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2024年6月17日の日記
日記を書きはじめてから、自分の食べたものを記録しようと心がけているんだけど、1日の終わりに朝食のメニューを思い出そうとしても意外と出てこない。その日食べたものさえ忘れてしまうなんて、つくづく人間の記憶など脆く頼りないものである。
ということで、うんうんと唸りながら思い出した朝の献立は、かぶと鶏肉のあんかけに、トマトとゆで卵のサラダ。筋トレを始めて約1年。肉は鶏のむね肉しか摂らない生活を試みてきたけど、いい加減飽きてきたので、そろそろ豚肉くらいは解禁しようかと思う。
朝から1本取材に。インタビューを終えてから、相手の俳優さんが「実は本読んでます」と言ってくれて、激しく動揺する。相変わらずこういうときの喜び方が下手。ついわけのわからない謙遜をしてしまうので、素直に「ありがとうございます。めっちゃうれしいです」と言える大人になりたい。
それにしても暑い。僕の住まいは、築50年超の中古マンションで、見た目や設備なんかはしっかり修繕されているものの、築古物件ならではの「冬寒くて、夏暑い」が顕著。「ヴィンテージマンション」などとオシャレにパッケージングしたところで、自然現象には到底太刀打ちできない。リノベーションのときに断熱材も入れたはずだけど、焼け石に水感がある。
帰宅すると、むっと熱気が漂っていて、それだけでうんざり。日にさらされた肌が内側から火照りを帯びていて気だるくなってしまい、夕方までソファの上でダウン。この年齢でこれだから、後期高齢者になった頃には熱中症にやられてそうだなと想像し、気持ちだけ涼んでみる。
何をするのも億劫なので、夕食はトマトとツナのぶっかけそうめん。毎年、夏はこれでしのいでいる感がある。豚肉の前にエアコンを解禁すべきでは…と思いながら、ひたすら扇風機にへばりついて過ごす。
来月発売の雑誌に載せる用のエッセイを校正。あるフレーズがちょっとワードが強すぎる気がして、もうちょっと柔らかい表現にしたいんだけど、フィットする言い回しが思いつかなくて、うんうんと唸る。5000字の記事を書き上げるより、たった10文字のフレーズをひねり出すほうが時間も労力もかかるのが文章の難しいところ。締め切りまでまだあるので、ベストではないけど、ベター案を思いついたところで、あとは未来の自分にロングパスをする。
そこから1本、インタビュー記事を書き上げる。インタビューには単独取材と合同取材があって。合同取材の場合、自分の質問をベースに、いろんな媒体から出た質問を拾いつつ、記事を構成しなければならない。が、当然、他の人のした質問は僕の意図するものからは逸れていることが多いので、それらをうまくつなぎ合わせながら、1本のストーリーにするのは、なかなか骨が折れる。
形も色も違う小石たちを集めて、その中から共通項を見つけ出し、糸を通して数珠にする感じ。普段はそれが面倒なので、合同取材といえど、記事化するにあたっては自分の質問しか使わないのがほとんどなのだけど、今回は文字数的にも他の媒体の質問も使わざるを得ず、糸を通すための穴がなかなか見つけられなくて、うんうん唸る。
今日はうんうんと唸ってばかりだなと思いながら、日記のオチのなさに対して、これまたうんうんと唸った。
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