役割と期待の心理

# 役割、ラベル付け

こういったものは組織の中では当たり前のように出てくるものであるが、非常に有益な面もあるが、一方で厄介なものでもある。

# ネガティブ

役割、ラベル付けのなにが厄介なのか。
役割、ラベル付けが行われると、「それはあなたの仕事でしょ?私の仕事ではない!」という意識が自然と生まれてくる。これは至極当然のことである。

## 役割を与えられた人の意識

たとえばマネージャーという役割が人に与えられると、その人はマネージャーらしく振る舞おうとする。

## 役割を与えられた人以外の意識

マネージャーという役割を与えられた人以外の周囲の人たちは、その役割を与えられた人に対してマネージャーらしく振る舞うことを期待する。
マネージャーなんだからこれくらいやって当然。マネージャーの役割はこういうことするのが当たり前。無意識的にそう期待してしまうのである。
社会心理学的には役割期待と言われるものらしい。

## 何が問題か

役割期待が統制面でポジティブな方向に働く分には問題ない。
が、組織においては往々にしてネガティブな面に悩まされる。
人は相手に期待することによって自分と相手の間に境界線を引いて、その境界を超えない範囲での行動しか起こさなくなる。(※1)
たとえば組織上の階層構造の話でいえば、マネージャーはあらゆる事柄において自分たちで考えて動くことを期待する一方で、メンバーは「自分の責務範囲はここまで」と境界線を引いてしまう。(権限移譲の話も関わってくるが割愛)
※1. 必ずしもそうはならないとは思うが、可能性が高いという話。

# 役割、ラベル付けが生まれるわけ

そもそもなぜこの役割、ラベル付けが必要となってくるのか。
組織において役割、ラベル付けが存在する理由は階層構造を作り上げるためである。
なぜ階層構造を取るのか。統制を取るためというのが一つの理由である。
会社という組織において対外的に統制が取れている状態を示すために、階層構造の組織が必要となっているのである。
そのため、当たり前のように人に対して役割、ラベル付けがなされる。

# 最小限の範囲に留める

ネガティブな効果を産まないためには役割、ラベル付けをしないことが一番だが、完全になくすというのも無理な話なので、最小限に留めるように心がけたほうが良さそうである。


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