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3代目の闘い⑦~台湾出張~


実に10年ぶりの台湾出張となった。

当社のパートナー企業である7leaders社の台湾本社を輸入代理店のツールドインターナショナル大藪社長の計らいで訪問する機会をいただいた。


7leadersとの取引が始まってから10年くらいであろうか。


機械工具の専門商社として数多の切削工具メーカーとお取引をいただき、且つレッドオーシャン的要素の強いエンドミル市場で確固たる業績を築かせてもらったことは、ある意味奇跡に近い。


7leaders創業者である李社長(62)は「人たらし」という言葉が似あう気さくな人となりで、


ややくだけた表現が許されるのなら「気のいいおっちゃん」という感じの方。

こういう方は「初対面」という印象を全く受けない。


お互いの会話はブロークンイングリッシュだが、大藪社長や担当馬場さんのサポートが加われば、意思疎通はできた。


左から馬場さん・大薮社長(ツールドインターナショナル)
李社長(7leaders)
淵本・千野(淵本鋼機)

2月21日(火)


見学日前日、李社長自ら高級ベンツでホテルまでお出迎えをいただき、夕食会場まで向かう。

車装を見れば、メーターなどがスタイリッシュにデジタルパネル化をされており、時代を感じる。

道路を見渡せばテスラ車も散見された。

そして夕食会場へ・・・・・・・・・

「台湾式乾杯」

目が合えば、グラスを掲げ、ウィスキーロックを一気に飲み干す。

下戸の小生ではあるが、李社長の「歓迎」を
断ることはできなかった。

そして例の如く睡魔との闘いが始まる。

「ノウハウ」はあるが、まだ修行が足りない。

夕食会場の一コマ

2月21日(水)

7leaders社本社訪問当日


7leaders本社


7leaders社は、もとはスイスのエクストラメント社の超硬素材の輸入商社であり、2000年代にその素材を用い、エンドミルメーカーへと転身した。

その転機は聞きそびれたが、良質な素材を用いれば、必ず高品質のエンドミルがつくれるという確信があったのかもしれない。


研削機にはWALTERを導入したが、不等リードや不等分割等の複雑な形状を高精度且つ効率的に生産するには6軸制御のRollomatic社研削盤が必要となり、投資に踏み切る。

そして特徴的なのは

新しいタイプが発売されたら躊躇なく現行モデルを売り払い、最新鋭を導入する投資スタイルだ。

工場内にはズラリとRollomatic社研削盤が並んでいる。

所狭しと並ぶRollomatic社研削盤

工場見学のあと、李社長に切削工具市場のなかでも特に競争の激しいエンドミル市場で唯一無二のポイントは何かという質問を投げたが、この設備投資こそが最大のポイントだとおっしゃられていた。

工場見学後も李社長の車で昼食会場へ。

この後もお客様の接待や会合が控えているという多忙なスケジュールのご様子。 

「We have to increase sales of 7leaders.」

私は李社長の手厚いおもてなしの御礼と感謝をこの一言に集約した。

そしてもう一つのご縁がある。

昨晩の宴席で同席された李社長の盟友、
マグネットクランプシステムメーカー
EARTH・CHAIN社
英名リチャード社長(62)

すこぶるエネルギッシュな方で、世界中でビジネスを展開されている。

こちらの工場も見学させていただくことになった。

7leaders社から車で走ること30分


EARTH・CHAIN社本社



左から3人目 林副理
右から1人目 陳部長


カスタマイズが柔軟にできることが特徴で、
工作機械メーカー各社を中心にビジネスチャンスがあると感じた。

多種多様なワーク形状に対応するソリューション
射出成形機にも対応

林副理の言葉が印象的だった

not only costmerit
we provide productivity

つまり安さだけを追求するのではなく
顧客の生産性向上という価値提供に重きを置いているということ。

これは7leaders社にも共通することで
欧州メーカーの哲学に近い。

李社長とリチャード社長に共通するのは、
この思想にあるように思える。

アジアメーカーに対する偏見や侮りを
払拭せねばならない。


2月22日(木)
帰路につく最終日。

少し思いを馳せた。

昨年11月に4年ぶりにタイ国を訪問し、
今回10年ぶりの台湾。

もはや発展途上国などという印象は無い。

それどころか加速化するデジタル化など
随所で日本を上回っている。

日本の国力低下が指摘される。


一方株価が過去最高値を更新した事実は、
やはり世界は日本を軽視できないことを証明している。

追いつかれそうで追いつかない
「ラストワンマイル」

そこに進むべき道があるのかもしれない。






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