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【くすぐり小説】和柄のスカーフ【18禁】

どうも。くすぐりフェチのフロスです。

※冒頭でお話したいのですが、こちらの記事は下ネタが含まれています。下ネタが苦手な方は閲覧をお控え下さい。

日々の仕事をこなしていると、ふと性癖である【くすぐり】の事を考えて非日常の空間に浸りたい時ってあると思うんですよ。


今がまさにそれです!!!笑


そんな時って突然くすぐりのアイデアを思いつく事もあると思うんですよ!

今回はその直感的なアイデアを活かし、リアルだけど非現実が好きな私の妄想を具体化する為、小説でお伝え出来ればと思います。

この小説を読んでリアルなシチュエーションを楽しんでもらったり、ちょっぴり泣きたくなるも最終的に元気な気持ちになってもらえたら嬉しいです。


それではどうぞ!!

くすぐり小説タイトル【和柄のスカーフ】

「あはははっ!ねぇくすぐったいよ!!」

「笑ってる顔が可愛いからいじめたくなるんだよ?」

「もうっ…やめてください!お願いします…」

「笑い声も可愛いね。もっと聞かせてよ」


ここのカップルはいつも笑いが絶えない。

普通に生まれてくれば知ることのない性癖【くすぐり】

「くすぐる」「くすぐられる」事で性的な興奮を得られる2人は夜の営みに加えて、このようなくすぐりプレイが日常的に行われているようだ。


「あははははっ!ゲホッ…お願い……もう辛いよ………」

「ねえ。まだ話せる元気あるよね?何かあったら俺が守ってやるから安心しなよ」と脇の下の窪みに指を食い込ませてくすぐってきた。

「いやぁーーーあはははは!!もう無理……!!お願い…………!!!!」と最後の声を振り絞るように叫んだ。

「よしよし。よく頑張ったね。もっとこっちにおいで」


そう言って左手で腕枕をしながら、その手で頭を優しく撫でてくれる。右手は背中に回して抱きしめてくれる。

彼の意地悪さも含め、私にしか見せない優しさが好き。彼も「俺のやりたいことを受け入れてくれる心の広さが好き」と言ってくれる。

彼女は「みなくんだから受け入れてるんだよ」と心の中で優しく笑った。

一条湊いちじょうみなと
27歳180cmの黒髪で今風のナチュラルなスタイリングが好み。彼女からは「みなくん」と呼ばれている。プレイは激しいが、それ以外は物静からしい。

遊び疲れた2人は、腕枕をしたまま並んで話し合った。

湊「なぁ香澄かすみ。俺はおまえと付き合えて本当に良かったと思ってるよ。」

香澄「なっ、急に何を言ってるの」

湊「変なフェチ持っちゃったし、他の女じゃ満足できないと思うんだよね」

香澄「ふふふっ。他の女の子もいっぱいいるでしょ」


香澄は屁理屈を言いながら嬉しそうに笑った。「私も」と素直に言えない言葉は心に閉まった。

百合園香澄ゆりぞのかすみ
26歳158cmの明るめの茶髪で肩甲骨の上くらいの長さ。後ろに結んでアレンジするのを好む。やられたい願望を強く持っているが、それを相手に言えないらしい。


