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気候変動に対して、ゆでガエル状態の私たち

子どもの頃、日本で日常的に気温40度近くになることがあっただろうか。

明らかに日本は昔に比べて暑くなっている。
暑くなることで日中は外に出ることに細心の注意が必要になった。
子どもや高齢者は不要不急の外出を避けるべきとまで言われるようになった。

ほとんど言及されることはないが、この事態はコロナ禍で人との接触が制限され、行動に制約がかかっていたことと同じことがゆるやかに進行しているのと同じことだ。

外が暑いことで外にいることを控え、人との物理的接触は必然的に少なくなる。家で過ごす時間が多くなり、囲い込まれている環境に置かれることが多くなる。それは確実に五感の活用機会を減らし、人体における情報の循環を滞らせる要因になる。それによってストレス上昇、運動不足、過度な個人主義、社会への無関心など心身面へのマイナス影響は計り知れない。

もう一つの問題は、そのことについて私たちの認識があまりにも曖昧模糊としていて、明確な問題意識を持てていないことだ。エアコンがあれば問題ないというレベルではない。

環境が目まぐるしく変化するのに対して、人間が一つの生命種として適応できるスピードはけた違いに遅い。全く適応できないに近い。しかも、その環境変化は人間自らの活動でもたらされたという全く笑えない話にどれだけ鬼気迫る問題意識を持てている人がいるだろうか。

地球温暖化に歯止めをかけよう!と、家の電気をこまめに消そうと呼びかけることに意味がないとは言わない。だが、それは問題のうわっつらをなぞっているに過ぎないということも同時に心に留めるべきだ。

単に悲観的になって悩むだけでもいけないし、思考停止して気晴らしにうつつを抜かすだけでもいけない。

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