🍏の気になる十二国記内での表記（メモ）

十二国記での表記にまつわるメモです。最近これに関してtweetすることが多くて、自分でも何に関して呟いたか忘れたりするので、ここに取りあえず貼り付けます。雑です。見にくいです。また時間があれば？整理しなおしたいと思います。

このnote記事が始まり？かも

オレ＆俺 ─ 蒼猿あおざるの一人称

蒼猿の一人称がWH版、新潮文庫版ともに「オレ」と「俺」が混じっている。WH版の方がより混ざっている感じだが、新潮文庫版でも自分が調べた限りでは「俺」が一箇所あった。新潮文庫版では「オレ」に統一するつもりが、直しそびれか…。基本的に、蒼猿が登場する一場面ではどちらかに統一されている気がする（同じ場面で「オレ」と「俺」が混合しているところはなかった）。これも「様」と「さま」問題のように何か小野先生の中で使い分けがあるのか。

『月の影 影の海』上巻
＜WH版＞
オレ：p128・130・189・191・192
俺：p164・232・235
＜新潮文庫版＞
オレ：p129・132・193・195・196・240
俺：p168

「曽」＆「曾」─　地名：五曾ごそ

達姐の家があった「五曾《ごそ》」

この「そ」の漢字の字体が

WH版では「曽」
新潮文庫版では「曾」

となっています。

この漢字、日本では結構最近まで常用漢字的な分類に入っていなかったらしく…。
↓ pic.twitter.com/C6TPUgt3ba

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) February 8, 2023

馬鹿＆莫迦

新潮文庫版で「馬鹿」が「莫迦」になっている。
でも六太の字（あざな）として有名な「馬鹿」はそのままで。WH版では他の箇所も最初は「馬鹿」なんだけれど（WH迷宮p181など）。じゃあ、常世では「ばか」という音は「馬鹿」では通じない？六太と尚隆間だけに通じる駄洒落？#昔とここが違うよ十二国記

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) January 29, 2023

こんごうざん＆こんごうさん

「金剛山」読み方の投票参加くださった方ありがとうございます。

これも全部調べた訳ではないんですが、金剛山の十二国記中でのルビがほとんど「こんごうざん」なのが黄昏で「こんごうさん」になっていて…。固有名詞なのでどちらかだとは思うのですが💦
気になります😖版によって違うのかなぁ💦 pic.twitter.com/3lusORcuVs

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) January 21, 2023

兎＆白兔

珠晶の家の騎獣、白兔の「兔」がこの字体ではないことに最近気づく…。通常のPCやスマホでは出てこなくて、上の部分が刀。
「うさぎ」という漢字なんだけど、うさぎの部分では通常の「兎」が使用されている。めちゃ細かいこだわり…。何か意味があるんだろうか、とまた小野先生の意図を探ってしまう。 pic.twitter.com/HPdtWcDvhk

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) December 26, 2022

閹人？閽人？

今、自分のまとめたのを見直してたら、変なところに気づいた…！

WH版でもんばんとして使われていた「閹人」。これが新潮版では「門番」に変わっている。てっきりこんじんの「閽人」が「門番」になったと思ったけど、漢字が違う～！「閹」と「閽」…前者が廃止された？

時間があればまた考察したい…

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) December 12, 2022

帝＆王

#昔とここが違うよ十二国記 シリーズ？

『東の海神 西の滄海』
WH版p67
「お前なんか滅帝で充分だ」
↓
新潮社版p75
「お前なんか滅王で充分だ」

全部調べてないけど、多分「帝」から「王」に変わっている（他は先帝WHp30→先王p36、賢帝WHp65→賢君p74など）。

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) November 24, 2022

しかめる　顰＆蹙

またどうでもよい事だけれど、「顔をしかめる」という表現、白銀ではひんしゅく（顰蹙）の「蹙（しゅく）」の方が使われていた。自分のパソコンでこっちの漢字が「しかめる」で変換されなかったので覚えていたのだけど、海神では「顰（ひん）」の方が使われていて…。

