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「若草六花」感想文というかなんというか

感想文の前に

LIVE ALBUM『若草六花』の発売おめでとうございます。
2024年8月10日のファンクラブ配信で映画とか本の感想文の話をしていて、せっかくだからライブアルバムについて文字に起こしてみようかなと思い、書いてみます。

以前に吉澤嘉代子さんに関する感想文めいたものを書きましたが、実を言うとファンクラブに入ったのもライブに行ったのも最近のこと。

吉澤嘉代子さんを知ったのは「架空OL日記」の「月曜日戦争」なので2017年ですね。
初めて参加したライブは「吉澤嘉代子10周年記念公演 まだまだ魔女修行中。」です。
ちなみに今年の7月7日には屋形船にも乗りました。
ファンの皆さんノリが良くて、いい人たちばかりでめちゃくちゃ楽しかったです。

屋形船にて

感想文

収録内容は以下の通り。

01. セブンティーン(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
02. ラヂオ[風と涙のメモリアル]その1
03. みどりの月(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
04. 青春なんて(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
05. ギャルになりたい(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
06. すずらん(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
07. 魔法はまだ(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
08. オートバイ(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
09. ラヂオ[風と涙のメモリアル]その2
10. 氷菓子(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
11. 涙の国(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
12. 抱きしめたいの(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
13. ゆとり(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
14. ラヂオ[風と涙のメモリアル]その3
15. 夢はアパート(2024年1月18日@Spotify O-EAST)

全体的に生演奏の空気感、音の気持ちよさが素晴らしいです。
ヘッドホンで聞くのもいいですが、やはりスピーカーで聴くのが良いですね。
↓これくらいの出費で耳が幸せになります。

01. セブンティーン(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
青春!17歳!
青春をテーマにしたアルバム「若草」「六花」にぴったりのスタートです。

03. みどりの月(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
江崎グリコ「アイスの実」のタイアップ・ソングにもなっているこの曲。
インタビューで本人も「年々歌詞の意味が分からなくなっています」とおっしゃっていますが、歌詞を理解しようとするのはなかなか難しいです。

インタビューの内容と歌詞から勝手な解釈を加えるとするなら、一種の焦りというものが表現されているとも捉えられるかな。
音楽という道でやっていかなければ自分は後悔するだろうと。このまま何もしなければきっと将来何度も思い出してしまうだろうと。

そして、「エメラルドグリーン」の瞳で見ている世界は守られた世界であり、まだ何者でもない現状の比喩であると解釈する。
雨は不安であり、春の風の匂いは期待である。
「二人」という表現が何度か現れるが、これは一人は自分自身のこと、つまり吉澤嘉代子本人を表現していると解釈するのが良い。
ではもう一人は誰か。
「音楽という未来」を人として表現していると解釈ことはできないだろうか。
「宇宙の果て」つまり将来「音楽という未来」を掴んだときに「優しい涙を流す」のではないだろうか。

04.青春なんて(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
「いつか思い出す 今日の私たち 青春なんてすり剥いてから気づく ただ風にさわっただけ」

青春ってなんでしょうね。

Wikipediaによれば「生涯において若く元気な時代、主に青年時代を指す言葉として用いられる」とのこと。
青春とは往々にして思い出で語られることで合って、青春時代を過ごしている本人たちはそれが青春であることを意識していない。
だから「すり剥いてから気づく」。得てしてそのようなものであると表現しているんじゃないかなと思う。
青春は人生においてあっさりと過ぎ去る時間であって何か特別なものかと言われると「ただ風にさわっただけ」のようなそんなものだと。
その時、その瞬間に、青春したいと切望していたとして、青春できていないと感じていたとしても、後から振り返ってみればそれはそれで存外青春だったのだと思うのだ。

05. ギャルになりたい(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
これはもう願望ですね。
曲中の「私を一人で踊らせないで〜!」がライブ感があってすごくいい味出してます。笑
曲調が明るくノリノリになって一緒に振り付けをして踊りたくなる曲です。

でもこれは単純に表面的な(みてくれとしての)ギャルへの憧れを謳ったものではないです。
歌詞の主人公は何かしら辛いことがあって泣いている。
そして「ギャルの精神」へ寄り縋っています。
なんかギャルって底抜けに明るいイメージありますが、その精神への憧れでしょう。

歌詞の最後は「わたしになりたい」となっています。本質的な願望ですね。
わかりやすく大衆に迎合する表現をするなら「ギャルになりたい」という表現であり、本当に心から願っているのは「わたしらしくあること」でしょう。
誰かの理想を実現するような、誰かの期待に応えるだけのような、どこか自分ではない自分ではなく、「わたしになりたい」ということでしょう。

06.すずらん(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
やさしい綺麗な曲ですね。
鈴蘭の花言葉は「清浄」「幸福」です。
ゆったりとした曲調で、曲を聴いていると自然と顔が綻びます。

07. 魔法はまだ(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
この曲はYUKIさんに楽曲提供されたものです。
曲調がなんだか独特で不思議な雰囲気を感じます。
特に「VHS」のところがなんか聴いてて好きです。
最後の方の「真夜中のコンビニ」からの感じもつい乗ってしまうようなリズムになっています。

