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4.荒野の先にあるもの

エルサレムのバスターミナルで降りると、後は待ち合わせのバス停行きのローカルバスに乗り換えるだけだった。乗換まで2時間あったが、バス停の場所だけ確認してから休憩しようと思ったところ、バスの乗り場が全く見つからない。あらゆる標識はヘブライ語でのみ表記され、バス乗り場は無数にあったため、どれが正しい乗り場かが全くわからないのだ。言葉が分からないことの辛さを改めて感じたものの、ここでも人に聞きまくり、何とか乗り場を特定した。google先生に頼ってダメな時は人に聞くしかないのだ。

ぼったくり価格かと思うくらい高価なパンと水を買ってバスを待つ。このあとわかったことだが、イスラエルの物価はビックリするくらい高い。この時のパンも例外ではなかったが、フレッシュなトマトと良い焼き具合のパンがマッチしていて絶妙な味わいとなっていたのが救いである。この国の食品は基本的に美味しいのだ。

そして、ようやく待ち合わせ場所までのバスに乗り込むも、運転手も言葉が通じず、私はこのバスに運命を託すことにした。よく冷えた車内から車窓の向こう側を眺める。バスは市街地を抜け、エルサレム郊外へ向かうと、だんだんとニュースでよく見るイラクやシリアに似た町並みとなってきた。さらに進むと関所のようなところで兵士が車内に乗り込んできて、怪しい人物がいないかを確認しにくる。そういえば私は、目的地がどんな場所かさえも把握していなかった。私はいったいどんな場所に辿りつくのだろうか。ここで兵士に連行されたら、監禁されて拷問でも受けるのだろうか。。。

急に緊張感が走って今までの自らの呑気さに呆れたものの、心配は杞憂に終わり、何事もなく関所を抜けることができた。そして、関所を抜けると広い荒野がどこまでも続き、人工的な建物は殆ど見受けられない砂色の丘陵地帯が広がっていた

停留所のアナウンスもしごくわかりにくく、私はgoogle mapで現在地と目的の停留所を照らし合わせながら、降りる場所を見計らっていた。いよいよそれらしき停留所が近づいてきたタイミングで、砂漠のオアシスのように突如住宅街が現れて、芝の公園前にバスは停車した。

バス停の周りを見渡してもホストファミリーがいる様子はなかった。私以外にも何人かの若者が下車して、迎えの車に乗り換える者や、ヒッチハイクを試みだす者もいた。私は停留所の椅子に腰かけてホストファミリーのお迎えを待つことにする。やがて15分くらい経った頃に一台の白い軽トラが停車し、運転席から色白の小さな男性が声をかけてきた。

彼がDror、workawayでメッセージのやりとりをしていたホストだ。軽トラの後ろにバックパックを放り入れて助手席に乗り込む。これで旅の第一関門は超えた。ほっと一息ついて、Drorに挨拶をした。

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