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棘‐おどろ‐のワンマンライブを観に行きました

 ひょんなことから廻環美めぐりかんみちゃんのことを知り、それから棘‐おどろ‐というアイドルグループのことを知りました。繋がっているわけではありません。半ヲタ関係者でもありません。僕はただのヲタクでしかないので、ファンの方は安心してください。「棘‐おどろ-」という表記を見た僕は、最初「とげ、おどろ」と読むのかな?と思ったけど、実際はただ「おどろ」と発音するみたいです。「おどろ」を国語辞典で調べてみたところ、「棘」という漢字が載っていました。意味は2つあって、1つ目は「草木が乱れて茂っていること」、2つ目は「髪などがもつれ乱れているさま」でした。棘さんのライブでの表現はかなりロックだったので、2つ目の意味がグループ名に込められているのかなと思います。

 棘さんのワンマンライブは、9月30日の木曜日に新宿ロフトで催されました。ロフトと言っても、雑貨屋さんのロフトではありません。ライブハウスのロフトです。僕は一回、サンボマスターのライブを観るために新宿ロフトに行ったことがあるので、「サンボと同じ会場でワンマンライブをやるなんてすごいなあ!」と思いました。

 新宿駅の東口を出ると、新宿アルタの近くのビルに巨大3D映像があってびっくりしました。「ツイッターで見たことある!」と思った。しかし僕が目にしたのは、あの可愛らしい猫ちゃんではなく、フリーザ様でした。「あの地球人のようにな!」と言うので、「クリリンのことかー!」と心のなかで叫びました。小学生のとき、少年ジャンプでクリリンがフリーザに惨殺されて号泣したことを思い出しました。僕は昔からクリリンのことが大好きなのです。聖闘士星矢せいんとせいやではヒョウガが好きだし、鬼滅の刃では善逸ぜんいつが好きです。主人公の親友ポジションのキャラを好きになる傾向があるみたいです。そのフリーザ様に見下ろされながら、僕はまっすぐ進みます。するとだんだん雰囲気が不穏になってきました。

 客引きが立っているし、新宿警察署によるかなり威嚇的な警告がスピーカーから鳴り響いています。キャバクラの甘い匂いが漂ってきました。新宿ロフトに早く着きすぎてしまった僕は、しばらく近くの植え込みに腰かけて待つことにしました。いまにも不良に絡まれそうで、生きた心地がしません。すました顔でスマホをいじりながらも、僕の心臓はドキドキしていました。それは、棘さんのライブへのわくわくによるドキドキでもあり、不良に絡まれたらどうしようという不安からくるドキドキでもありました。

 開場時間になると、いよいよ僕は新宿ロフトに足を踏み入れます。まず物販のところに並んで、「はじめましてチェキ」を500円で買いました。それからドリンクを飲み、突っ立って待ちます。しばらくすると場内の明かりが消されて、ライブが始まりました。そして最初から最後まで、MCの時間を全く挟むことなく棘さんは歌い踊りました(さすがにアンコールの時は喋りました)。お色直しの時間もなかったため、まさに髪がもつれ乱れていました。「自己紹介も無しかい! ものすごい体力だな! こんなアイドル初めて見た!」と思いました。

 僕はスピーカーの近くにいたせいか、重低音が心臓に響いて、まじで死ぬかと思いました。なんとか死ななかったけど。こんど棘さんのライブに参加するときは、スピーカーから遠いところに立つことにします。心臓が弱い人は気をつけたほうがいいと思う。冗談抜きで。そういえば、開演を突っ立って待っているとき、近くのヲタクが「俺、今日仕事を辞めてきたんだ」とか、「俺、明日裁判があるんだ」とか言っていたので、「客もロックだなあ!」と思いました。

 ライブが終わったあと、チェキ撮影会があり、僕は唯一よく知っている廻環美めぐりかんみちゃんの列に並びました。チェキのために並ぶ人々の長蛇の列を見たヲタクが、「棘、売れたなあ!」と感嘆の声を上げていました。「確かに平日の夜にこんなに客を呼べるのはすごいよなあ。万人受けはしなさそうだけど、ロックが大好きな人にはぶっ刺さりそうだ」と思いました。その日のライブは、僕の心にもかなり深く刺さりました。なよなよしている僕だけど、ロックはけっこう好きなんですよね。あと可愛い女も好きです。廻環美ちゃんと撮ったチェキは下に載せました。これだとマスクをしていて分かりづらいけど、環美ちゃんは超かわいいです。

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 時間が押しているみたいだったので、僕はあまり粘らずに「またね」と言ってその場を去りました。新宿ロフトから外に出ると、路地のスピーカーから「新宿警察署である。客引き行為は条例で禁止されている。ただちにやめなさい」という威圧的な音声が流れてきました。その音声を完全に無視して、女の子やギャル男たちが客引きをしています。「これに比べたら大宮なんてかわいいものだな」と思いました。やはり生きた心地がせず、僕はそそくさとその辺りから離れ、埼京線に乗って大宮に帰りました。

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