事例研究
「重説を外国語で行なう法的義務は認められないとして、日本語を理解しない外国人買主の訴えを棄却した事例」
などなど…
不動産会社の取り組みを多数紹介。業界の把握に役立ちます。
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