2人の出会いは3年前にくすぐり専用のTwitterアカウントを作成し、都内のくすぐりイベントで初めて出会ったのが最初だ。

その後DMでお礼をしたり、通話でやりとりをするうちに仲良くなり、くすぐりプレイもするようになった。


徐々にくすぐりとは関係ないプライベートも打ち明けだし、湊からの告白で付き合う事が出来た。

SNSが盛んな現代では界隈カップルも珍しくないだろう。

あれから2年近くが経った。大したいざこざも無く、二人の関係はどんどん深まっていく。半年前に同棲も始めた。日常が楽しくて仕方がない時期だ。

幸せそうな二人を見て、掲示板で叩く人もたくさん現れた。

だが、そんな言葉は目にも止まらず、いつもと変わらない2人の笑い声が鳴り響く夜がやってくる。


湊「じゃあ今日は"これ"パウダー使うか」

香澄「…!恥ずかしいからうつ伏せでも良い?」

湊「ああ良いよ。脱がしてあげるからバンザイして」

香澄「きゃっ!!脱がしてる最中にくすぐるの反則でしょ」

湊「脇ががら空きだったから。くすぐっていいのかと思ったんだけど」

香澄「みなくんがさせたんでしょ……」


こんなささいなやり取りが、お互いにとって心地よく、楽しい気分にさせた。


湊「ミナクッキングのお時間です。今日は香澄の天ぷらを作りまーす」

香澄「ひゃっ!いきなり粉落とさないでよ!」

湊「おいおい、食材が喋るわけないだろ?大人しく我慢しろ」

香澄「……(もう…早く終わって…!)」

湊「気を取り直して、それでは早速調理していきましょう。まずはパウダーを満遍まんべんなくまぶしていきましょう」


そう言って身体中が真っ白になった後、触れるか触れないかの力加減で背中全体を指でなぞる。


香澄「……っ!(くすぐったい…)」

湊「美味しくする為にムラのないよう丁寧に仕上げていきましょうね」

香澄「……ふぁっ!?」

湊「声出ちゃってるよ。喋れなくする事なんて簡単なんだけど、もっと頑張れるよね?」と調理用のラップを広げながら話しかける。


香澄「(口を塞がれたら本当に抵抗出来なくなる……!!!)」

そう思った香澄は、首を大きく縦に振って、うつ伏せでも分かるように湊に頑張る意志を伝えた。

湊は分かったように笑った顔をしながら、背中、腰、二の腕、内腿、足の裏に追加でパウダーが舞い上がらないよう静かにまぶす。

手の平が相手に触れないギリギリで浮かせ、10本の指が香澄の身体を優しくも意地悪な手つきでくすぐったさと気持ち良さを与え続けた。


香澄「……あぅ……………あぁっ………」

湊「声」

香澄「……んんっ…………いやっ………」

香澄は言葉にならない返事しか出来なくなっていた。


無理もない。湊は手を休める事なく、1時間以上も慣れないように部位を変えながら全身を責め続けていたのだから。

そう言う意味で香澄の反応は至って正常だった。


香澄「ゲホッ……もう……ゲホッ……」

湊「あーそろそろ限界かな。これからだと思って楽しみにしてたのに」

湊は物足りなさそうに繊細に動かし続けていた手を止めた。


湊「今日もありがとう」

香澄「ゲホッ…ゲホッ…」

湊「大丈夫か?」

香澄「……ゲホッ。今日は特に喉が痛くて。笑いすぎちゃったかな……」

湊「明日一緒に病院で薬もらいに行こ」


いつもならこの後、2人の身体を重なり合わせて愛し合うのだが、湊はいつもと明らかに様子が違う″違和感″に気付いていた。

湊は香澄を包み込むように抱きしめてそのまま眠りについた。


香澄が目を覚ましたと同時に、何だかスープのいい香りが漂ってきた。眩しくて開かない目をこすってリビングに着く、湊から話しかけてきた。


湊「おはよう。調子はどう?」

香澄「おはよ!まだ少し喉が痛むみたい。昨日よりは良くなったよ。何作ってるの?」

湊「ああ。生姜と玉ねぎのスープ。喉が痛い時とか、風邪の時に飲むといいらしいよ」

香澄「えー!嬉しい!ありがとう!!」

