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東小金井駅上りホームの優美な蛾

東小金井駅の上りホームで電車を待っていると、エレガントな羽根をまとった一羽の蛾を発見する。落ち着いた黒い生地の裾に、一筋の青白いラインが斜めに引かれている。頭部は赤い。今までに見たことがない。控え目で、優雅で、上品な装い。ホームと改札階を往復するエレベーターの建物の壁に、秋の夕日を浴びて静かに佇んでいる。
 何枚か写真を撮ると、飛び立って舞い始めた。毒の有無は知らない。何とかして追いつこうと懸命にスマホを動かすが、不規則に飛翔するので、枠内に捕らえるのが難しい。(最大の天敵である、小型鳥類の捕食から逃れるために、蝶や蛾はこのようなランダムな飛翔パターンを獲得した。人間如きの視神経では追いつけないのが当然だろう。)
 そんなことをしている間に、乗るべき列車を逃してしまう。
 何枚か撮れた画像を手掛かりに、後ほどググる。ホタルガという種のようだった。


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