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太陽熱温水器のお話

みなさんこんにちは。

今年から年末年始の恒例行事は常識を破っていきます。年賀状もなし、あいさつもなし、初詣とおせち料理も数年前にさよならしました。仕事も年末年始、関係なくやっています。

今日は太陽熱温水器をほとんどDIYで取り付けましたので、そのお話です。
先日、2年前に購入していた太陽熱温水器をようやく設置しました。2年も玄関付近に放置していた理由は、裏の土地の買収と整地に時間を要したからです。ということで、半分お遊び感覚、半分実験感覚でやってみました。

太陽熱温水器は大きく分けて2種類あります。
従来からあるフラットパネル(平板)式と、国内ではあまり見慣れない真空管式です。どちらも同じ環境でほぼ毎日データをとれば単純に比較ができますが、それはうちではできません。ただ、現時点でそれぞれ使用してみてた感想をまとめます。


●ヒートパイプ真空式
https://taiyouko.co.jp

・日照条件がよければ冬場にも暖かいお湯がでることがわかりました
・ヒートパイプ真空式はヒートパイプに水が入るわけではないので、真空管ガラスが破損する恐れは基本的にはないようです(その他の真空管式は水が真空管ガラスに入るタイプのものもあるようなので、凍結によるガラス破裂の可能性については要確認です)

●フラットパネル(平板)式
https://www.corona.co.jp/solar/about/index.html

・実家での経験から言って、冬場に関して言えば日照条件がよくても最初の数分だけお湯が出て、そのあとは冷水に変わり、ほとんどお湯が沸きませんでした。いまはすこしは性能が改善したかも?
・凍結防止の措置をとらなければソーラー内部やタンク付近で水が凍結し、氷が膨脹・破裂するとすぐに壊れるようです(これは真空管式でも同じこと)
・春から秋にかけて、氣温が高い日は高温のお湯が沸きます


施工前、地元のガス設備業者さんに“真空式太陽熱温水器”の施工事例があるか聞いてみましたが、やったことはないとのことでした。ガス給湯器の買い替えと水まわりの配管の改造を業者さんにお願いして、その他の施工はDIYでやることにしました。

今回設置したメーカー名はFUJISOL(フジソル)と言ってスペインの会社です。輸入・販売代行をしている日本法人から購入しました。
価格は当時25万円程度でしたが、今年から29万円代に変更されています。ガス設備会社の方のお話だと、現在のフラットパネルも同じくらいの価格とのことでした。両方式の機器ともに、直近で価格が変更(いわゆる値上がり)したそうです。

設置にあたり、まずは裏の土地に基礎を作らなければなりませんが、作った時期が8月の猛暑日が続いているなか、途中で諦めました。よって基礎は中途半端な感じで一時工事中断(笑)


単管パイプで組んだ架台の全景

単管パイプ2mで枠をつくり、その上に太陽熱温水器を設置するための架台を設置しました。架台の直下には垂木どめクランプを単管に取り付けて、屋根垂木の上にガルバリウム鋼板を設置。太陽の光を真空管の地面側(裏側)にも当てるため、銀色のガルバを選びました。4尺が欲しかったんですが、どこもなかったため8尺を購入して、波板用金切り鋏でジョキジョキと4尺に加工しました。

ガルバ製の架台、タンク本体、真空管ガラスを組んだ状態

架台の上に太陽熱温水器の本体となるタンクを置くときが一番大変でした。タンクは重いので、一人での作業は大変です。一人でやるなら、ユニックなど機械を活用することをお勧めします。(特に地面から2m以上くらいの距離がある場合など)

先にお話しした通り、2年間も玄関前に放置することになるとは思ってもいませんでした。やはりその間に各種部品の劣化は避けきれず、真空管内部に通すヒートパイプ(銅製品)も青緑化し、すこし錆ました。
銅の製品はお酢と塩を合わせて、たわしで擦ると新品同様にピカピカになることを設置した後に思い出しましたが、時すでに遅し(笑)

真空管内部にヒートパイプを包み込むように据えつけるアルミ伝熱フィンもすこし汚れ、拭き掃除やブローして汚れを除去してからヒートパイプと組み合わて真空管に挿入。シリコンプラグで封をして真空管部分は完成。当然、熱効率は新品と異なることでしょう。それもご愛嬌。

このガラス製品を22本、無事に本体(タンク)に挿入することも大仕事でした。太陽光が出ている間の作業は、タンク内部とヒートパイプが高熱になるためおすすめしません。養生して太陽光を遮って作業するのは大変なので、日の入り前または日の出前の、わずかに明るい時間を活用して作業しました。