湊「俺は医者じゃないから治せないし、こんな事しかできないけど、早く治ると良いな」

香澄「そうだね。ありがとう!」


香澄は笑顔で湊と目を合わした。「朝と夜で人はこんなに変わるのもだろうか。私って幸せ者。」心の声はいつも表に出る事は無かった。

朝食を食べて元気をつけた2人は、病院へ向かって診察を受けた。

医者の指示に従って大きく口を開けたり、聴診器をお腹と背中に当てられている。

服をたくし上げた時、昨日みなくんにくすぐられた事が脳内に浮んで変にドキドキしてしまった。


医者「よく聞いてほしい。彼女の喉の痛みはただの風邪じゃないかもしれない」

湊「え、先生、どういうことですか?」

医者「CTをとりましょう。すぐに準備させます。それから話しをしましょう」

湊「……はい」


ただの風邪だと思っていただけに、2人はそうじゃないと医者に言われた気がして動揺した。言われるがまま黙って香澄はCT検査を受けた。


CT検査の画像を貼りだし、指示棒を伸ばして喉の部分に円を書きながら先生が話し始めた。


医者「若い者に話すのは酷なんだが、大事な話だからしっかり聞いてほしい。ここにくっきり白い部分があるのが分かるかな?これがいわゆるガンなんだ」

湊「えっ!ガンですか!?」

医者「ええ。転移はしていない様子だが、かなり大きい。いつ他の場所に転移してもおかしくない状況と言えるでしょう」



香澄はすぐに現実を受け止められず、泣くのを我慢しながら湊と一緒に真剣に話を聞いていた。



湊「……そうですか。そしたらどうすればいいんでしょうか?」

医者「若い女性には特に珍しいんだが、これは喉頭こうとうがんです。初期症状が分かりにくいのが特徴で、なかなか早期発見できないガンだからこうなるのも仕方ない事だ。」

医者は話を続けた。


医者「いま摘出手術をすれば大事に至る事は無いだろう。手術をするのに2週間程入院が必要です。手術後は声帯を摘出するので声を出す事はしばらく出来なくなります。呼吸をする為に喉に穴を開ける事にもなるでしょう。」

湊「先生、状況は分かりました。少し時間を下さい」

医者「分かりました。では明日のお昼にまた来て下さい。それ以上手術を引き延ばすことはオススメしません。」何とは言わないが急いだ方が良い事は充分に伝わった。

湊「分かりました。失礼致します。」


2人は黙ったまま考え事をして帰り道の道中を進んだ。空気は重いまま静かに自宅へと足を運ぶ。

「ふざけるな。何で香澄がこんな目に合うんだ。何でもっと早く気づいてやれなかった。こんなにそばにいたのに。俺は何も守ってやれなかった。」

湊の頭の中で後悔の言葉ばかりがグルグルと駆け巡っていた。


湊は家に着いてソファに座りって頭を抱えた。そんな時、最初に近寄って話しかけてきたのは香澄の方だった。

香澄「みなくん。病院に連れてってくれてありがと。思ってた結果とは違ってたけど、私はみなくんが居てくれたから幸せだよ。」

湊「……」


香澄「私もう決めたよ。明日の昼に手術受ける事にする。それでね。1つね、みなくんにお願いがあるの。」

湊「……お願い?」

香澄「うん。いつものようにくすぐってほしい。声も出せなくなるって先生言ってたし?」

湊「今そんな事する気分になれる訳ないだろ。まずは今後についてしっかり話そう。」

香澄「帰り道で考えてたの。私は今こんなに幸せなのに、死ぬかもしれないんだなって。」


湊「……」

香澄「もし手術で生きる可能性が残っているのなら、私はこれからも楽しく生きたい。声を出して笑ってくすぐられる事が当たり前じゃ無くなるのなら、今やっとくべきでしょ?」

湊「それはそうかもしれないけど、俺がこんな気分でくすぐっても楽しくないだろ。」


2人の言い分はどちらも納得出来る。くすぐるのが好きな湊とくすぐられるのが好きな香澄。くすぐりもそれ以外も相性の良い2人が、話し合いで意見が同じ方向に向かないのは珍しい事だった。


