見出し画像

おカネを運用して2倍になる公式が案外知られていなかったので解説してみた

皆さんこんにちは。藤原と申します。

少し前の話ですが、金利が5%だから運用期間14年くらいで大体2倍くらいになる感じだね〜って話をしたら「え?」みたいな感じになったことがありまして、もしかしてこの便利な【ざっくり2倍公式】があまり知られていないのではと思いnoteを書いてみました。

マジックナンバー70

【ざっくり2倍公式】というのは、金利(単位を%とする)と期間を掛け算してだいたい70になるのが、2倍に増えるまでに必要な年数になるというものです。

先程の例では、金利5%ですから、$${5\times14=70}$$なので、2倍になるまで14年です。もし金利がもっと低くて2%だったら、$${2\times35=70}$$ですから、2倍になるまで35年かかるということです。

今のは金利が先にわかっている時に、だいたい2倍に増えるのはいつか?を考えていますが、逆に期限が決まっていて、それまでに2倍にするには最低どれくらいの金利が必要かを求めたりするのにも使えます。

この資金を20年で2倍にしたい。何%で運用すれば良いか?みたいなときには、$${3.5\times20=70}$$ですから、必要な金利は3.5%以上ということになります。

便利な公式なんですが、案外知られていないようだったので、なぜそうなるのかも含めて解説してみます。

2倍になるための金利と期間の関係

資金$${M}$$を金利$${r}$$で、$${n}$$年間複利運用した結果2倍、すなわち$${2M}$$となるので、
$${M( 1 + r )^{n} = 2M}$$
となります。

これを、$${n}$$について解きます。両辺対数を取って、
$${n \cdot \ln{( 1 + r )} = \ln{2}}$$
$${n = \cfrac{\ln{2}}{\ln{( 1 + r )}}}$$

これが2倍になるための$${r}$$と$${n}$$の関係式です。($${\ln}$$は自然対数)

Excelでrとnの掛け算を求めてみる

$${n = \cfrac{\ln{2}}{\ln{( 1 + r )}}}$$ 
当然ですが、上式で、$${\ln{2}}$$を$${\ln{3}}$$にすれば3倍に、$${\ln{4}}$$にすれば4倍になるための$${r}$$と$${n}$$の関係式になります。

Excelで金利$${r}$$を並べて、それに対応する$${n}$$を計算し、$${r}$$と$${n}$$の積を求めたのが次の表です。(金利$${r}$$は%単位に変換してからその数値と$${n}$$との積を求めている点に注意してください)

2倍の公式
金利rと年数nを定めたときの r x n の値

左側にある2倍になるときの表を見ると、現実的な金利(だいたい0.1%から5.0%くらいまでの間)であれば、$${r \times n}$$ がざっくり70になっていることがわかると思います。

同様に、3倍になる時は $${r \times n}$$ がざっくり110、4倍になる時は $${r \times n}$$ がざっくり140ですので、これも知っていると便利かもしれませんが、やっぱり2倍がいちばん現実的かなと思います。

また、金利があまりにも大きいと、$${r \times n}$$ も70から大幅に外れてきますので、どんな金利でも適用できると考えずに、あくまでも現実的な範囲で容量用法を守って正しくお使いください。

ではまた!

サポート代は大好きなスタートアップへの取材費に充てさせていただきます