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短編:銀河鉄道お忘れ物取扱センター

 受付でうとうとしていた新人のイトは、自動ドアが開くぶうん、という音で目を覚ました。あわてて居住まいを正した彼女の前に現れたのは、青いツナギを着た有料特急の清掃スタッフだった。 「カササギ14号のお忘れ物だ。よろしく頼むぜ、嬢ちゃん」  半笑いのしゃがれ声に、ツナギの背から飛び出した黒い羽根が連動して揺れている。イトは消え入りそうな声で「了解しました」と返した。  有料特急の中でもカササギはとりわけ乗客数が多いので、こまごました忘れ物はいつもそれなりに届く。ただ今日は目立つ

    • 20代の放送大学生の話読んだことないから書く:入るまでの話

      ただ本当はこんなことやっとる場合じゃない。 だってなんとかしなきゃいけない授業に1ミリも手をつけてないんだから。 今年は、というか去年あたりから、老いも若きもみーんな苦労を強いられている。 大学の話なので大学の例を出すが、入ったばっかの学生が一度もキャンパスに行けず同じ学科の人と会って話したことがないみたいな状況が続いているというのをニュースで見たし、実際そうだという子の話をわたしも聞いた。授業全部オンラインになっちゃったんです、という子がバイト先にいたし、なんなら今も一部

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