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30代の10年間を、風邪をひきながらコーヒー豆を煎って過ごす

今朝、妻から「糸井重里がさくらももことの対談で、『20歳の誕生日や30歳の誕生日のように、人生には節目となる誕生日がある。その節目となる誕生日の過ごし方が、その後10年間を象徴する』っていう話をしてた」と教えてもらいました。
さくらももこのエッセイ本『まる子だった』に収録されている、糸井重里氏との対談の内容です。

30代初日の朝は、コロナとともに目覚める

今日は、私の30歳の誕生日でした。
昨晩から体調を崩し、ちゃんとコロナの陽性反応を出してしまっていた私は、妻から教えてもらった糸井氏の言葉を聞き、何とも言えない気持ちになりました。

フルリモートワークの会社に勤めているので、体調が大幅に崩れていなければ、コロナであってもとくに支障なく仕事はできます。
幸い喉の痛みと微熱がある程度で症状は軽かったため、通常通り業務を開始しました。

ただし、いつもよりもちょっと、お茶目な発言をするよう意識しました。
26歳のときにふと「お茶目で洒脱で軽妙な人生を歩みたいな」と思ったことを、糸井氏の言葉を反芻しているうちに思い出したからです。

症状が軽いとはいえ微妙に熱っぽさが気になったため、タスクをけっこう積み残しながらも、ほぼ残業せずさっさと退勤しました。
30代の10年間は、残業時間削減を通じて会社の経費節減に寄与したいと思います。

30代初日の夜を、コーヒー豆を煎って過ごす

晩ご飯の後、以前から気になっていた「コーヒー豆の焙煎」に挑戦してみました。
焙煎機は持っていないので、フライパンでの焙煎です。

まずは水抜き

Amazonで買ったブラジル産の生豆を200g測り、中火で熱したフライパンに投入しました。
焙煎を始める前に、まずは「水抜き」と呼ばれる工程を踏みます。
これは、豆の中に含まれる水分を飛ばす作業です。
水抜きには5分くらいかかるのですが、加熱にムラが生じないよう、その間フライパンはずっと振り続けます。

水抜きが完了したら、いよいよ焙煎に入ります。
コンロの火を少し強め、これまたずっとフライパンを振り続けながら豆を煎っていきます。

次に1ハゼ

通常、水抜き完了からだいたい10分弱くらいで「パチっ」という音がし始めるそうです。
これを「1ハゼ」と呼びます。
1回目のハゼ(爆ぜ)という意味です。

しかし、今思うとたぶん、水抜きが不十分でした。
なかなか1ハゼが起こりません。
水抜きのときの火力が弱すぎたのと、フライパンを振る位置が火から離れすぎていたことが原因だと思います。

目の前の豆だけを見つめながら、ひたすらフライパンを振りました。
30分ほどして、ようやく「パチっ」が聞こえてきました。

この間、ずっとフライパンを振っています。
そのため、熱せられてはがれたコーヒー豆の皮が、フライパンの中から飛び出してコンロ周辺に舞いまくります。
チャフは、羊の毛のようにふわふわとした見た目をしています。
コンロ周りの様子は、羊小屋のようになりました。

それから2ハゼ

1ハゼが静まって2分ほどして、再び「パチっ」という音が鳴り始めます。
先ほどよりも少し高めの音で、これを2ハゼと呼びます。

2ハゼが「パチパチパチパチ」と良い感じに連発し始めた頃に豆を火から降ろし、すぐにアルミ製のザルに移します。
これで、中深煎りの「フルシティロースト」と呼ばれる焙煎度合いになります。
フルシティローストは、若干酸味が残り、甘い香りが強調されるのが特徴です。

最後に冷却

焙煎後の豆は、できるだけ早く冷却する必要があります。
これは、ちんたらしていると豆が溜め込んだ熱によって、狙っている以上に焙煎が進行してしまうからです。
もっとも、1ハゼまでに30分(通常の3倍)かかっている時点で、狙った焙煎度合いも何もないのですが・・・

ベランダに出て、ドライヤーで風を送りながら豆を冷やします。
熱が取れたら、チャック付きの密閉袋に入れて冷暗所で保存します。
だいたい5日くらい待ってからが飲み頃になるらしいです。
このあたりは、せっかくなので自分でも味を確かめてみたいと思います。

30代の10年間は、自分の身体と対話しつつ、じっくり何かを深めながら過ごしたい

コーヒーを焙煎しながら、やっぱ「手作業で何かをする」っていいな、と思いました。
普段はどうしても色々な雑念が次々に浮かんでしまうのですが、手作業に集中していると、半強制的に瞑想状態に入れるような感じがして、とても心地よいです。

普段めったに引かない風邪を引き(っていうかコロナの陽性になり)、コーヒー豆を焙煎してみたことで、30代の過ごし方が少し方向付けられたような気がします。
30代の10年間は、自分の身体の調子を気に懸けつつ、じっくり手作業に取り組みながら何かを深めていくための時間にしたいと思います。

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