(まとめ)神奈川の海岸の砂 真鶴から観音崎まで

画像1 ゴジラの背びれ?ような流木の向こうに見える防波堤は平塚。相模川を挟んでこちらは茅ヶ崎です。
画像2 神奈川県の海岸で採取した砂を場所ごとに両面テープで貼り付けました。全般的に黒っぽい物が多い中で、葉山の砂の白さが目立ちます。これはたまたま貝殻が多い場所で採取したためで、葉山の標準的なものではないことをご承知おきください。なお、神奈川県の海岸では、養浜と称して他地域の砂を大量に持ち込んで、その地域の砂の特徴が損なわれている場合がある点にも留意する必要があります。
画像3 (注)この下に、地域ごとの砂の拡大画像を掲載します。参考までに、同じ拡大率でひとマスが1ミリの方眼紙を撮影したものを掲載しておきます。水色の紙の上に砂を貼り付けていますので、砂のないところは地の色である水色になっています。
画像4 地図の西から順番に見ていきます。最初は真鶴町の岩海岸です。粒が細かい点と、赤い粒が多いのが特徴です。
画像5 小田原の西側を箱根の方から流れてくる早川河口付近の砂です。粒の大きさがまちまちであることや、異なる性質の鉱物が熱変性して融合したようなものが散見されるのが特徴です。
画像6 小田原の東側を富士山中腹から箱根を迂回して流れてきた酒匂川の河口付近の砂です。透明な石英質の粒が多いという印象があります。富士山や箱根の火山灰も多く含まれているのではないかと思います。
画像7 二宮から国府津の間で採取した砂です。顕微鏡のカメラの特性で、黒っぽい石も緑っぽく写る傾向がありますが、ここの砂は肉眼で見ても緑っぽい物が多かったです。大磯から国府津にかけて海岸近くに低山が広がっており、その山を形成している付加体に由来する鉱物が多く含まれているのではないかと思います。
画像8 大磯港西側、照ヶ崎海岸の砂です。港の西側の北浜と異なり、大きな石が多い海岸ですから、砂も北浜とは若干異なっているかもしれません。磁鉄鉱を含む磁性のある粒が比較的多い感じです。
画像9 富士山の北側、山中湖から桂川として流れ、大月、上野原、相模湖等を経て茅ヶ崎と平塚の間で海に流れ出る相模川河口の東側で採取した砂です。石英質の透明な粒を始めとして、多様な鉱物が含まれているように思います。
画像10 稲村ヶ崎の砂です。ここの砂は特徴がはっきりしています。ざっと7割程度が磁鉄鉱で、粒が細かく揃っており、浜がおどろくほど真っ黒です。200ミリリットルのペットボトルに詰めて重さを計ると、600グラムを超える重さでした。他の地域の砂とひかくしてもずっと重いという印象です。
画像11 波打ち際で石灰石が砕けたような白い粉と磁鉄鉱とが揺れ動いているのを採取しました。ということで、この海岸の砂のサンプルとしては標準から外れるものです。白っぽいものは貝殻の小さく砕けたものではないかと思います。
画像12 横須賀市のソレイユの丘の南側にある海岸で採取しました。全般に粒が大きいのが特徴です。光沢のある黒い粒のうち大きめのものは、黒曜石の可能性が高いのではないかと思います。
画像13 京急長沢駅に近い海岸で採取しました。全般に粒が小さいのが特徴です。この海岸にはメノウがあるということも関係してか、透明な粒が多いような気がします。磁鉄鉱の割合も比較的多いです。
画像14 横須賀市の観音崎自然博物館の南東にある海岸で採取しました。ここのすぐ西には「たたら浜」があります。製鉄に用いる砂鉄が取れていたのかもしれません。採取した砂にも磁鉄鉱が比較的多く含まれていました。稲村ヶ崎から三浦半島にかけては砂岩泥岩互層の露岩が多く、そこから出てきたと思われるきれいな磁鉄鉱が見られるのに対し、箱根に近い方では熱変性を受けて他の鉱物と一体化した砂鉄が目立つように思いました。

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