五月のしずくちゃん

遠のいていく声が、毛布をミルフィーユしたみたいでした、体温の通らない、ひんやりとした生地の言葉、傷だらけの麺棒じゃこれ以上は延ばせないし、つるつるの脳みそじゃ刃物がうまく刺さらないし、もうこれからは知らないひとのお皿を洗う違和感のなかにだけ眠るしつこい油汚れみたいな強迫観念とひっそり暮らしていくしかないかもしれない、私やさしくないからあなたのために死んであげるよ?抜けた髪の毛でミサンガとか編んじゃうけど?タイミングがいつも分からない、額縁の角でいのち救われたせいで絵に成れなかったから絵燃やしたいです、屋上と地下鉄のホームときみのベランダだけ風が強いのはなんでですか、強化ガラスになってから野球ボール飛ばすのつまんない、やさしくなりたいって傲慢ですかね、いつか誰かがこんな顔であんなことほざいてましたけど私バカだったから何ひとつ理解できなくて怒られて怖くなって殺しちゃいましたって言ったら信じてくれますか、私そういう人と離婚してみたいです、赤ちゃん撫でるときみたいにシカトしないでください、赤ちゃん産むときみたいに好きって言わないでください、赤ちゃん育てるみたいに焼肉奢らないでください、赤ちゃんがおっぱい吸うときみたいにおっぱい吸ってください、なんて、口が裂けなくてもいくらでも言えるのに、傘立てにブラジャーを置き忘れてしまうおちゃめさがあったりします、今夜は会えそうですか、会えなくてもいいですけどせめて電話とか、せめてアレとか、よかったら友達になりませんか。(長文失礼しました)

四月の亡骸より罪を込めて

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