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自邸について

2018年に新居を建築した。
敷地は、近江商人発祥の地と言われ、観光地としても有名な八幡堀の近くに位置している。豊臣秀次によって開町された旧市街地を中心とした城下町であり、水路を生かした湖上の交通の要所として栄えた。自然の豊かさと人の活気が共存しているところに魅力を感じている。
その地で暮らすにあたり、夫婦で家のテーマを決めた。

変化に対応できるおおらかな家

模様替えの一例:とにかく変わる!帰宅するとリビング・ダイニングが逆転、なんてこともザラ。

時間が経てば環境は大きく変わる。生活する私たちだけを取っても、趣味・嗜好・家族構成など、今と未来が同じはずない。近隣環境や社会情勢も大きく変わるし、そうしたたくさんの変化を優しく受け入れてくれる「大きな箱」を作ろう、と話した。要するに「どうせ変わっていくのだからザックリでいいや」ということである。また、私たち夫婦は模様替えを年に4回は行う(自らの思考を新陳代謝しているのだろう)。そういった面でも、おおらかな家は私たちにピッタリだった。
おおらかな家というのは余計なことを削ぎ落したシンプルな家でもあり、構造面や性能面、メンテナンス性でもプラスになるというメリットがある。
例えば外壁も、自分たちでメンテナンス可能な板張りを採用した。この選択にも「おおらかさ」が影響している。

余った地面(庭)を森に還す

新築当時の庭:雑木林を目指して植栽。将来は家が埋もれるくらい森にしたい。

100坪ある土地を買うにあたって、最初は「そんなに広い土地いる?」と話していたのだが、眺望も良いし静かな場所だったので購入を即決した。
「せっかく広い土地なのだから、ここでしかできない暮らしをしよう」と前向きに話せたのも良かった。
そして家づくりを進めている同時期に「人生フルーツ」という映画に出会ったのも大きい。「土地を森に還す」という考えに二人とも感銘を受け、自分たちが広い土地を手に入れたのも、きっとそういう運命だったのだろうと思うようになった。
苗木を植え、荒地を耕し、野菜を育てる。庭が広いおかげで生活の意識が外に向き、オープンな性格に変わったように思う。今ではもっと広い土地でも良かったと思うほどだ。

敷地全体をビオトープと捉える

計画段階で描いた全体イメージ:家は私たちの巣。人間も地球循環の一部と考える。

敷地が広い分、庭の手入れも大変だ。草は生えるわ虫は出るわで、夏場は特に…。だからといって除草剤は使いたくない。コンクリートで地面を塞ぐのも良くない(解体するという負債を未来に遺したくない)「あくまでも自然に、でも快適に改善できないだろうか…」そんな上手い話を求めてネットや書籍を漁るうちに「パーマカルチャーデザイン」に出会った。(パーマカルチャー・家庭菜園については別で記載しています。)パーマカルチャーデザインは地球循環を考えるということ。その循環に抗うことなく身を任せ、正しい流れに沿って手を加えれば、健康な成果物が手に入る。そして大事なことは「地球循環に人間も含まれている」ということだ。私たち家族も自由に暮らし、その上で自然循環の一部となることが出来れば、これ以上の幸せはない。
ふと、小学校にあったビオトープを思い出した。「そうだ、敷地全体を私たち家族も含めた一つのビオトープにしよう」。この頃から新居での生活がワクワクしてきたのだった。

完成してから4年
毎日変化が起きるが、私たちの家はどんどん受け入れてくれている。まだ余裕もある感じだ。自分の家に「伸びしろ」があるのは嬉しいことである。これからもっと良くなっていくのだから。
野菜作りは初心者なりに板についてきた。再開した油絵の趣味も家を彩ってくれている。今年は原木椎茸作りと池で蓮根栽培に挑戦予定。
伸びしろのある人生は素晴らしい♪

今日はここまで。自邸の暮らしについて、随時更新していきます。

自邸の、youtube動画を下記URLからご視聴いただけます。
暮らしについて、家づくりについて、案内しています。
https://www.youtube.com/watch?v=a1Wgnl_w7Jw

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