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相手に勝ちを譲れば良いわけじゃない?自分勝手なLOSE-WIN

人と揉め事や協力し合わなければならないとき、どうしても考えてしまうもの。
それは・・・

『それが自分と相手にとってどのように利益があるか?』だ。

当たり前の話だが、自分に利益が無ければ多くの人は動かない。
人間の行動理由は大きく分けて『快楽を求める』か『痛みから遠ざかる』ための行動しかしないからだ。

ビジネスをしているとよく聞く言葉がある。
それは『WIN-WINな関係を築きましょう』といったような言葉だ。
ビジネスとは利益を上げるための物であり最終的に互いに利益が上がらないのであれば、ビジネスで協力する意味はない。
もちろん、協力ではなく魚のセリのように互いに戦わなければならないこともあるだろう。
この場合、自分が勝つか相手が勝つか?
つまり『WIN-LOSE』か『LOSE-WIN』といった関係になる。
そればかりは仕方がないことだ。
【ちなみにビジネスでは互いの利益にならないとき、交渉をしない『契約をしない』という(NO-DEAL)ものがある】
わざわざ、相手のために自分が犠牲になる必要はないということだ。
ビジネスではあまりないが、個人の考え方としては他にも『WIN』というものもある。
これは相手の立場や状況など考えず自分の利益のみを考えた結果によるものだ。結果的に相手が利益を得たり負債を被ったりするかもしれないが、そこに対する関心はない。

あなたと相手の関係は必ず

      この中のどれかに該当する

利益を得る。損害を被る。相手との関係を簡潔にまとめると、必ずこの中のどれかに当てはまることになる。
WIN-WIN    (ともに勝つ、利益を上げる)
WIN-LOSE   (自分が勝ち利益を上げ、相手が負け、負債を背負う)
WIN       (自分が利益を上げる【相手はいない、いても関係ない】)
LOSE-WIN     (相手が勝ち、利益を上げ、自分が負け、負債を背負う)
LOSE-LOSE          (競った結果、互いに利益を得られず損害を被る)
※今回LOSE-LOSEについては特に話しません。
NO-DEAL    (互いの利益が見込めないため、契約不成立、見送り)

この中で最も理想的なのは、当たり前だろうWIN-WINな関係だ。
ビジネスにおいても、プライベートにおいても互いに利益が上がるならそれに越したことはないだろう。
一般的な買い物はここに当たるだろう。
一定の金銭を支払うことで自分は欲しいものを手に入れることが出来る。
企業側は利益を得ることが出来る。
企業に勤めることも多くはここに当たるだろう。
企業側は社員、アルバイトを雇うことで製品やサービスを作ったり、商品の販売、店舗維持、企業拡大などができる。一方社員、アルバイト側は働いた報酬として給与を得ることが出来る。
【※一部ブラック企業では必ずしもWIN-WINな関係とは言えない】

この関係を作ることが出来ないのなら本来はNO-DEALという選択を取るのが正解だろう。
一方が負担を背負ってまで達成しなければならないことなどそうそうない。
また、今回は互いに利益を得ることが出来なかったとしても、相手を変えるだけでWIN-WINな関係になることもあるからだ。
企業、個人、どちらを取っても欲しいものというのは同じようで実は違ったりするからだ。
【※お金が欲しいという目的があったとしてもそのお金で何が欲しいかは人によって違うのと同じ】

場合によってはWIN-LOSEを選択しなければいけないこともあるだろう。
こればかりは仕方ないことだ。
たとえ他者に損害を与えたとしても自分が手に入れなければならない物、理由というのはあるだろう。
それが良い悪いは置いておいて、そういった事情も可能性としてはあることだ。
問題は

LOSE-WINを『選ぶ』という最も愚かな行為をしている愚か者たちだ。

LOSE-WIN 相手に勝ちを譲ることで自分が負ける。
一見、相手思いの良い行動。自分の利益も捨て人のために尽くしている素晴らしい人格者に見える。
しかし、これは大きな間違いだ。
相手と戦い、競った結果そうなったのなら良いだろう。
しかし、自分から相手に利益を与えるようなものは必ずしも良いとは言えない。
相手はあくまで相手。自分は自分。
あなたは決して相手ではないからだ。
相手に貸しを作りたかったのか、相手に恩義があったのかは知らない。
しかし、あなたが相手にとって反対側の立場である以上、相手の本当の利益が何なのかはわかっていないはずだ。
そんなところで自ら相手にWINを譲るのはあなたの自己満足でしかない。
こういう人に限って、負け癖がついていることが多い。
自分が折れることで相手に利益があると思っているのだ。
しかし必ずしもあなたが負けることが相手にとって利益があるとは限らない。
例えば、ある人が自動車販売店に来たとしよう。
その人は特定の車種【A車モデル2022】が欲しくてお店に来たようだ。
いくつもの店舗を回り見つからず、ここが最後の希望なのだと。
しかしそのお店に、その車種【A車モデル2022】はなかった。
店員は言う。
【A車モデル2022はありませんが、ひとつ前の車種A車モデル2020ならいまかなりのお値引きで販売できますがいかがでしょう?】
お客さんがここが最後の希望と話していたこともあり、もうあてはないのだろう。そう思った店員は相手を想って、同系統の車種を一般的な価格よりも大幅に値下げして売ることにした。
お客さんも諦めてそのA車モデル2020を買って帰っていった。

どうだろうか?
自動車販売店からすると自分があえて負けを選び相手【お客さん】に勝ちを与えたような形となった。
しかし、一方お客さん側から見た場合本当にWIN-LOSEの状態になったと言えるのだろうか?
自動車販売店は損益を出してまでA車モデル2020を売ってくれた。
しかし、自分が欲しかったのはあくまA車モデル2022だ。
言ってしまえばこれはお客さんが求めた結果ではない。
お客さん側からしてみればLOSE-LOSEの結果でしかないのだ。

この場合、店側が取るべき行動は系列店舗すべてにA車モデル2022が置いていないか確認することだった。
お客さんが欲しがっていた車種だ。
多少、出費がかさんでも欲しがったのではないだろうか?
もし販売店側が見つけることが出来たなら店側にとってもお客さんにとってもWIN-WINな関係を作ることが出来たのではないだろうか?

つまり、販売店側が上げたひとつ前のモデルを値引きして売るというのは相手に勝たせてあげたつもりで、自分が気づかないうちにLOSE-LOSEという状態を作ってしまっているのだ。

LOSE-WIN思考の人は気づかないうちにこういったことをいくつも重ねているのかもしれないと思うとどうだろうか?
素直に自分のWINを取りに行くことがいかに大切か理解してもらえただろうか?

自分はあくまで自分。
どんなに頑張っても相手の立場になることはできないのだから、相手のことを分かったつもりになってLOSE-WINという選択をするのだけは控えるべきだ。

あなたが本当にWINを選ぶことが相手にとってWINを与えることになるということを忘れないで日々努力をしてほしい。



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