Q&A こんな時どう答える?〜「家族で作家をサポートしたい」と言われた時

ガッツリ書こうと思うと、楽はできるに越したことない主義の私はすぐ手が止まってしまうので、これからは気張らずに定期的に、ぼちぼちと再び書いていこうと思います!また、どうぞお付き合いくださいませ。(一応この日という自分で決めたのはありますが、何日か達成できてからお知らせします。そんなに意志強くないんで…)



おかげさまで毎日嬉々として描いています!元気です!

今回内容に選んだのは、

同じように障がいのあるお子さんが絵を描いていて、家族でサポートしたい時にどうしたらいいか?

ということ。これ時々聞かれることがあるのです。私たちなりにやってみてどうだったか、少し書いてみようと思います。勿論まずどんなことをしたいかにはよりますが、まず最初に必ず言うのは「やめた方がいいって!」(笑)。出来る限り社会資源を活用して、そういう事業所なり、サポートセンターにお世話になるのが一番だと思います。だって私たちみたいに個人でやるなんて、ホントに結構大変ですから…
ちなみに私が今していることは、SNS投稿(インスタアカウント3つ、facebook、X、一応noteも)、オンラインストアの発送、取扱店への納品、イベントなどの問い合わせ対応、内容によってデザイナーにカードなどの外注、授業形式の時のパワポ作成、展示時額装などの手配、取材対応、日頃の活動ブランディング、旅をするときの宿や飛行機手配、経理的なことも少々などを必要なところでプロの手を借りながら行っています(付け加えるなら思春期3兄弟を育てつつ、家事、自分の仕事、重度障害児に翻弄されながら!)。

作品もかなり数があるので管理が追いつきませんが…
パワポもよく夜な夜な作成します

私たちはfuco:が社会に出ていくタイミングで、通える範囲に彼女が行けそうなアート系事業所がなく、本人のメンタルも調子良くなく、彼女にとって家庭や福祉事業所以外のサードプレイスを持ちたいというのがありました。楽でないけれど、やってみたい、やるしかない、同じような方がいらっしゃったら、次に進みましょうか(笑)。

「よし、やろう」と覚悟を決めたのは何気なく作っていただいたマグカップが想像以上に売れて、これから趣味の範囲内でするか、もっと広げるかを考えた時でした。ヤバいですね、魔が差しましたね、ついやってみたくなってしまったのです(笑)。その時私たちがまずしたのが「名刺をつくる」でした。それは最初に考えることが「何のためにするか」を明らかにしておくことだと思ったからです。


まず初めに考えたのは「何のためにするのか」


この名刺をつくるという時、単に名前を配るためではなく、裏にブランディングメッセージを入れました。紹介していただいたプロのディレクターの方にお願いして一緒に考えていただいたのが「胸の内から溢れひしめく小さなマルで世界がつながる、世界が広がる」。これが私たちがfuco:のアートを通じて、この先目的とすることとなります。将来に備えお金を儲けるため、居場所をつくるため、いろんな目指すことは人によってあると思いますが、私たちにとっては、言葉のない、自分では好きなところに出かけていけない彼女が、アートを通じて沢山の人と出会ったらいいなと夢のようなことを考えて記したのでした。今思うと最初は完全に夢だったんだけど、掲げているとちゃんと叶っていくものですね!

イベントでアクシデント満載名刺配りはいつも好評です

次に考えたのは「どこまでするか」


どこまでにはいろんな意味があります。一つは経済的な範囲。趣味でなく多くの人に届くものにしようと思えば、ディレクターだったり、デザイナーだったり、ゆくゆくはHP作成だったり、次から次へと外注費がかかってきます。fuco:母のyasuco:は個人事業をしており、この黒字内で活動していくことがまず最初の枠組みとなりました。
また優先順位としては、彼女のためにすることなので彼女が大事にしていることを決して疎かにしないこと。それは毎週決まった曜日にプールに行く、温泉に行く、ピアノの練習を毎朝一緒にする、そういうことです。今のところ何とかまだどれも変わらずに続いています。マグカップや靴下を多く売ること自体は、彼女が望んでいることではないですからね。まず、毎日の彼女の日常が平穏であることが一番大事で、その次にアート活動などからの嬉しいこと、新しいこと、刺激的なことが来るように。そのことを忘れないようにしています。
そしてもう一つは、自分の仕事を辞めないこと。娘には娘の人生があり、母には母の人生があります。今は二人三脚でもこの先何処かで別々の人生をお互いに生きていけるように、自立できるようにというのは、最終的な子育ての目標です。


