ズルを助長するわな1

 先に紹介した実験(ズルを減らす十戒)で用いたのと同じ、二つを足してちょうど10になる組み合わせを探す問題(5分間で20問実施)を今回も使い、1問正解するごとに50セントを渡すことになっています。対象者はMITの学生で、おおむね均質な集団と考えられます。

 今回は、3つのグループに分けて行います。実験の始まりは同じですが、終わり方が違います。

① テスト後、解答用紙を提出させ、正答数に応じて50セントずつ渡す。
② 解答用紙の提出は不要で、正答数を実験者に伝え、その数に応じて50セントずつ渡す。
③ 解答用紙の提出は不要で、正答数を実験者に伝え、その数に応じて、50セントと交換できる引換券を渡す。(引換券は、4メートルほど離れたところにいる別の実験者のところで1枚につき50セントずつ交換することができる)

 ①はズルができません。②と③はズルができます。キャッシュを受け取るか、引換券を受け取るかによる違いなどあるのでしょうか。ほんの数メートル移動すればキャッシュと交換してもらえるのに・・・

 結果(申告した平均正答数)は、①3.5問、②6.2問、③9.4問、でした。

 予想は大きく裏切られました。

 基本的に正直な人達のするズルですから控えめなのですが、間に引換券が入るだけで、それがズルをすることを正当化する理由になるということでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?