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少子化と地域と子ども

息子が通う小学校は私の母校なのだが、他と同様に少子化傾向にあり、息子の学年は14人で、学年によっては1桁人数の学年もある。
1クラスの人数は減っているところも(特に地方では)多いのだと思うが、人数が少ないことはメリット、デメリットのどちらもあると思う。
デメリットになるかもしれないのは社会が小さく、触れる人の多様性が少ないということである。ある意味で逃げ場が少ないとも言えるのかもしれない。しかし、仲良くなりやすいという点はある。このデメリットについては、情報通信技術が発達している現代では克服できなくないと思う。小学校の外に触れる選択肢は増えているので、主体性や頑張りは必要だが、さまざまな状況は選択できるのである。
メリットは一人一人に目を配ってもらいやすいこと、という気がする。(実際に授業を受けたわけではないので想像だが)
このメリットも、先生の人数の確保からからするとデメリットになるのだろう、35人で1クラスと考えると、本来は0.4人の先生でみるべき人数である。
このデメリットが学校が統廃合されていく一つの理由だと思う。
個人的な思いとしては、学校の統廃合は避けるべきか、仕方がないとしても工夫が必要だと思っている。小学校がなくなった地域は人が増える可能性が圧倒的に減ってしまうからである。小学校に通うことが不便な地域では子育てのハードルが上がるので子育て世代がその地域に入ってくる可能性は減る、そうするとその地域はさらに子ども世代が減ることになり、将来的な高齢化のスピードが上がる傾向が強くなってしまう。
もっと単純に地域に元気がなくなると思うのである、小学生が地域を歩いていない、(今はコロナ禍で大々的にやるのが難しいのかもしれないが、)運動会や発表会などのイベントがその地域になくなるということは地域の「活気」に影響を与えるし、祭りなどは子どもいると盛り上がるというのは誰もが思うことである。私は今子育て世代だが、自らが子育て世代でなくなっても地域に子どもがいる環境に住んでいたいと思う。
子どもを減らさないために何が出来るか。地域の魅力をあげること、その地に居続ける人やUターン、Iターン、様々な形がありうるが、住みたいと思える地域であること、具体的には住んでいる人がイキイキしているといいと思う。そのために私が出来ることがあるとしたら、その地域なりの暮らしを大切にするということ、その人なりの暮らしを大切にするということではないかと思う。地域の良いところは何なのか、家が密集しているのか、離れているのか、地域ならではの暮らしはあるのか、地域で人の住む地域を残していくとしたらどこがいいのか、などについて考えることである。これは半径1.5km(自宅から小学校までのおおよその距離間)ぐらいの範囲で考えられることと敷地の中で考えることをどうリンクさせていくかということではないかと思う。
日当たりがよく、気持ちいい住まいのためにはどう建てるのがいいのか、その人が求める暮らしと、その敷地を次の世代、次の次の世代が使うことを前提にする場合にどう住うのがいいのか。
地域の拠点を考えることも大切であると思う。コロナ禍で集まれない日々が続いたし、これまでと同様に集まれないかもしれない状況で集まる場所は更新されるのかどうか。そうしたことも考えないといけない、もし小学校が統廃合して地域からなくなってしまっても、拠点があることで、イベントを行ったり、登下校の拠点にしたりなど、その地域から子どもが減らないようにすることは考えられるかもしれない。

今の子どもたちが自分が育った地域の魅力を実感することができたら、その子たちが次の世代に魅力を伝えてくれるし、新たな魅力を作ってくれる。子どもたちが魅力を感じるためには、地域の人みんなが魅力を感じていることが最大の近道だと思う。

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