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【Q3.拡大版立山黒部アルペンルート】【完結編】拡大版立山黒部アルペンルートの検討と課題

 立山駅にて購入した「立山黒部アルペンルート」の切符は、富山県側の立山駅から、長野県側の扇沢駅までとなっている。この区間が狭義のアルペンルート、いわゆる公式ルートだろう。


 JR東海やJR西日本が発売する「アルペンルートきっぷ」は、東海地方や近畿地方を出発し、JRを利用してアルペンルートに赴く旅行客のための商品だ。富山側から入る場合はJR富山駅、長野側から入る場合はJR信濃大町駅を経由する。JR系列の旅行会社が認める広義のアルペンルートは、富山から信濃大町までなのだろう。




 今回私が立案した「拡大版立山黒部アルペンルート」は、この富山側を延長し、富山湾を起点としたプランである。そのことによって、日本海から北アルプスまでの車窓が織りなす景観のダイナミズムを、より深く味わえると考えたからである。そのルートを今回旅してみて、感想や反省点などを述べてみたい。
 
 1.水橋漁港まで行く必要は特に無かった。今回のスタート地点は、岩瀬浜からバスで東に走った、水橋漁港という場所であった。ホタルイカの名産地であるという。しかし、この場所がスタート地点である必然性は、特に無かったと思う。岩瀬浜から水橋漁港までの移動は、海岸線に平行して走っただけであり、特に海との距離が近くなるわけではないからだ。スタート地点は岩瀬浜で良い。


 
 2.日本海の海水には、やはり触れておくべきだった。そうしなければ、この旅のダイナミズムを体感できない。水源である立山の湧水地や、雪渓を見た時の感動が半減してしまう。
 
 3.岩瀬浜~富山間の運河を航行する観光船を、コースに是非組み込みたい。岩瀬浜と富山を結ぶ、「富岩水上ライン」という観光船の存在を、この旅を終えた後に知った。岩瀬浜側の船着き場は駅からすぐ近く、富山側も駅徒歩圏内であるという。多種多彩な乗り物を次々に乗り継いでいくのが、アルペンルート最大の楽しみであるが、船は存在しない。(黒部湖に遊覧船はある)。この運河船をルートの一部に組み込むことは、拡大版のその名に実に相応しいと思われる。
 


 
 他、本来のアルペンルート上のやり残しとしては、以下の三点がある。
 
 4.美女平駅のスタンプを押す。本文中で何度も触れているが、やはり美女平駅のスタンプを押せなかったことが最大の心残りだ。いつか取り返したい。
 
 5.オンシーズンの黒部ダムを訪れる。黒部湖の遊覧船「ガルベ号」の運航は六月以降であり、観光放水は梅雨明け以降である。今回は「雪の大谷ウォーク」のために五月末に旅行したため、いずれも未体験だ。他日を期したい。


 
 6.オコジョの姿を撮影する。しかしこれは、容易なことではないだろう。


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