4コマ学 第3回
3)4コマ漫画は4つの連続した画面からなる映像作品。
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※まだ制作中ですが、試験的に公開します※
1) 4コマ漫画の認識の改革
従来の4コマ漫画の認識:
4つのコマで構成するという縛りに則った形式の漫画作品
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¦←ここへ「舞台」「キャスト」「カメラ」という概念の導入
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新しい4コマ漫画の認識:
4コマ漫画とは、舞台に配置したキャストを様々な角度、方向、距離からカメラで捉えた4つの画面によって構成された、静的な映像作品である。
なぜ認識を改める必要があるのか?
「カメラワーク」という三次元的思考を導入することによって、一般にビデオカメラによる撮影において用いられる「演出」の手法を4コマ漫画に取り入れることが可能になるため。(映画的手法とも言われる。)
↓
「撮り方(カット割り)」ひとつでキャストに表情が生まれる。
=表したいキャストの感情に適した撮り方をすることで、表情がより
生き生きとしたものになり、説得力も増す。
[各概念について]
●舞台[ぶたい]
…キャラクター(=キャストと呼ぶ)を立たせる三次元空間。
ぼんやりと「こんな感じの場所」と考えるだけではダメ。
極端に言うと、グリッド(方眼)状の床がある空間を想像するくらいで
良い。舞台に存在している物体や、立たせるキャストの位置関係をどれ
だけ明確にイメージできるかが鍵。
●キャスト
…登場するキャラクターのこと。出演者、役者というイメージを強く意識
してほしいので、敢えて「キャラクター」や「登場人物」という言い方
はせずに「キャスト」と呼ぶことにする。
(※役者という扱いでキャラクターをとらえることによって、カメラで映 像作品を撮る、という設定のもとでのイメージがより直感的に行える ようになる。)
●カメラ
…舞台に配置されたキャストたちを様々な角度からとらえて1枚の「画面」 に出力するもの。この「画面」がひとつひとつのコマになる。
舞台を三次元的に縦横無尽に動き回る。
2)この認識の改革によってもたらされ得る副次効果
①ネーム作成の効率が上がる。
1コマずつをいちいちいちから漠然と考える必要がなくなるため、ネームをきるのにかかる時間が節約できる。
また、「ひとつづきもの」という点で、「連作」(=ネタとしては1本ずつで完結しているが、全体を通して連続したストーリー仕立てになっている4コマ漫画作品の作品形式)との相性も良いので、これと併せて用いるとさらに効率アップが期待できる。
②「効果」(集中線、効果トーンなど漫画的表現)への理解が深まる。
この方法に則っての4コマ漫画制作においては、いわゆる「マンガ的な誇張表現」(例:怒鳴っている人の頭が異様に大きく描かれる など)については、その都度意識して用いらない限りあまり登場する機会がない。このように勢いで押し切る策を封じると、例えば会話劇が続く場合などは画面の構成が単調でマンネリなものになりやすい。
しかし逆に考えれば、そういう状況に置かれることで、マンガにおいて用いられる演出の技法(=「効果」)がいかに重要か知ることができるのである。また、マンネリな画面にならないように「効果」を用いるという体験を繰り返すことは、「効果」について実践的な訓練を繰り返す、ということである。つまり、4コマ漫画を制作しながら、「効果」の訓練の場も同時に設けていくことができるのだ。
③紙芝居動画を制作しやすい。
動画の発表の場が多く用意されている昨今、制作した4コマ漫画を紙芝居形式の動画にして効果的な宣伝活動を行いたいと考える場合もあるだろう。のちのちの動画制作まで見越して4コマ漫画を制作するならば、この視点に基づいての制作手法はとても相性が良い。なぜなら、はじめから「紙芝居形式の映像作品」と仮定して制作にあたるため、必然的に「映像としても見やすいもの」が出来上がるからである。
まとめ
新しい視点の導入によって、4コマ漫画の見方・作り方が大きく変わる!
※書きかけのコンテンツです。
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