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鉄瓶から珈琲を注ぎたくて、煎茶で鉄瓶を消臭した話

「鉄瓶から珈琲を注ぎたい」
この地味な願望を叶えるために、中古の鉄製急須を購入しました。
内部にホーロー加工が施されているので直火にかけることはできず、あくまでもお湯を注いで使う「急須」です。

取っ手の部分が良い感じに倒れてくれるので、ドリッパーをぴったり置くことができ、コーヒーポットとしてめちゃくちゃ優秀な気配を感じていました。
しかし、この鉄製の急須には1つ問題が。
それは、めちゃくちゃ鉄臭いということ。

フタを開けた瞬間に「これは鉄・・・!」とわかるようなニオイが立ち昇り、中に入れたお湯は茄子の煮汁のような紫色に変色するというありさまでした。
もちろん、その急須で入れた珈琲も鉄っぽさを帯び、あまりにもエグ味が力強く出過ぎていて、お世辞にも美味しいとは言えない状態です。

煎茶を使って、急須の鉄臭さを和らげる

これはどうにかしなければ、と色々調べてみたところ、「弱火でじっくり煎茶を煮出すと、茶葉の中のタンニンが鉄と結合し、良い感じにニオイが取れる」という情報を見つけました。
急須なので火にかけることはできませんが、熱湯を注ぐことならできる。
会社からの帰り道、近所にある24時間営業のスーパーで煎茶の茶葉を購入し、実践してみることにしました。

【手順1】コーヒーフィルターでティーバッグを作り、茶葉を包む

まずは、茶葉をティーバッグに詰めます。
我が家には空のティーバッグがない(ドリップバッグを自作するためにまとめ買いしたので、空のドリップバッグなら大量にあります)ので、コーヒーフィルターで代用することにしました。

コーヒーフィルターに茶葉を詰めて・・・

畳んで・・・

まち針で留めれば、簡易ティーバッグの完成。

【手順2】ティーバッグを入れた急須を洗面器の中にセットし、お湯を注ぐ

ティーバッグ入りの急須を、洗面器の中に入れます。
別に洗面器でなく、ボウルでも大丈夫です。

セットしたら、急須の中に熱々のお湯を注いでいきます。

【手順3】急須が浸るくらいのお湯を注いだら、フタをして30分ほど放置する

急須が完全にお湯に浸かったら、保温のためにフタをします。
急須のフタではなく、急須全体を覆えるサイズのものを被せます。
私は、ここでボウルを使いました。

フタをしたら、30分ほど放置しましょう。

【手順4】急須の中のお湯を捨て、再び熱々のお湯を注いでフタをする

30分経ってお湯が冷めてきたら、急須の中のお湯を捨てます。
びっくりするほど紫色に染まったお湯が出てきました。

そして、あたらしく沸かしたお湯を、先ほどと同様に急須に並々と注ぎます。

【手順5】手順4を何度か繰り返す

手順4を何度か繰り返すうちに、急須から捨てるお湯の色がだんだん透明に近づいてきます。
それにともなって、急須のニオイも薄れてきます。
もういいかな?というタイミングで、作業を完了しましょう。

3日間繰り返すと、ニオイが和らいだ。焙煎失敗をカバーするキレの強調。

上記の作業を3日間繰り返すと、かなり鉄くさいニオイが和らぎました。
コーヒーポットとして使ってみたのですが、初日のようなエグ味は感じられません。

ただ、ボディがけっこう鋭く強調される傾向は残っているようで、浅煎りコーヒーにはまったく合いませんでした。
深煎りのコーヒーで、キレを強調したいときに使っています。
焙煎があまりうまくいかなかった豆も、急須で入れると良い感じに味が上書きされて飲めるようになります。

急須からコーヒーを注ぐのって、和洋折衷な感じがあってなんだか非常に楽しいです。
注ぐ前に三つ指をついてお辞儀をしたくなります。
外国からのお客さんにも喜ばれるかもしれませんね。

そのコーヒー豆の個性をしっかり楽しみたい場合には不向きだと思うのですが、キレのある味を楽しみたい方や、焙煎に失敗した豆をなんとか飲みたい方、外国人のお客さんに和の要素を届けたい方には、オススメできると思います。
ご興味のある方はぜひ試してみてください。

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