彼女にとってはマネージャーではなく、母であることが大前提
毎週3回プール行くのは楽しみだし
朝は毎日ピアノ弾きたいし、レッスンにも通いたいし

他にも大事にしているのは「家族が無理をしない、得意なことを活かす」


重度障害児を長らく育ててきた私は、他に病弱児の息子もいたし、転勤族でもあり、長らく専業主婦でした。つまりは何のスキルも全くない!そこを何もかも自分でしようと思うのはどう考えても無理があるし、辛いし、しんどい。そこでデザインやデジタルなどは最初からプロに全ておまかせしています。しなきゃいけないことを無理してするほど、障害児を育てる母は余裕なんてありませんから(いまだにまぁまぁ睡眠障害で夜中起床やらかされるし、油断したら洋服破かれるし、それはまぁ色々と…)。だからやってて辛くなるような無理はしない。大変だ大変だと機嫌が悪くなるまではしない(つもりだけど勿論よくブチギレます)。

逆に得意なことというと、自分の仕事でSNSをやっていたので発信するのはそこまで苦痛ではありませんでした。あとは講師業もしているので、アートや障害についての授業をしてほしいと言われても、かなり安易に引き受けたりします(英語で授業したのはどう考えてもやり過ぎでしたけど)。取材を受けたり、話すのも勿論最初はグダグダでしたが、慣れてくると今はそこまで苦手ではありません。
これはアートをサポートする時だけでなく、他でも同じです。私が彼女とやってきたことは自分も子供の頃からしていたピアノだったり、水泳だったりで、逆に苦手な料理や手芸は続きませんでした。もっと教えたり、一緒に楽しめたら良かったこともあるけど、私の娘に生まれてきてずっと一緒にいるのでね、そこは致し方ないでしょう。

やりたくないことはやらなくていいかと。面白そうなことだけやればいいかと。

やれたらいいこと、あったらいいスキル、それらは数限りなくありますが、家族も無理をせず、好きなことを活かせたら良いなと思います。サポートすることが苦痛でなく、大変だなと思うことがあってもその何倍も楽しいな、幸せだな、そう思っている人がそばにずっといたら本人にとっても良いのではないでしょうか。

まずそこそこ自分がご機嫌であること。子供が好きな毎日のことをできるだけ一緒にして、平穏に過ごすこと。その先に助けてくれる人たちとのラッキーな出会いがあって、家族も自分の無理がない範囲で、得意を活かしつつ、娘のアート活動をサポートしていけたらいいなぁと私は思っています。うわーって思う大変なことも勿論あるけれど、今のところ大変よりハッピーがまさる娘のサポートになっています。知りたいと思ってくださっているかたに、少しお返事になっていたら幸いです。

前回記事(’23.6.29)後に起こった出来事
7月 ヘラルボニー5周年感謝祭にて盛岡に母娘二人旅
8月 西九州大学オープンキャンパスにて展示&ワークショップ&講話
9月 訪問介護事業所にて展示&ワークショップ&講話
10月 西九州短期大学学園祭作品展示
   SAGAN BEAUTY FESTAにてノベルティタンブラーにアート採用
   SAGAMADOにてPOP UP開催(ライブペイント&ワークショップ&展示)

fuco:のアートのおかげで、家族の人生もいつもちょっぴり面白くしてもらえてます。


毎晩の鉛筆削り係も外注したかったです!
さぁ、今月は何を描こうか(笑)、ついていける気がしないけど

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