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核家族化する日本、否定される世帯家族

大人になったら自立を

こんな名目のもと多くの成人が何の理由もなく一人暮らしを始めてはいないですか?
【人生一度きりだから何か大きなことをしたい】と言って何の目的もなく東京などの都会に出る、なんてこと今の時代良くある話だ。
東京、特に港区は日本で最も年収の高い地域。
年収1,000万や2,000万といったものを夢見て東京へ出てくる人も少なからずいるだろう。

しかし、東京は今どんどん物価が上昇している。
たかが1Rの部屋を借りるにも月の家賃が10万円以上なんてことさえある。
地元に帰れば一人暮らしでも月5万円以下でそれなりに広い部屋が借りれるのに・・
実家から仕事に通えば、家賃0で生活することさえ出来るはず。

それでも多くの若者が金銭的に苦しい思いをしてまでも一人暮らしを始める。


※日本の上京の始まりは平安時代から。
当時は東京ではなく京都へ行くことを上京と言っていた。
主な目的は【お金を稼いで家に持ち帰るため】だった。
当時の日本は知っての通り貧しい国。
なかなか職もなく、その日生きていくのがやっとの時代。
栄えた街で少しでもお金を稼ぎ、家に持ち帰ることで少しでも家族が豊かに暮らせるようにと始まったのが上京だった。
ちなみに【帰省】とはそのお金を家に入れるために帰ることを言った。
そして明治維新からはそれが東京へ変わっていった
※【ウィキペディアより】

つまり、自立、上京とはその時必要に迫られて行われていた働き方の一つだったわけだ。
これが今も続いているのは、政府が国のGDP【国内総生産】を上げるために推しているただの政策の一つに過ぎない。

世帯家族で住まれると3世帯が同じ家に住むことになる。
そうなると家もテレビも洗濯機もエアコンも冷蔵庫も全てが1つずつしか売れない。
しかし、核家族を進める事によってそれぞれの世帯がそれぞれの家に住み、テレビを購入し洗濯機もエアコンも冷蔵庫も全て購入することになる。
そうなると3世帯家族で住むより単純計算3倍のお金が経済に流れ込むことになるというわけだ。

そうすること我々個人の困窮と引き換えに国や会社は潤沢にお金が入り経済が潤うことになる。

ここ何年も空き家が問題視されている。
【住む人がいなくてどんどん老朽化していて大変です】というニュースがよく流れるが、その割には新しいアパートが次々と建てられているのを見ないだろうか?

下記の表は厚生労働省のHPから引用した世帯数を表したものだ。



実は世帯数は多少増減はしているものの大きな変化はなく、3世代家族が徐々に減少。それと反する形で単身世帯が増えているのがわかる。
確かに、年々人口は減少しており、その結果、どんどん空き家が増えると聞くと一見、納得も出来そうだが、単身化が進んでいることを考えると、むしろ世帯数という形で言えば増える可能性さえあることを一般の人はなかなか気づかないだろう。

つまり、空き家となって老朽化しているのは駅から遠く離れた世帯向け一軒家が主で、今建てられているのは駅近単身または夫婦【二人暮らし】向けの小規模アパートということなのだ。
少し話を戻そう。

ここで私は単身の人は実家へ帰ることをお勧めする。
単身の生活は家賃、光熱費、食事代から何からお金が掛かるからだ。
これらは複数人で住むことで費用が抑えられるものだ。
家賃はもちろん人数が多ければ多いほど下がる。
食費も一人だと自炊をしてもなかなか費用は下がらない。
むしろ自炊をしたほうが月当たりの食費が高くなってしまうことも珍しくないだろう。しかも、単身で食費を削ると、明らかに食事のクオリティが下がる。
これでは健康を維持できなくなり、生涯ベースで考えると高齢化してからの医療費やその他負担額が増える事になり、結果的に大きな金銭的負担を被ることになる。

しかし、複数人で住めば住むほど食費を抑えながらある程度栄養バランスの取れた食事を摂ることが出来る。
単身で生活することのメリットは社会的に【自立】したと周りにアピールできること、居住地が自分の自由に決められる。この二点だろう。
しかし一人暮らししたからと言って必ずしも【自立】しているとは言えない。
人によっては親に家事をしてもらったり、多額の仕送りをしてもらって、自炊などすることもなくただ、自由に生活しているだけの人もいる。

一方、一人暮らしをしていないから【自立】出来ていないというのも勝手な思い込みだ。
実家にいながら自分のことは全て自分でやり、掃除洗濯炊事全てこなす人も少数派ながらもいるからだ。
私は家庭の事情により、幼少期から養護施設に入っていたが、そんな事情もあってか、幼いころから料理、洗濯、掃除など自分の身の回りのことは概ね自分でやってきたこともあり、成人してからも一人暮らしで特に苦労することなく生活が出来ていた。

もちろん、やりたいことがあり、それが実家にいては出来ないというのならそういった一人暮らしは大賛成だ。
しかし、もしやりたいことが特段決まっている訳ではなく、今の仕事にやりがいや楽しさを見出せていないのなら、一度実家に帰ってよく考えてみると良いだろう。
実家に帰ることで行動範囲は一部制限されたりすることもあるだろう。
やらなければいけないことも増えるかもしれない。
しかし、生活するうえでお金は非常に大切だ。
将来安心して生活するためにも一定の金額は貯金として持っていたほうが良い。
ここで勘違いをしてほしくないのは実家で住むことが良いことで一人暮らしが悪い事だと言っているわけではない。
一人暮らしには一人暮らしの良い所、悪い所がある。
実家には実家の良い所、悪い所がある。
今の若者は、そういった事を考えずただ【自立】という名目で一人暮らしを始める、何の目標もやりたいこともなくただ都会へ出るといった思考停止状態で一人暮らしを始めるなと言いたいだけだ。

特に今はシェアハウスという選択肢もある。
そういったところに一度住んでみて自分に合った住み方は一体どんなものなのか?なぜ自分はこういった生活をしたいと思ったのかをよく考えてみると良いだろう。

今の20代や30代は貯金が0という人も多数いるというデータもある。
20代に至っては6割以上が貯金がないという状態だそうだ。

そんな状態では楽しく遊ぶこともゆっくり休むことも出来ない。
そもそも生活がギリギリの状態なのに貯金なんて出来るわけがないのだ。
【老後に向けて準備しましょう】とか【お金を使うことで経済を回しましょう】とか政治家は言うが、若者には準備するお金も使うお金もない。
そもそも【老後の準備】と【経済を回す】は真逆の行為です。
かたや貯めろと言い、もう一方は使えと言う。
そんな政治の訳の分からない政策に踊らされないように各々がしっかりと自分の判断で決断をするよう心掛けていこう。
ぜひ、あなたの中で最も有意義な生活スタイルを見つけてほしい。












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