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泰麒の蓬萊出立日はリアル世界で現存する?

私は全然『魔性の子』を読みこなせていないので、多分すでにこの考察を試された玄人様がいらっしゃるかと思うのですが、『魔性の子』を「月齢げつれい」から考察すると、実際の現実世界の西暦何年で起こっていたか推察できる?と、急に思い立ち。

とても雑なのですが、検証してみました(穴🕳があると思うので、ゆるーく見てください🙇🏻‍♀️💦)。

原作での「月」描写と月齢推察

とても少ないのですが、『魔性の子』に出てくる月の描写のみをヒントにすると、作中の時間経過と一緒にどうやら月が欠けていっているようなので、泰麒が蓬萊を出立したのは月齢29付近?

『魔性の子』6章4節p228で「半分に欠けた月が出て」とあるので、この時点で上弦か下弦かは分からないが半月であるというのが分かる。これは七人の生徒が屋上から投身した日の夜。

そして、時間がくだり泰麒が広瀬と十時とときのマンションに移った日の夜、11章2節p431で「切り落とされた爪のように細い月が出ていた」とある。上の半月が出ていた日からこのマンション移動まで九日しか経っていないので、月が欠けていっていることが分かる。

さらに時間が経過した終盤の11章5節p461で、「海の上にはきずのように細い月が出ていた」とあり、分からないが、「爪のように細い月」より細くなった月を「疵のように」と表現されたのではないか。

と、すると、かなり欠けていって細くなった月、つまりは新月に近い月だと推察できないか。

上の「半分に欠けた月」がきっかり半月の下弦の月(月齢22)だとすると、そこから九日立つと、一度新月になって満ちていく方の三日月になるのだけれど、「半分に欠けた月」がちょうど半月と天文学的に明確に記述されているわけではないので、ここではちょうど半月(月齢22)よりも少し太っていた月齢の月(月齢19・20ぐらい)だと仮定して話を進めたいと思います。

だとすると、月齢が新月の29に近い数字の時に泰麒が日本を出奔したのだということになる。既に詳しく考察されている方々の情報をもとにすると、その日がどうやら9月23日の秋分の日にあたるようなので、過去9月23日に、そのような月齢の時を調べたら、リアル世界で泰麒が常世に旅立った日が検索できるのでは?と。

1980年から現在の2022年までの9月23日で、そのような時を探してみた。

2014年(火) 0.7% 月齢28.5
1995年(土) 2.0% 月齢27.9
1984年(日) 4.5% 月齢27.3
2022年(金) 6.5% 月齢26.8
2003年(火) 9.5% 月齢26.4
1992年(水) 13.1% 月齢26.0

個人的推察のもとに可能性が高い順に並べています。
参考ページ:”満月カレンダー”
https://www.arachne.jp/onlinecalendar/mangetsu/

%で表している数字は月のめん率で、これは地球上から見て月の明るい場所の比率。この率が少ないほどほぼ新月に近い(0%は新月、100%は満月)。泰麒が常世へ旅立ったのは、「疵のように細い月」から二日くらいは経っているので、より新月に近くなっているのでは。とすると、めん率も0.7%で月齢が28.5の2014年の9月23日はほぼ新月に近いので、これが一番近い?

朝陽さんが、曜日も考察されているのですが(http://0102m.web.fc2.com/rekishi.html#i00)、泰麒の出立日が月曜日とされていて、過去約40年の間で輝面率が半月の50%以下で月齢が22以上の9月23日は2019年のみ。ただ、この年の秋分の輝面率は35.9%で月齢が23.7で、どちらかというとまだ半月に近い状態で、およそ「爪のように細い月」や「疵のように細い月」からは遠い気がして。出立したのはそれより時がくだっているので、さらに細くなっていなければならない。とすると、この年は条件的にやや離れていると言わざるを得ない・・・・・・?


(※ 泰麒が蓬萊を発った日が、新月を過ぎて満ちていこうとする月齢が1や2くらいの細い状態の月ときの可能性もかなりあり得ますが、なんとなく小野先生だと新月の日の描写を一度入れそうだと勝手に感じたので・・・・・・。「半分に欠けた月」から「きずのように細い月」と月が欠けていく経過を小野先生だとさり気なく表現されるかな、との個人的な勝手な推測です。
ちなみに、満ちていく方の細い月だとすると、候補年は以下のようになりそうです。)

2006年(土)0.8% 月齢0.6
1998年(水)6.6% 月齢2.4
2017年(土)10.7% 月齢2.9

自分なりに過去の9月23日の月齢やめん率、曜日などをエクセルにまとめてみました。

上のエクセルの簡単な凡例と但書は以下のとおりです。

便宜上、全て9月23日で調べてあります。その日が日本の祝日の「秋分の日」かや天文学的な「秋分」に当たるかどうかは確認していません。分かる分は一応、”秋分が22日”という列に「○」記号を入れてありますが、漏れや正確性は不明ですのでご了承ください。

月の状態の記号
(+やーは検索しやすいように以下で分けたものです)
新月~上弦🌓:月齢 0~9 (+)
上弦🌓~満月:9.1~14 (++)
満月~下弦🌗:14.1~22 (ーー)
下弦🌗~新月:22.1~29 (ー)

感想

条件の精査が甘いので、ぴったり合う年を見つけられなかったのだけれど、やはりある程度架空というか創造の部分もあるのかな・・・・・・と。泰麒が日本を離れた日は勝手に月が満月に近い状態だと思っていたのだけれど、そうでもないという可能性に意外性を感じて。

泰麒帰還に関しては尚隆らは呉剛ごごうの門を使ってしょくを起こしており、呉剛の門は「月」の呪力を借りて開かれる(『黄昏の岸 暁の天』p235)。

個人的にこの月齢からの推測で、かなりか細い月でも呉剛の門を開いて蝕を起こせるのだなぁ?という感想です。『黄昏の岸 暁の天』でも一応常世から日本に妖魔などが海面にできた呉剛の門?から出てくるような描写があり。

無数の影は宙に舞い上がり、そこで一旦、動きを止める。その下方で月の影は細り、もとの形を取り戻すと、再び波にその形を砕かれた。

『黄昏の岸 暁の天』p403

この「月の影は細り」というのが、もともとその日の夜にあった月の影の状態かもしれないけれど、細くなって「もとの形を取り戻」したと考えると、もともと大きな月ではなく細い状態の月だったのかな、と無理くり持論に結びつけてしまっているのですが。着地のない締めでスミマセン・・・・・・💦

Special Thanks to…

最後に、『魔性の子』の時系列は以下の方々の情報を勝手に参考にさせていただきました。ここでお礼申し上げます🙇🏻‍♀️💦私が勝手に使っただけで、この方々の情報に対して、私の読み取りや理解が間違っている可能性もあります。スミマセン🙇🏻‍♀️🙇🏻‍♀️


MonMon様(Twitter@Monmon_kokki
魔性~黄昏の日程
https://twitter.com/monmon_kokki/status/1273012469007437825?s=21&t=beOcYQ0R88e5xJ0gYNtIcg

朝陽あさひ様(Twitter@asahi_azuma
『風の海 迷宮の岸』から『黄昏の岸 暁の天』の流れ
http://0102m.web.fc2.com/rekishi.html#i00

ほしなみ様(Twitter@hoshinami629
戴国カレンダー
https://privatter.net/p/7413978
別表1『魔性の子』時系列
http://seisatoka.lomo.jp/2021/09/12/%e6%88%b4%e5%9b%bd%e3%82%ab%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%bc%e3%80%81%e5%ae%8c%e6%88%90%ef%bc%81/

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