ヒートパイプ式は水がガラス管に入ることはなく、凍結による破裂の心配はありません。ただ、ヒートパイプ式以外の真空管式だと真空管ガラス内部に水が入るため、冬季の凍結対策はしっかりやっておかないと大変なことになりそうな感じです。

設置して1日目。
設置した当日は最高氣温が5度で曇りでした。夕方、温度を感覚で測りましたが、ぬるいか、若干冷たい感じでした。

設置して2日目。
晴れ間もありましたが、前日夕方からの積雪があり、最高氣温が2度。そして夕方、温度を計測すると、なんと30度前後を表示しています。

「めっちゃすごいやん、真空管式!!(笑)」

メーカーさんの説明書によると、夏場でも冬場でも日照条件に変化がなければ水温+30度のお湯が沸くといことです。(日照条件や外氣温で結果は異なる)
うちは上水道に地下深くから湧き出ている井戸水を使っています。水道局の上水道と比較すると、夏場は冷たく、冬場はちょっとだけぬるい水が出ます。
例えば給水した水温が5度だったとしても、+30度となると35度のお湯が沸きます。

これはフラットパネルではできないことでして、なぜこの真空管式太陽熱温水器が多くの家庭や集合住宅に普及していないのかが謎だらけですが、おそらく利権の温床にならないからでしょう。まぁしかし、本当に身体とっていいものは、わ・ざ・と、避けられるようにできているのがこの国のシステムです。

設置して7日目。
ようやく、まともな晴れ間が続く1日でした。
夕方、仕事から帰ってメーカーオプションの温度計(後日設置)で計測すると、なんと41度に達していました。この日の外気温は最高11度。つまり、外気温+30度に達したわけです。
お風呂にお湯を張ったらタンクには新しい冷水が自動的に入るので、タンク内の温度は下がります。それでも29度でした。もはや感動しかないです(笑)

後日。
12月のある日、最高氣温12度の日に、44度を記録しました。

タンク内温度は44℃を記録した

今回の施工中、ガス設備業者さんにはいろいろと教えていただきました。
太陽光発電のユーザーは多いけど、太陽熱温水器(特に真空管式)のユーザーは少ないそうです。電氣料金の「再生エネルギー賦課金制度」が始まってから太陽光発電をはじめた人は、太陽光パネルの処分費を含めるとトータルで赤しか出ないのではないか?とのこと。(ガス設備会社さんの独自の推測)
太陽熱温水器のほうが、価格と燃料費から言っても5年でペイできるから、断然太陽熱温水器が便利かつ価格的にもいいはずなのに、ユーザーが少ないとのことでした。そして、真空管式太陽熱温水器の熱変換効率は50〜60%だそうです。

別の人から同じタイミングでお話をお聞きしました。自宅でソーラー発電を10年以上やっておられるそうです。売電に関しては1日の売電量が10kW/h未満は個人、それ以上となると事業者に仕分けられるとのこと。発電効率は夏場は暑くて効率が落ちるそうで、春と秋がもっとも発電量が多いそうです。そしてコンバーターも5kW/h用を1個つけるか2個つけるかでも、先に述べた個人か事業者を分ける意味でも重要だそうです。(コンバーターが高価だそうです)
ご自宅に蓄電池をつけて蓄電することも考えたそうですが、国内では高価な割に性能がパッとしない商品ばかりで、蓄電システムに関しては見送っているのが現状とのことでした。さらに、○○地方から来ている怪しい業者の仕事のやり方など、いろいろとご自身たちが経験されてきたお話も交えて教えていただきました。そして、太陽光発電の変換効率は10〜20%だそうです。

そもそもものづくりをしている時点で炭素はどこかしら発せされているので脱炭素には興味がありませんし、地球温暖化(最近は沸騰化と言い始めた)というのも欺瞞ですのでその点は省いたとして、以下の動画も参考になりそうです。

さらに付け加えると、地域や導入するシステムによってはエコ事業の助成金(補助金)を活用して導入することもできるかもしれません。
うちは実費で導入・設置しましたが、購入を検討されている人は調べてみるのもいいと思います。
稼働が始まった太陽熱温水器ですが、しばらくこれで様子を見ながら使用してみます。
この記事が太陽熱温水器を導入する予定のみなさんの参考になりましたら幸いです。

みなさんの経験、知見やご意見から察して、なるほどと思うことだらけの12月でした。ほんとうにありがとうございました。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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