この違いはあるのか…orz pic.twitter.com/bgUJufeTB7

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) November 18, 2022

月影上下巻は「蹙」(例：上巻p26・123、下巻p194・223)

迷宮が両方混在…「蹙」がp369・374
「顰」がp167

万里上下巻は多分全部「蹙」（例：上巻p68・119、下巻p13・333）

黄昏も多分全部「蹙」（例：p27・265・440）

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) November 18, 2022

さま＆様

私の悪い癖…

『華胥の幽夢』内の「乗月」p129の2行目。祥瓊「さま」ってなっているのだけど、これは誤字…？全部調べたわけじゃないけど、同ページの月渓は他で祥瓊「様」ってなってる…

意図的にここだけかな表記にされてるのかなぁ…？ pic.twitter.com/jnBAxOFUQL

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) September 17, 2022

下は朝陽さんが調べてくださったものを載せさせて頂きます🙇🏻‍♀️。

「さま」「様」問題。思ったより根が深そう…。

『風海』
泰麒「驍宗さま」「蓉可さま」「玉葉さま」
李斎→泰麒「驍宗さま」
蓉可→泰麒「驍宗様」
景麒→泰麒「驍宗様」

『冬栄』
泰麒「驍宗様」

『黄昏』
泰麒「驍宗様」
戴国官吏「驍宗様」

『白銀』
臥信「驍宗さま」
泰麒ら「驍宗様」

— 朝陽（あさひ）1/22原画展行ったよ@石巻😍 (@asahi_azuma) September 17, 2022

かなvs漢字

「かな→漢字→かな」のパターン？でいくと、多分「わずか・僅か」がそれに当たりそう？講談社文庫が「僅か」になっているのですが、新潮文庫になる時に「わずか」に戻されている気がする。（抜粋箇所は「あいだ」も変化していて面白い） pic.twitter.com/pidIQhEbWf

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) May 29, 2022

全部調べていないので定かではないのですが、新潮文庫では「いま」になっているのが、どこかで「今」になっていた記憶があり、この表現で『風の万里 黎明の空』上巻でちょっと見てみた。 pic.twitter.com/pjGmRA33Q7

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) May 29, 2022

恨む＆怨む

先日スペース中に話していて投げっぱなしになって気になっていたツイート。十二国記が講談社から新潮社に移行した際に変わったと思われる表現の一つ。ネットで違いを見たけれど怨むの方が呪う感じで怨恨が深そうな印象だけど厳密な違いがこれもよく分からず… https://t.co/JejX7lGDOG

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) May 10, 2022

驍宗の眼　真紅＆深紅

白銀初版以外所有の方々に質問…

驍宗の眼の描写が

一巻は真紅（p157）
四巻は深紅（p134&384）

で、両方とも「しんく」でルビがふられている…。これは誤字なのか、小野先生の意図されるところなのか。ちなみに迷宮では「真紅」（p214）。

— 𝔽𝕣𝕦𝕚𝕥🍏 (@12koku_3) January 25, 2022

眩暈＆目眩

眩暈：華胥p207、帰山p328
目眩：月影上p44

通常の変換で出ない異体字

あくまでも、私が通常使っているPCやスマホ検索では出てこなかった字体。

捩よじる（←これは原作で使われている字体ではありません）

2023/1/30 ひとこと

もとは常世便覧を作っていたときに、表記ゆれなどに気づいて…。原作の表現に沿ってまとめ本を作りたいけれど、そもそも原作でも言葉によって揺れがあり、統一できなくてどうしよう、という個人的な不安から始まったのかも。

意外に思われるかもしれないけれど、もともと十二国記の細かい設定や解説（例えば王師の編成など）は雰囲気で流し読みしていたほうだし、登場人物たちの生き様や引き込まれるお話だけで、充分十二国記を楽しんでいて、ほとんどそういった表記は気にせず読んでいました。

ですが、まとめをここ数年するようになり、言葉などの表現にも小野先生のこだわりや常世の世界観を創ろうとされているのが垣間見えるような気がして。面白い。