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「おそ松さん」三期がつまらないと思う理由

アニメ「おそ松さん」三期について、おもしろいと思っている方は読まないほうがいい文章です。あくまで私が「面白くない」と思った理由を自分の気持ちの整理のために書いているだけの話。

おそ松さんは一期から見ている。
リアタイで見るようになったのは、一期の6話から。当時はTwitterもやっていなかったし、特に何にハマっていることもなく、ただ仕事と家の往復、あとは仕事帰りにプールで泳ぎまくって、休みの日はコスメとか見るの楽しいっていう日々を送っていた。
そんなとき、ふとネットのまとめサイトを見ていたら「おそ松さん」が話題っていう記事を見つけた。1話があらゆるパロを詰め込んでやばかったってのはなんか知ってたんだけど、そのあとどうなっていたのかは全然知らなかった。記事を読んでいるうちに面白そうかもと思って、次の週から見てみることにした。
六つ子達の区別は全然つかなかったし、シュールな話だなあと思ったのだが、テンポも良くてセリフも結構好きだった。それからなんとなく毎週見るようになって、配信サイトにも登録して過去に放送されたものも見た。リアタイ感想を呟きたくて、Twitterも始めた。いつのまにか、六つ子の区別がつくようになったし、毎週気楽に見られて、時々クスッとくる笑いが良かった。兄弟がいる人はわかるネタや、どうでもいいことでぐだぐだやる六人が面白かった。

アニメが終わってしまったときは、かなり寂しかった。良い終わり方だったけど、もうあのはちゃめちゃな六つ子が見られないのか……と残念に思っていた。
アプリゲームもあったけど、私はアニメ以外を公式からの供給と思えないタイプだったし、アニメから随分かけ離れた衣装や設定があまり得意じゃなかった。

なので、二期が決まったときは、もうめちゃくちゃ嬉しかった。おそ松くんという原作があるとはいえ、オリジナルアニメだからどうしても一期よりはつまらなくなるだろうなとは思ったし、実際につまらないって離れていく人も多かった。
私は、時々面白くない回がそれなりにあるとは思いながらも、割と楽しんで見ていた。面白かったのは、両親の話、キャンペーン回あたりかな。となりのかわい子ちゃんや、旅館は全然おもしろいと思えなかった。
やっぱり終わってしまうのは寂しかった。

そして、映画だ。
映画をやると聞いたとき、もうめちゃくちゃ嬉しかった。おそ松さんの映画をやるなんて、そんなの何回でも見に行くと思った。
クレしんをもっとはちゃめちゃにした感じで、ただただ楽しい映画なんだろうなと期待していた。期待しすぎたのがダメだったんだなと今は思う。
おそ松さんを見たことがない人でも楽しめるって謳いつつ、どう考えても無理だろうというネタや、無駄としか思えない変なシリアスシーンが多い。
ほんとお前誰だよって感じの女が出てくる。

高橋さん、キモいな。

って感想でいっぱいになった。学生時代に普通に話しかけることもせず、ただみんなを見つめ続けてました〜みたいな陰気な女性が、死の間際になにをトチ狂ったのか、六つ子の記憶に干渉し、記憶を塗り替える。

ホラーかよ。

結局、公開当日に行ったのと前売り券消化で行った二回だけで終わった。二回目はもはや好きなシーンを見つつ、ポップコーン食べに行ったみたいなもんだった。

それでも、「三期をやる」と聞けばワクワクはした。
映画がかなりつまらなかったとはいえ、三期には関係あるまい。そう思っていたんだけどな。

全然面白いと思えない。
これが自分だけなら、きっと自分が変わったんだろうと思ったんだけど、違和感は結構な人々が抱いているようだ。
現在、5話まで放送されたのを全て見たし、何度か見返してもいる。何度見ても面白くない。どうしてこんなに面白くないと感じるのか、しっかり考えてみたところ、なによりも「卑屈」なのが私は不快なのだと思った。

