これまでの活動の流れ(と、お礼など)

今回は、性風俗支援除外の問題で私が声を上げようと決めてからの流れをご説明します(自己満足のためもあって、長くなってしまいました。すみません)。何かの区切りではなく活動は続けますが「思えばこんなことをするなんて夢にも思っていなかったな〜」と、これまでのことを振り返る機会があったので、ここにまとめておこうと思います。誰かの何かに、お役に立てばとも思います。

というのも私はこういった活動が初めてで、何をどうしてよいのか最初は全く分かりませんでした。私の無知具合をご説明しますと、コロナが来るまではニュースや新聞を見ることもなく(強いて言えばTwitterとLINEニュースを見るくらい)、社会科の知識も中学生レベルで(三権分立は司法・立法・え?あと何だっけというレベル。あれ?中学生以下?)、政治にも全く興味がなく(投票はしていましたが、選挙時期に特設される「質問に答えたら自分がどの政党の考えと近いかが分かるサイト」を利用して決める程度の感じでした)、社会の成り立ちについて考えたこともない、そんな何も分からない状態から色々な人たちに助けていただき、手探りで活動してきた(今もそうですが)という経緯があります。

なので自分の活動してきた内容が正しいか、効率的かなどは分かりませんが、何も分からない状態からスタートしたことからの流れが、今後なにかで困っている人にとって参考になるかもしれないと思い、書き留めておきます(繰り返しますが自己満足のためでもあります)。


陳情書作成

持続化給付金(経産省管轄)について性風俗が除外になったときに、これは自分でどうにかせねばと思い立ちます。

そのあたりのことについては以前のnoteに書きました。

しかし何をして良いのか分からず、安直に「裁判したらいいのかな」などと考えていたのですが、調べてみると、国との裁判はそう易々と勝てるものでは無いと知りました。
そして、以前の厚労省管轄の助成金が除外になり話題となった際に、性風俗の支援団体の方々が要望書を提出してくれていたこともあり、どうやら国に対して要望書・陳情書や請願書というものを提出できるらしい、国民にはそういう権利があるらしいと知り、それをやってみることにしました。

しかし陳情書の書面についてどういう風に書いたら良いのか分からず、弁護士さんならお堅い文章を書き慣れているだろうと思い、聞いてみることに。普段から店のトラブル時にお願いしている弁護士さんもいましたが、風俗の社会問題に詳しいかたのほうが良いかと思い、SWASHの要さん(https://swashweb.net/)に連絡をして弁護士さんをご紹介いただきました(要さんには、この問題の前から、性病対策の講習会を開催したいという内容でやりとりをしていました。元々は性病対策のことを相談していた病院の先生からのご紹介でお知り合いになりました)。要さんは前述の厚生労働省管轄の問題の際に要望書を提出してくれたその当人なので、相談に乗っていただきとても心強かったです。


多くの人のご協力

要さんにご紹介いただいた弁護士さんには陳情書の作成と共に、署名活動などもご協力いただきました。また、普段からお願いしている弁護士さんも署名に協力してくださいました。法律の専門家である弁護士さんに協力してもらえたことは、自分がまったくもって頭のおかしいことをしているわけでは無いのだと思えて、かなり励みになりました。

そして何より「協力者」として書かねばいけないのは、ナイト産業を守ろうの会・佐藤さんの存在です。福岡で行政書士事務所をされている佐藤さんに全面的にご協力をいただくことになったのも、要さんからのご紹介でした。佐藤さんは既に、福岡市議会にナイト産業への補償についての請願書を提出されており、熱意を持ってこの持続化給付金の問題にも取り組んでくださいました(今も、普段のお仕事と共に司法試験の勉強もされるというご多忙な中、何の利益も無くボランティアで活動してくれています)。
そして私をナイト産業を守ろうの会に招き入れてくれると共に、とてもとても書ききれないほどのありとあらゆることで助けてもらいました。毎日のように電話でやり取りをして、活動についてや性風俗業のありかたになどについて、様々な話をしました。法律的な部分の相談にも乗ってもらいました。二人三脚(と勝手に言って良いか分かりませんが)という感じで取り組んでもらっています。実は、直接お会いしたことは陳情書提出時の1回しかないので、それもまた面白いなと思います。

