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『測りすぎ』− 全世界の社会人に読んで欲しい一冊

「測定は判断の代わりにはならない。測定は、判断を要するものだ。」Jelly Z.Muller

本書は186ページという非常に簡潔な文量で現代社会の重要な問題点を数々の事例と共に紹介している。その問題点とは「測定至上主義」のことだ。
社会人の読者ならお分かりの通り、多くの人々が測定可能なもの(数字による評価、コストや利益率など)を気にしすぎて、測定しづらい要素(人の感情、人間関係、行動原理、長期的な成長ビジョンなど)を疎かにしていることによる弊害が本書の主題だ。
また、本書は情報の「見える化至上主義」にも一石を投じている。TV中継されているため、国民支持を優先してパフォーマンス化されて大事なことが話し合われない国会が良い例だと思う。
情報化社会で近年「見える化至上主義」が全世代に広がっていることは、かなり憂慮されうる自体だと私は考えている。情報の測定可能性や透明性はもちろん重要で、私たちの社会には欠かせない要素である。しかし本書を通して、それらのよる弊害を改めて見直してみて頂きたい。私たちが社会を前に進めるためには、測定不能(または不透明な)要素も大切になってくるということ。
全社会人がこの186ページを読んでくれたら、社会は少し良い方向に動いていくと確信しています。1人でも多くの絶対に読んで欲しい一冊です。

https://www.amazon.co.jp/測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか-ジェリー・Z・ミュラー/dp/4622087936

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