一期の六つ子達はニートであることを恥じていなかっただろう。

「就職就職言うけどさ、俺たち、これ以上何を望むって言うんだよ。家もある、食べ物も着る服もあるんだよ。そのうえ仕事に就こうなんて贅沢すぎ」(一期4話)

この台詞を聞いたとき、目から鱗!!ってくらいの衝撃と、そういう考え方面白いなって笑った。確かにそうだわと納得してしまうくらいの台詞だった。
合コンをやるとなればみんな行きたいって争うし、深夜に麻雀して大騒ぎもする。暇なときはダラダラしまくるし、自信満々にニートをやっている。
だけど、女の子といちゃつくため(イヤ代とチビ美)には全力で金を稼いでくる。なんだそれ!って笑える六つ子だった。親になんと言われようとニートを謳歌している。
ピラミッドの最底辺、それよりずっと下にいようと楽しければそれでいいじゃん! な六つ子がいた。

それが映画や三期では、ニートであることを恥じているような気がしてならない。「働きたくないから働かない」でいた六つ子が「働かなきゃダメなのに働けない」ように描かれている気がする。
六人とも卑屈で、見ていてちっとも楽しくなれない。
映画で記憶が改変された(かもしれない)というのがいまだに引っ張られていて、これは一期とは違う世界軸なんですと言われた方がしっくりくる。

あと、あのAIネタが本当につまらない。
つまらないのに、ずっっっと続いている。前後編でさくっと終わらせてくれるのかと思いきや、不穏な空気を醸し出しつつ、ずっと居る。
一期から見ていた人たちは見守っているかもしれないが、三期から見てみようと思った人は大概切っているんじゃないんだろうか。
あいつらを出して、不穏な空気をチラ見せしたいなら、後半でやればまだ良かったんではと思ってしまう。卑屈なニートがさらに卑屈になっていく。つまらない。

そして、ネタ切れなのか、二期から続くパロディともいえないパロディや、キャラのブレブレ感。
いや、松だからキャラがぶっ飛んでいくのはわかるんだけど、そのキャラがそれ? と思うことが多い。
一松のラジオネタなんて、なにが笑えるのかもわからないテンションと、ツッコミが面白いはずのトド松の台詞がただの説明でしかなくて、下手な芸人を見ているようだった。

結婚式の帰り道の話もなにがしたいんだろうと思ってしまった。
そいつら、一期では、セック●セッ●スって騒いでるだけだったじゃん。女の子とデートするために何十万も払って、漁船に乗るような男達だったじゃん。
それが、結婚かあ…しみじみ…僕らは将来どうなるんだろう…って不安感を抱くような奴らと化している。
そんなやりとり、現実で見飽きているし、し飽きている。「ピーナッツバターサンドウィッチ」(withでやっている漫画)みたいな会話をする六つ子。

オチもなにもなく、よくわからん仄暗さを背負い、歩いていくだけで終わる。
そういうのが見たかったら婚活ドラマでも漫画でも見るのよ。松にそんなもん求めてなかった。
少なくとも私は、六つ子に人としての成長や、現実味なんていらなかった。
結婚って聞いたら、セッ●ス三昧が羨ましいって騒ぎ立て、そのまま引き出物の中身にケチつけるくらいやってくれていいし、なんならご祝儀払ってなくてもいい。
そんなバカで最底でクズで、でも明るい六つ子が見たい。

あと、コンテ松というドン引き企画もなかなかだった。二次創作を円盤の特典にするな。絶対に買いません。

来週も見るかと言われたら、そろそろもう見なくてもいいかなあと思い始めている。好きだったものが形を変えたように思う時、ついていけなくなったら、こちらが離れるべきなんだなと改めて実感した。
一応、あのクソAIがどうなるのかくらいはチェックしようと思うが、翌日配信のDtvはもう解約するつもりだ。

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