Black Lives Matter MovementがこれまでのMovementと違うこと
The Correspondentという、オランダ発の双方向型オンラインメディアがあるのですが、このメディアでは専属記者がそれぞれ専門分野を持っていて、それぞれが取り上げる時事ニュースを深く掘り下げ、テーマを設定し、そのテーマに基づいて有料登録した読者と議論を行い、時にはその議論で生まれた論点を取り上げて記事化することを行っています。
最近のオンラインメディアはPV数をKPIにおいていて、ニュースの質よりも情報のスピードが重視されるなかで、このThe Correspondentでは情報の質、議論の質を重視しているので、どちらかというと各ニュースについての論文を読んでいる感覚に近い記事が多く、こういうメディアの存在がオンライン上での言論プラットフォームにとって重要だと考える僕にとって、とても魅力的だったので2020年4月から会員になりました。
日本のメディアでも取り上げられているので詳しくはそちらを参照してみてください。
The Correspondentの記事自体は英語なので僕はDeepLの翻訳にかけておかしいところは原文を読みつつ、記事を読んでいます。
翻訳にかけながら読んでいるとはいえ、かなり読むのに時間がかかるため、なかなか読む時間が作れず、今月で退会することにしましたが、欧米のメディアなだけあって、ラテンアメリカやアフリカに関する考察、人種差別に関する考察はかなり詳細に書かれているので、そういうのに関心がある方はぜひどうぞ。
最近読んでいて興味を惹かれた記事をシェアしたいと思います。この、「How 50 years of racial progress fuelled a global movement against racism」という記事です。
Black Lives Matter movementは最近まで日本のニュースでも数多く取り上げられていたし、どうしてそういう運動が起きたのかについて各メディアでも解説がされていました。それでも、どのメディアも人種の構造的差別を取り上げたり、「歴史は繰り返す」といったような論調が多いように思いました。
それに対して、この記事は今回のmovementをこれまでのmovementとは明らかに異なり、差別解消に向けた大きな一歩として肯定的に捉えています。この点についてとても興味深かったのでシェアさせていただきました。
記事の内容は大まかに要約すると以下の通りです。
記事では、50年間でどのように有色人種差別に関する運動をとりまく状況が変化したのかについて述べています。
まず1つ目に、政治家やコメディアン、レポーターや編集者などメディアに関わる人の中に有色人種が増えた点です。これにより、政策や日々のニュース、コメディの内容にまで、有色人種を差別する偏重なものを排除し、修正することが可能となり、BLMmovementにおいても情報が正確に拡散されていったとされています。もちろん、この50年で情報拡散の点ではインターネットの普及が大きな役割を果たしていることは言うまでもありません。
2つ目に、この50年で有色人種の多くが教育化され、ホワイトカラーになる者が増え、アフリカやラテンアメリカの優秀層の流入も増えた点を挙げています。これらの優秀層は当初は僅かにとどまりましたが、2世が生まれ、海外からの流入も増えることで、上流階級で有色人種のコミュニティがより大きなものとなっていき、構造上、有色人種と白色人種とが混合する機会が増え、人種間での婚姻も増加したことから、かつての人種差別がなされていた状況から変化したとしています。
3つ目に、人種問題に関する啓蒙により白色人種の中にも人種差別を問題視する人増えた点を挙げています。これは、2つ目に上げた点による人種間の勾留する機会の増加も寄与していると考えられます。これにより、BLMmovementに対する共感と連帯、和解が促進されたとしています。
また、特に興味深かったのは、アメリカやヨーロッパでのネオナチの台頭や白人主義の隆興などの右傾化と有色人種の経済的向上には関係があるとの指摘です。有色人種が白色人種に危機感を与え、現に、有色人種がこれまで受けてきた優遇策に対し、貧困層の白色人種は不満を抱いているとしています。
日本の右傾化においても同じような議論ができるのではないかと思い、興味深い指摘でした。
以上になります。
英語で記事を読むのは労力が入りますね、、
期末試験や予備試験も近いのでそろそろ勉強に集中したいと思います。(あとSTOに関するnoteを書きたいと思っているけれど、、、)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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