08. オートバイ(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
歌声もさることながら、演奏している楽器の音が非常に心地よい楽曲になっています。
ストリングスとサックス(かな?)の音が耳を幸せにしますね。

こちらの曲は解釈不要ですね。本人のコメントもありますし。

10. 氷菓子(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
「百万年きみを愛す」。氷菓子=アイス。そういうこと。
「花冷え」って季語なんですね。吉澤嘉代子さんは言葉を丁寧に使う方だなと本当に思います。
歌声も言葉遣いも好き。

「百万年きみを愛す」とありますが、決して情熱的な愛を綴ったものではなさそうに思います。
いかんせん想像力不足で解釈がうまくできない。
映画「アイスクリームフィーバー」の原作についての理解が必要に思う。

アイスは甘い。アイスは熱で溶けてしまう。
故に甘い恋を熱い想いが溶かしてしまうと。
さらに冷たさは無情さや遠ざかりであると。
なるほど。
「アイスクリームと恋愛は共に享楽的な体験ではあり、両者とも一時的な喜びをもたらす一方で、終わりや失うことによる苦しみも含んでいる。」
こういう解釈まで辿り着けるのいいなぁ。

「霜焼けの指絡めて」というのはともにアイスクリームという享楽的な体験を味わってるということか。
そうして花冷えの蝶で春を表現し、夏の雪で夏への季節の移ろいを表現している。素敵すぎる。

「僕は魔法使いなんかじゃない」
ここはどう解釈するといいんだろう。
「宝物のがらくた」が重要な気がする。
誰かにとっては宝物で、誰かにとってはがらくた。そのようなもの。
「僕は魔法使いなんかじゃない」を純粋に読み取るなら、どうにかしたいのにどうにもできないことがあっての発言である。
「宝物のがらくた」をどうにかしたいのか。それともどうにもならないという意味合いを強くするための表現だろうか。

11. 涙の国(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
別世界を漂うなそんな雰囲気を感じる曲。
「星の王子さま」をモチーフにされたとのこと。
実際「涙の国」って出てくるんですね。
瓜を破るという作品から「涙」「喪失感」を感じ、「星の王子さま」の「涙の国」につながるあたり、感性豊かで表現力の引き出しの多さを感じます。


12. 抱きしめたいの(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
こちらは「自分のために書こうと思って書いた曲」で、以前からライブでは歌っていた曲とのこと。
この曲を聴いているとフワーっと優しい雰囲気に包まれますし、自分のことを大切にしようって思えます。
MVはライブの映像であったり、練習風景であったりと吉澤佳代子さん自身を中心としたものになっています。
なぜ、誰かではなく自分(吉澤嘉代子)なのか。
歌詞に合ったMVだと思います。

「大人になって何度目だろう 声を殺して泣くのは」
大人になると人前でわんわんと声をあげて泣くことはほとんどないですね。
一人で抱え込んで誰にも見られないところでぐっと声を殺して泣く。
人生楽しいことばかりではなく、辛いこと苦しいことはたくさんあります。
そういう苦しみを一人で抱えて声を殺して泣いている。そんな自分を優しく包み込んで癒してあげようと。誰かじゃなく、自分自身が一番自分のことを大切にしてあげようと。
「鏡に映った 夢見る私を 私が いちばん 抱きしめたいの」
なかなか自分で自分を褒めるとか、自分に優しくするとかってしなかったりしますが、よくやってるよって自分で自分を認めてあげて優しく包んであげることの大切さを感じさせてくれます。
(MVの嘉代子ちゃんが赤ちゃんみたいで、とっても可愛いです。)

13. ゆとり(2024年4月21日@LINE CUBE SHIBUYA)
もともとすごく好きな曲だけど、ライブバージョンの良さが半端ないです。
歌声が聞いていて耳がすごく気持ち良い。
やはりこの歌声は唯一無二だなと感じます。
歌の入りのサックス(かな?オーボエかも?)の音とかも最高です。
青春の儚さ、切なさを感じられる曲になっていますね。

15. 夢はアパート(2024年1月18日@Spotify O-EAST)
青春時代の友人らとの楽しい時間をいつまでもっていう感じでしょうか。
楽しい今をこれからもこのままずっと。なかなか現実はそうはなりませんが、青春時代に描く淡い夢ですね。
「生のお魚が食べられないあなた」というのが妙に輪郭がはっきりしているような気がして、誰か明確にモデルがいるのでしょうか?

勝手に宣伝

スペシャオンデマンドで「吉澤嘉代子10周年記念公演 まだまだ魔女修行中」のライブ映像を観ることができますので、ぜひ。

おわりに

感想文というか、曲解釈が大半になりましたが書いてみました。
改めて曲を歌詞を見ながらじっくり聴いてみると面白いですね。
「旅する魔女」楽しみにしてます。では。

↓こちらのインタビューで本人が曲について答えられたりされているので、どんな思いで曲を書かれたのか知りたい方はこちらを読みましょう。


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