立ち飲み日高に行ったら、人生詰みそうになりました

　話せば長くなるけど、いやそんなには長くならないんだけど、立ち飲み日高に行ったら人生が詰みそうになりました。ある日の夜、急に酒が飲みたくなった僕は、ふらっと自宅を出て大宮駅まで行って、財布のなかのお札をすべてPayPayに充当しました。小銭は200円くらいしかありません。そしてそのまま、何気なく大宮駅東口の立ち飲み日高に入りました。

　瓶ビールを注文してコップに注ぎ、飲もうとしたところでヤバすぎる事態に気が付きました。立ち飲み日高はPayPayに対応していないのです。現金かクレジットカードかSuicaで支払う必要があります。しかし僕はついさっきお札をすべてPayPayにチャージしてしまったし、財布のなかにカード類は入れていません。酔ったいきおいでお金を使い過ぎないためにです。「ヤバい！ 詰んだ！」と思って、額と脇から変な汗がどんどん湧き出てきました。「今から誰か近くの友人が助けに来てくれないかな？」と思ったけど、もう午後11時だったから誰も来なそうだし、そもそも立ち飲み日高が午後11時半で閉まります。「うおー！ やっぱり詰んだ！」と絶望しました。瓶ビールを注文する前だったらよかったんだけど、もう注文した上にコップになみなみと注いでしまっています。「ふちりん、無銭飲食でタイーホ！」と心のなかで叫びました。まあまだ一滴も飲んでないんだけど、覆水盆に返らずです。瓶ビール1本無駄になっちゃってます。警察に突き出されても文句は言えません。

　ラストオーダーを取りにきた店員さんに、額と脇に汗をにじませながら事情を説明すると、「でしたら、目の前のコンビニで下ろしてきてください」と言われました。しかし僕はカード類を持っていません。すると「Suicaでも大丈夫ですよ」と言われましたが、タイミングの悪いことにSuicaにも100円くらいしか入っていません。しばらくすると責任者みたいな感じの人が出てきて、「注文をキャンセルにするので大丈夫ですよ」と笑顔で言いました。「え？ そんなことある？」と驚きました。だって僕はもう瓶ビールを注文してコップに注いでしまっているから。「瓶ビール1本ぶんの損害はどうするの？」と思い、その言葉が信じられず、責任者っぽい人にもう一度確認しました。そのまま帰っても大丈夫とのことです。「え？ まじで？ そんなことある？ 神対応すぎない？」と思いました。僕は「すみません！ また来ます！」と言って頭を下げ、金を支払わずに店を出ました。

　大宮駅東口の立ち飲み日高、神対応すぎるお店です。何度も言うけど、僕は警察に通報されて逮捕されてもぜんぜんおかしくなかった。みなさんもぜひこのお店に行ってみてください。安くて美味いし、とても良いお店です。僕はもちろん一生通います。

　【後日談】

　それから二日後、無銭飲食しそうになったお詫びに、というか無銭飲食したも同然なんだけれど、そのお詫びに立ち飲み日高に行ってきました。瓶ビールと、普段あまり頼まないお高めのメニューを2品頼みました。焼き鳥のぼんじりと、ニラ玉です。どっちも調理したてだからとっても美味しかったな。ごちそうさまでした。

　【後記】この記事を書いた約半年後、全く同じネタで同じような記事を書いてしまいました。半年前にこれを書いたことをすっかり失念していました。半年後に書いた記事のほうがより詳しく書いてあるので、もしこの事件についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ読んでみてください。それにしても、こんなにも忘れやすいと自分の脳が心配になるなあ…。