そんな佐藤さんの存在が無ければ、私は絶対に早い段階でくじけていましたし、何をして良いのかも分からないままだったでしょう。もしかすると変な方向に暴走していたかもしれません。なので、こういった声を上げる活動をするときに、佐藤さんのように知識があって熱くて優しく正義感の塊のようなかたに絶大なる協力をもらえるかどうかは、活動の運命を左右するのではと思います(でもそんな奇特な人がこの世に佐藤さん以外にいるのかは分かりません)。

また、ネットや紙で署名をくださった皆さん、Twitterなどで署名を呼び掛けてくれた皆さん、署名箱を置いてくださった堂山disutaさん(https://www.dista.osaka/)、路上で署名活動をしてくれたナイト産業を守ろうの会・佐藤さん・・・とても多くのかたにご協力をいただきました。本当にありがとうございました。

Twitterでは、応援のメッセージをいただけたり、相談に乗っていただいたり、情報共有をさせてもらったり、とてもありがたい出会いがありました。


陳情書提出にあたり

陳情書を作成してからは、change orgでのネット署名(個人情報の不安があり途中でストップしてしまいましたが)や、紙での署名を募集しました。

そんな署名活動と並行して、興味を持ってくれそうな政治家事務所や党本部・支部へと連絡をしたり、マスコミにも片っ端から連絡をしていました。それと、この時はまだ国会が開かれていたので動向をチェックしたり、ネットで情報収集をしたり、法律のことを調べたりもしていました。

政治関係について、野党の方々に連絡をするとお返事を多くいただくことができました。しかし与党の方々からお返事をいただくことは殆どありませんでした。政治家に働きかけるには何をしたら良いのか。国会ローラーという、全国会議員にアポイント無しで一斉に事務所を訪問する活動もあるそうです。しかしその勇気は私にはありませんでした。そもそもローラーできる人数もいません。にしても、そういった言葉が存在することから考えると、政治家に対する働きかけにはもしかすると定石のようなものがあるのかもしれません。
余談ですが、いつだったか与党内で「支援を全業種対象にしよう!」という話が一瞬あがったことがあります。報道もされましたがそれは直ぐに立ち消えました。声が上がったのは宗教団体も対象にという内容がメインだったようですが、憲法違反の可能性があるということで話が無くなったようです。
それらのことや国会を見ていて、なんとなく政治の仕組みや雰囲気を感じていました(勉強したとまでは言えない)。とりあえず、与党内の誰か一人にでも賛同してもらえない限りは何ともならないのかなと思っています(そのためにも世間の声が必要なのでしょう)。

マスコミ関係については、これまでに性風俗除外問題を取り上げてくれている記事を探して公式サイトから連絡をしたり、その新聞社の記者の個人Twitterアカウントを探してDMをお送りしたりしました。しかしなかなか良い反応をいただくことは無く、結局は要さんなどから記者のかたをご紹介いただきました。このあたり、ツテが無い状態でどうすれば問題に興味を持ってもらえる記者のかたとつながれるのか、まだよく分かりません。もしかすると地方紙などにも積極的にあたっても良かったかもしれません(地方紙をその選挙区の政治家はチェックしているらしいです)。
「世間が注目してるから」などのノリでなく、問題そのものにきちんと向き合ってくれる記者さんと出会うことはとても重要と思います。陳情書提出後も気にかけて連絡してくれる記者さんは、この問題について差別で本当に酷いと言ってくれています。そういうかたに何とかして出会えると良いと思います。

法律については、風営法のことを調べたり、やはりこれは憲法問題なのかなと憲法の本を読んだりしていました(憲法学者で唯一、性風俗除外について問題視するコメントを出していた木村草太さんの本を、すがるように読みあさりました。難しい内容だと1ページ読むだけで睡魔が襲ってくるので雰囲気をふんわり感じ取る程度の勉強ではありますが…)。憲法の本を読むととても励まされるのですが、風営法の本を読むと落ち込むという日々で、今もそんな感じです。

あとやったことと言えば、行政の窓口に、陳情書提出にあたって分からないことなどを問い合わせなどもしました。どこに問い合わせて良いか分からない内容の場合、総務省の窓口に聞けば詳しく教えてくれました。行政の窓口で働く人たちは皆さんとても親切でした(ちなみに陳情書の場合は、請願書と違って形式などは特に決まってないそうです)。


