見出し画像

PERFECT DAYS

素晴らしい映画だった。ある人物の日常にこんなに感動できて関心がもてるのなら、人はもっと他人のことを考えられるのかもしれない。どんな人にでも毎日があり、毎日をきちんと生きることはとても充実していることなんだと考える。
※ネタバレ含みます。

日常繰り返しているようで、同じ日常はない、それでも日々を繰り返す

楽しみ、幸せは本当に好きな少しのことを享受することなのかも、
植木に水をやり、カセットで音楽を聞く、丁寧に仕事をし、大好きな木々を眺めながら昼ごはんを食べる、開店直後の銭湯でゆっくり風呂に入り、いつもの居酒屋でご飯を食べ、寝る前に眠くなるまで古本屋で一冊100円の本を読む。週末は洗濯、掃除をして本を選び行きつけの店で夕食を食べる。やることは決まっている。
言葉にすると何気ない日常だが、食事や洗濯を外に頼ることができる都会であるからこそのシンプルな暮らしぶりがある。

仕事に向き合う、工夫する

トイレ掃除という仕事にまっすぐに向き合っていてプライドを感じる、隅々まで丁寧に、自分で工夫した道具を使って仕事に向き合う。特徴的な渋谷のトイレが何か非日常感とトイレ掃除の美しさを生み出す。
https://tokyotoilet.jp/

音にとてもフォーカスがあたる

トイレ掃除の移動の車中ではカセットから音楽が流れる。ヴェンダース監督らしいと言ってもいいハイセンスな洋楽から歌謡曲までジャンルは様々、その音がとてもいい。泣きそうで啜る音、道路を車が走りガタガタと鳴る音、日常は音であふれている。
目を使いすぎる現代への批評があるかわからないけれど、日常に音があふれていることに気づかせてくれる。

音楽のリスト
・The Animals “House of the Rising Sun”
・The Velvet Underground “Pale Blue Eyes”
・オーティス・レディング “(Sittin’ On) The Dock Of The Bay
・パティ・スミス “Redondo Beach”
・ルー・リード “Perfect Day”
・The Rolling Stones “(Walkin’ Thru The) Sleepy City”
・金延幸子“青い魚”
・The Kinks “Sunny Afternoon”
・ヴァン・モリソン “Brown Eyed Girl”
・ニーナ・シモン “Feeling Good”

映画の評判は色々と見るけれど、ヴェンダース監督ファンの私はとても楽しめた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?