中途覚醒

透明が飛んだ
そしたら透明は弾けて
小さな透明が飛んだ
透明の後を追った
透明はゆっくりと減速をしながら
僕はゆっくりと加速をしながら
お互いの透明を目で追った
近づいて触れそうになって
触れそうになって遠のいた

症状の名前だけでもせめて
飲んでいる薬だけでもどうか

テグスの糸で結ばれたまま
離れていく二人は離れていく程に
きつく互いを締め上げていく
それでも僕たちは無罪だっていうから
来世ではしっかり
肉体ごと引き裂かれよう

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