陳情書提出

有り難いことに、立憲民主党のかたに主にご協力いただくことができ、中小企業庁へと提出する機会を作っていただきました(それ以外にも政府与野党連絡協議会に意見書を提出していただくなど、立憲民主党のかたは沢山動いてくださいました)。
当日、同席してくださったホテルSERAグループの市東さん、立憲民主党の尾辻かな子議員、本多平直議員、そしてわざわざ遠くから駆けつけてくださった共産党の田村貴昭議員、本当にありがとうございました。

陳情書提出にあたって、もしも政治家の方々のご協力が無ければ、直接手渡せる機会はなく郵送になっていたと思います。感染防止対策であまり直接来てほしくないと言われていました。そうすると報道として取り上げてもらうことも難しくなったかもしれません。

あと、今思えば、そもそも行政への陳情書でなく国会への請願書を目指せばよかったなと反省しています。それは、せっかくご協力いただける政党のかたを見つけたのに無理なお願いをして断られて敬遠されたくない・・・と日和ってしまったためです。私の中で「政治家からすると性風俗業のことを取り上げても票に繋がらないだろうになんだか申し訳ない」という気持ちが若干あり、そういう部分でも気後れしてしまいました。請願書は難しいにしても心残りの無いように、もっとガッツを持ってがめつくお願いするべきでした。


陳情書提出後(の気持ち)

中小企業庁に陳情書と署名簿を提出し、質問もさせていただき、ある程度分かってはいましたが、やはり簡単には変更にはならないということを痛感しました。陳情書の提出は、それを報道してもらって世間の人に知ってもらうためのものと捉えていたので、大きなショックを受けることは無かったのですが、それにしても難しい問題なのだと感じました。

中小企業庁のかたから「検討する」と一言も言われなかったこと、国会が閉会してしまったこと、一度は変更になりかけたが自民党の一部から強い反対があってやはりダメになったという話を複数の政治家から聞いたこと、除外の根拠も示さないような相手に働きかけるのが腹が立ってきたことなどもあり、このままではラチがあかないなぁという思える状況です。

そしてそれとはまた別に、自分勝手な感情もあります。
万が一、世間の多くの人が「対象にしてあげよう」と言ってくれて、それにより変更してもらえたとしても、これが差別だったと認定してもらえるわけではなく、差別なのかどうかは政治が決めることではないのだと気付いたのです。政府が「これは差別だった」などと認めるわけが無いのです。
除外していた理由も示されないまま変更になると、コロナ以外の災害などがあったときにまた同じことが起こる可能性がありますし、性風俗業への扱いは変わりません(実際に、性風俗業も対象へと変更になった厚労省の助成金は「今回に限り対象とする」と説明がありました。まぁ助成金なので、支援金とは性質が違うのかもしれませんが)。

私は支給対象にしてもらうことを求めていますが、これが差別かどうかも知りたいとずっと思っています。それには、司法で決めてもらうしかないんじゃないかと今は考えています。

しかし、何にせよ、声を上げること、声を上げ続けて世間の人に知ってもらうことは意味があると思います。法律は世の中の声を反映して作られるはず(おそらく、ですが。そして今回の場合、風営法に問題があると私は思っています)ですし、世間からの性風俗業(特に性風俗店)への印象を変えてゆくことも、今後のために必要と思っています。

そのために世間の人に対して、性風俗業そのものが抱える問題についても知っていただく必要があるんじゃないかなと思います。それは業界で働く人が安全な方向へと向かうためでもあるし、支援除外の問題にも通づる部分もあるからです。

業界内に声を広げる活動も必要だし、その枠から出て一般の人たちに声を届ける活動も必要だと思っています。


なんだか何を言いたかったかよく分からなくなってきましたが、兎にも角にも、これまでの流れについてでした。これからまた出来ることを探してやっていこうと思います。


まとめ

・ネットを駆使すれば色々な人に連絡ができるので凄い

・頑張ったら何とかなる、けど、何とかならないことも当たり前にある

・ナイト産業を守ろうの会・佐藤さん、ありがとう

・ご協力いただいたみなさん、ありがとう


今後ともよろしくお願いします。





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