メッシの速さの本質を勝手に解説

かつて元日本代表監督にオシムという頭脳派の名将が言いました。

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クリスティーアノロナウドの凄さはは誰が見てもわかる。しかし、メッシの凄さはわからない。

オシム監督がこういうには理由があります。

それは、ロナウドなどの超有名サッカー選手も唸らせるほどの細かなテクニックです。

私は長年バルセロナのファンとして500くらい試合を全試合見て、気づいたメッシの速さの質について解説します。

サッカー選手に求められる速さとは

まず、走りの速さには3つの要素があります。

初速の速さ
トップスピードの速さ
スピードを安定させる力

この3つが重要ですが、サッカーにおいてだけなら

間違いなく初速なんです。なぜか、、、

サッカーとはそもそも余程のカウンターがない限り50mも走らないんです。せいぜい10mから20mくらい。短い距離をダッシュを何度も繰り返す競技だからです。

トップスピードであったり、中長距離のランニングでメッシは世界でトップ10に入らないかも知れません。ただ、10mだと間違いなくトップ3に入ります。

メッシの特徴
1.はじめの1歩からトップスピード
2.スピードを5段階くらいに使い分ける

サッカー界でスピードはかなり重要なウエートを締めていると思います。その世界で歴史上最高と言われる選手が生み出した技と言えるでしょう。

もう少し深掘り。

とにかく初速が速い

トップスピードが速い選手はたくさんいますが、メッシは始めの3歩までのスピードが異常に速いんです。普通は、徐々にスピードが上がっていってトップスピードになるはず。この徐々にをできるだけ短く、いち早くトップスピードまで持っていく技術がメッシにはあります。
これができることにより、スピードで相手を制しています。

・利点

例えば、一度抜き去った相手が追いかけてきてお互いにトップスピードになった時、メッシはスピードを落とします。相手も必然的に落とさざるを得ません。そしてまた最初の3歩で置き去りにする。これができることで常にスピードで相手より優位に立つことができてしまうんです。サッカーは走る要素が多いイメージですが決して100メートル走が速い=速いが成り立たないところなんだと思います。

他の選手とどこが違うのか?

1.体の軸
2.体重移動

1.体の軸がぶれない

メッシは身長170センチです。プロの中では小さい方で相手にするプレイヤーは自分よりも大きいことがほとんど。なのに簡単には転ばないし当たり負けもそうそうしません。その強さはどこから?

体の軸の強さとそれを保つ姿勢にあります。
その姿勢は

膝を軽く曲げて胸を張って背筋を伸ばした状態。

例えると、手押し相撲するときに踏ん張るときにするのに似てます。(伝わるか微妙)

体幹は言い換えると軸の強さと言えるかなと思います。軸がしっかりしていると横から押されても体のバランスを崩さないでキープすることが可能になります。サッカーのように走りながら蹴るのように同時に二つのことをするときにどうしても体はバランスを崩しやすくなります。

最近では、格闘家の朝倉兄弟も体幹が強くて有名ですが、軸がしっかりしていると本来のパワーが損なわれにくく自分本来の力を発揮できやすくなります。

メッシはドリブル中にする姿勢は常に同じです。
姿勢をキープする意識が強いことで走りながらのキックやパスなどの正確性を保つことができるのです。

メッシのタックルへの対処法

姿勢を保つことがいくらできたとしてもタックルなどの接触プレーの多いサッカーではキープすること自体が難しい。そこで、メッシは工夫しています。

全身の力を入れたり抜いたり


通常、ディフェンダーにぶつけられた時、バランスを崩さないために体に力を入れて対抗しますが、
メッシは、その衝撃を体の力を抜いて吸収しています。

跳ね返すというより吸収する。
特にドリブル中によく見られるんですが相手に寄せられて「ドン」とぶつかった瞬間、

姿勢崩さないで体の位置だけが横に移動する。

これの難しいところは、スピードを上げながら力を抜くという矛盾する2つのことを絶妙のバランスで行えるメッシの神業と言えます。

2.体重移動が素早い

体重移動とは、歩く時を想像してください。

一歩足を前に踏み出すときその足と反対の足に体重が乗っています。その体重が踏み出した足側に体重が移るまでの一連の動作が体重移動です。


これは体重のかかる重心が移動していると言い換えれます。

通常、サッカーのように右に左に移動する方向がコロコロ変わるスポーツでは重心は右半身や左半身、前や後ろにかかるものだと思います。

しかし、これだとロスになるんです。

メッシの重心は常に骨盤に置いているイメージです。

(これが一番近い気がする)

ここからが重要

もし右に重心がある場合に右に行くときは、そのまま行けます。どうぞやってみてください!

逆に左は行くとき、どうなるでしょうか??(右に重心がある時にですよ)

左に重心を持ってきてから行きませんでしたか?

この右から左に重心を移動させることがロスになるんです。これをできるだけなくすために重心を常に体の真ん中(骨盤)に置いているというわけです。

マラソンをするときに丹田と呼ばれるおへその少し下を意識しなさい。とほぼ同じ。

常に重心を意識することで余計な体重移動をしない習慣をつけることで無駄な動作のないスムーズでスピーディーな初動を作ることができるんです。

では、

どんな練習で身につくのか? 

メッシの練習風景でよく見られるものを紹介します。

コーンを置いたスラローム
ゴムやバランスボールを使った体幹トレーニング

「なんだ知ってるやん。」とがっかりしないで下さい。
練習とはどこを意識してするかで全く違います。

上記2点には、体重移動の練習にプラスして体幹を鍛える要素も含まれています。

また、メッシは実戦の中で調子を上げていくタイプと言われています。それ理由は実戦でしか鍛えれない相手との競り合い、相手との駆け引き、相手との間合いなどなどの部分で体重移動を積み重ねているからなんです。

ここでひとつ息抜き。メッシのフェイント

メッシのフェイントはいっぱいありますがその中でも特によく見られるものを紹介します。

その名は、反対側に餌をまく

「逆にステップ」

移動したい側と反対側に一歩ステップ(餌)を踏んでから進みたい側に移動するものです。例えば、右に行きたいなと思えば、左にワンステップだけいれて右に行くということ。簡単ですが、タイミングと間合いが難しいです。効果は抜群。メッシも右サイドでよくこれを多用して相手を置き去りにしていますよ!

これは、フェイントとにもなりますが、素早い重心移動から初速があがる点で2重の効果を生んでいる。是非お試しあれ!

まとめ

メッシの速さの質とは

軸がぶれない姿勢をキープしつつ体重移動を活用し初速を最大限あげている。

ひとつひとつは誰もができることなんですがそこを突き詰めて、掛け合わせることで誰にもできない領域へ持っていっているのがメッシです。もしプレーを見る機会があれば、是非スロー再生でお試し下さい。予備動作や体の連動が他の選手より圧倒的に速いことがわかります。

これ以外にも基本と呼ばれるもの

周辺視野
判断と決断
キック、パス、シュートの正確性
ボールコントロール
マークを外す

これらを徹底的に突き詰めることの重要性を教えてくれているんだと思います。

共に基本を極めましょう。おわり。






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