水彩画研究ノート【水彩紙 ー水張りとブロックー】
こんにちは!風夜です。本日は水彩画研究ノート【水彩紙 ー水張りとブロック】です。
今回は水彩をしたことが無い人にも、比較的分かりやすい内容になっています。これを読んで、アナログ画材の世界に少しでも興味をもって頂ければ幸いです🌟
1.水張り
【水張りとは】
水彩画は水をたくさん使いますので、何度も塗り重ねをしていくと、やはり紙がベコベコに波打ってきます。素晴らしい絵が完成したのに、紙が波打っているとちょっと残念ですよね。
そこで、絵を描く前に水張りという作業をします。先に紙に水を含ませて、テープで固定。そして乾燥させるという、アナログ絵描きの人達が一度は通る(かもしれない)工程です。これをすることによって、300g以下の薄い紙も、波打つことがありません。
ネットで検索すると親切で分かりやすいサイトがたくさん出てきますので、詳細方法は省略。
水張り方法をざっくりまとめるとだいたいこんな感じです。
1.紙を水の中に完全に付けてしまう。
2.刷毛で水を両面に塗る。
3.刷毛で水を裏だけ塗る。
4.シャワーや蛇口からの水を直接かけてしまう。
…などなど。4は私がやってみた方法ですw
要は充分に紙に水を含ませてあげれば良いのです。色々試しましたが、どの方法でも高確率で成功します。難しくはありません。でも、できるだけ手や刷毛で、紙の表面を何度も触れない方が好ましいかなと、個人的な意見。
完全に乾いたら終了!これで描き始めることができます。
油絵と同様、厚みのあるパネル張りの方が、見栄えが良く、額装せずともそのまま飾ることもできます。
しかし、私はボード(板)に貼ることが多いです。高さがあると描きにくいからです。画材屋さんに上質のベニヤ板が売っていますが、どうせ汚れるしホームセンターの軽いMDFボードを使用してます。(300~400円ほど?)
【水張りテープの罠】
水張りに必要なのが、この水張りテープ。切手と同じく裏面にのりが付いており、水を塗って水彩紙を固定するのに使用します。
すごく便利なのですが、湿気に弱いのでそのまま放置すると、すぐに劣化してくっつかなくなります。ラップで密封後、乾燥材と一緒に袋にいれて保管しましょう!
【マスキングテープという神道具】
水張りしなくても、板などにマスキングテープでそのまま張り付けて固定すれば結構大丈夫です。(F6サイズでもいける)ブロック紙も最後の方になると土台紙から外れたりしますので、その際も土台にマスキングテープで固定しながら描いてます。
ハガキサイズを描く時は、直接、机にテープで固定してしまうこともあります。描き終るまではがせませんが…
【紙が波打ってしまった時の裏ワザ】
水張りをしてないせいで、波打ってしまった作品。それを作品展等に出さないといけない場合の対処方法として、下記の方法があります。
注:保証はできません。あくまで自己責任で最終手段としてやってみてください。
作品の裏側に霧吹きで水をかけた後、当て布をして低温のアイロンをかける。(絵の方に霧吹きやアイロンをかけないように)
一度試したことがありますが、気持ち程度にピンとしたかな…という感じ。少しでも良くなりますように!
2.ブロック
【とても便利な紙!】
毎回、水張りなんかやってられないよ!紙が完全に乾くまで何時間待たないといけないんだ! とイライラしがちな現代人におススメなのが、こちらのブロックタイプの水彩紙。水彩画を描いてる人の大半はブロックタイプを使っているのではないでしょうか。
これは水彩紙の四方を糊付けしてあるので、たくさん水を使っても紙が波打ちしません。もう、わざわざ板に張り付けなくていいのです。(ただしF6サイズまでしかないので、それ以上の大きさは水張りが必要)
【はがし方】
描き終ったらブロックの隙間に硬いカードやヘラを差し込んでペリペリとはがしましょう。
私はペーパークラフト用のボーンフォルダーを使用してます。100円ショップにも似たようなものは売ってます。
メーカーによって違いますが、12枚~20枚くらいは綴じてありますので、頻繁に水彩画を描く人向けです。(下記に記載してますが、水彩紙は早めに使わないと劣化してしまう。)
3.水彩紙も風邪をひく
【風邪をひくとどうなる】
水彩紙は時々病気になってしまいます。「風邪をひく」のです。これは水彩紙に施されている、「にじみ止め」が湿気などで劣化してしまった状態の事を言います。
※乾いてる白い紙を見ただけでは、風邪をひいてるかどうかの見分けはつきません。
では実際に風邪をひいた紙に、絵を描くとどうなるでしょう?
うっすらと浮かび上がるシミが…
塗れば塗るほど色が、紙の裏まで浸透していく「裏抜け」状態。にじみ止めが劣化しているので、紙が水分を吸収してくれないのです。
初めてこれを体験した時、作品展に出す絵だったので、本当にショックでした。水張り、下描き、1回目着色、2回目…くらいで気付いたので、モチベーションもかなりダウン。
保存方法が悪かったのではと思われるかもしれませんが、実はこれは買ったばかりの紙でした。
【新品なのに…】
こちらも買った翌日に水張りをしようとしたら…浮き出てくるシミ。
つまりどういうことかと言うと、画材屋さんの棚の中で既に劣化してしまっていたのです。
これはどちらもアルシュ紙という最高級紙(全紙560×760mm)で今現在なら一枚2,000円近くします。
私の憶測としては…
1.多分、皆あまり買わないから長期間保管されてた。ましてや輸入紙。
2.しかも買ったのが7月だった。(湿気が多い)
もちろん、すぐに画材屋さんに連絡して別の紙と交換してもらいました。
↓マルチサイジング液を使用して、にじみどめが復活する方法もありますが(私は試したことはないです)新品の場合は交換が正解🎨
アルシュ紙はフランス製ですから、日本の湿気には弱いのかも。よって、梅雨や夏に水彩紙をバラで買う時は気をつけてくださいね!
【風邪ひき発見の応急処置】
絵を描いてる途中で、風邪をひいている場所に遭遇してしまったら…しかも、あと何回か塗り重ねしないといけない場合。
まず水分を少なめにして、ドライヤーで即乾燥、塗り、即乾燥を繰り返せば、意外と目立たなくはなります。
ブロック紙だったら重なっているし風邪ひかないだろうと思って長期間放置していたら、関係ありませんでしたw (何枚も端から風邪をひいておりました)
風邪をひかせない為に、買ったら早めに使い切る、もしくは保存袋に入れて保存することが大事なのです。
たとえ袋に入れても風邪をひく時はひきますので、どんどん使って絵を描きましょう✨
(自分で書きながら心が痛い…買ったら描いたような気がして、使ってない紙たくさん💦)
以上、水彩紙の水張りのお話でした!次回は今までのまとめ記事を書く予定です。
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