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はじまりへの旅 「普通ではない家族が外の世界でみえたものとは?」

「はじまりへの旅(Captain Fantastic) 」(2016)

俗にいう普通の生き方をしていない父と子の物語。

生き方とは?教育とは?考え(宗教)とは?そんな問いにあふれている。

色々考えさせられるし、学べる作品でもある。この作品をコメディととるかシリアスととるかはあなた次第。

○作品情報

監督:マット・ロス
上映時間:119分
キャスト:ヴィゴ・モーテンセン ミッシー・パイル キャスリン・ハーン スティーヴ・ザーン ジョージ・マッケイ他

○予告編

○あらすじ

【第69回カンヌ映画祭「ある視点」監督賞受賞。第89回アカデミー賞主演男優賞ノミネート。】ベン・キャッシュと6人の子供たちは、現代社会に触れることなくアメリカ北西部の森深くで暮らしていた。父仕込みの訓練と教育で子供たちの体力はアスリート並み。みな6ヶ国語を操り、18歳の長男は名立たる大学すべてに合格。しかしある日入院していた母・レスリーが亡くなり、一家は葬儀のため、そして母の最後のある“願い”をかなえるため旅に出る。葬儀の行われるニューメキシコまでは2400キロ。チョムスキーは知っていても、コーラもホットドッグも知らない世間知らずの彼らは果たして、母の願いを叶えることが出来るのか・・・?(amazon primeより引用)

○感想&レビュー

この映画を通じて私が感じたこと・ポイントは2つ。

①サバイバルから得る生きる力のすばらしさ

ベンと6人の子供たちは森の中で暮らしている。はじめは原始時代のお話かよって思ってしまうほどの自給自足っぷり。自分たちで狩りをし、それを食べる。また、父仕込みで体力も抜群。けがをしても並大抵のことなら問題がない。お金ではなく、自分たちの力で生き抜いている。

現実世界では役に立たないかもしれない。

けれど、現代社会で生きる私たちが忘れてしまったものが彼らにはある。

まさに生き方を考えさせられる部分である。

②教育観に正解などない

この映画では2つの教育観が登場する。

1つは普通に学校教育をうけるやり方。誰もが当たり前に受ける教育の形である。

物語の中盤でベンの妹ハーパー夫妻のもとに訪れる場面がある。彼らの息子はゲーム漬けの日々を過ごしており、ベン家族とは真逆。

印象的なのが食事会の場面。

学校に通っていないベンの子供たちに、学校に通わなければ教養が身に着かないと諭すハーパー夫妻。

だが、ここで大きな差がうまれる。

権利章典をスラスラ言え、自分の言葉で説明できる末っ子8歳のナイ

一方、権利章典の内容すらわからないハーパーの息子たち。

学校教育とは何かを考えさせられる場面の1つである。


2つ目は、ホームスクーリングである。

これは家庭で学習させるものであり、親が教師となり子供たちに教える形である。多様性社会のアメリカで用いられる教育の1つである。

ここでは、ベンとレスリーが教師となり、子供たちに哲学・言語などを教える。

その結果、子供たちは6か国語を操り、自分自身の意見をしっかりと持つ。長男のボウはハーバード大学をはじめとする超優秀大学にすべて合格するくらいだ。

教養面ではいい部分にみえるが、必ずしも良い面ばかりではない。

森の中で暮らす子供たちは閉鎖的な環境で育つので、一般常識が身につかない。

どちらがいいとも言い切れないが十人十色で色んな教育観に触れることができる。親の選択により、子供の人生は大きく変わるので、どう選択するかは非常に重要になってくる。

普通ではない生き方をする家族の初めての都会の旅をシリアスととるかコメディととるかは見るあなた次第です。






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