香澄「…分かった。じゃあくすぐりたい気分にさせれば良いんだよね?」

湊「よくまだそんな事が言えるな。…!?」

香澄「こちょこちょこちょ〜!!」

湊「はぁーー。お前は学ばねぇな。俺にくすぐりは効かないし、時間の無駄だからやめろって言ってるだろ。」


香澄「ちょっとビクってしてたよ?くすぐられるの気持ちいいでしょー」

湊「びっくりしただけだよ。全然効かないし、俺がくすぐられる時間があるなら、くすぐられてる反応を見る方がいいって何度言わせるんだよ」

香澄「脇の下に指を押し当てながらくすぐったらどう?」

湊「だから効かないし、話聞けよ!それにそのやり方……お前が耐えられない所だろ?」少し手を伸ばし香澄の脇に触れる。


香澄「あはははっ!ダメっ!そこはずるい!」

湊「……やっぱお前可愛いな。俺だって香澄の声をあんな医者になんか取られたくないよ。だから今日、俺が全部奪ってやる。」


香澄の優しさで覚悟を決めた湊はいつもの意地悪な姿に戻らされていた。


香澄「あははははっ!いやぁぁぁっ!くすぐったいよっ!!」

香澄は強い人間だ。落ち込んでいたいのは俺の方じゃない。こんな時だからこそ、香澄は俺を元気付けようとしてくれた。俺も先の事は後で考えて、今はそれに答えなくちゃ。そんな風に思えた。


触れるか触れないかの弱いくすぐったさや、くすぐったいツボを捉えた耐えられないくすぐったさ等、あらゆるくすぐりで責めて慣れさせる事をさせなかった。

声が出せなくなるのなら動画を撮ろうと提案しようとしたが、カメラを意識していつも通りの反応が見たいと思い諦めた。


今夜のくすぐりプレイはいつもと同じなのに特別なものになった。2人はこの日常を記憶に深く焼きつけた。



湊「今日もありがとう。俺の好きな香澄の声は心の中でいつも聴くんだ。だから生きる事を選んでくれてありがとう。」

香澄「……はぁ……はぁ………」


香澄は疲れ切って返事が出来なかった。小さく首を縦に振り、堪えていた涙が静かに頬を伝った。

今宵も2人で抱き合いながら最後の賑やかな夜を共に過ごし、疲れ切った身体を布団の中で休めた。


ー翌朝ー


医者「おはよう。話し合えたかな。」

香澄「先生。手術してください。お願い致します。」

医者「そうか。分かった。たくさん考えさせたと思うが、短時間でよく決断したな。後は先生に任せなさい。」

香澄「ありがとうございます。よろしくお願い致します。」


この日から2週間の入院生活が始まった。もちろんこれは事前に親に相談もしていた。すぐに入院の報告もした。手術は無事成功し、経過観察で入院させられた。

突然の出来事に親もとても驚いていたが、私の選んだ決断を肯定して褒めてくれた。


父親は医療費などの金銭面も負担してくれた。母親がお見舞いに来た時は、むせ込まないように喉の通りが早すぎないプリンやゼリーを持ってきてくれて、筆談で話し相手になってくれた。

彼も仕事で来れない日以外は、毎日のように来てくれた。電話が出来ない時はLINE電話で筆談もした。だから寂しさは1つも感じずに2週間が経ち、退院の日を迎えた。


湊「先生。本当にお世話になりました。」

医者「予定通り上手くいって良かったですね。喉に穴を開けてガンを摘出してるので、しばらく声を出すのは難しい。発声方法を練習すれば前のようにはいかないが、また言葉を喋れるようになる。君たちはまだ若い。頑張ってくれたまえ。」

湊「はい。先生ありがとうございました。」
香澄「……」


香澄は言葉に出来ない感情を、満面の笑みで先生の顔を見て深く頭を下げた。先生や看護師さん達の心にありがとうを伝えた。

2人は肩を並べて歩いた。2週間の入院から無事退院した、香澄のおぼつかない足取りを湊が支えながら静かに帰った。


湊「おかえりー!1人で寝るなんて何年ぶりだと思ってんだよ!」

香澄は湊の顔を見ながら優しく微笑んだ。

湊「よし。疲れてるだろうからそこに座ってて。何か飲み物持ってくる」


湊は鼻歌を歌いながらトロミのつけた桜湯を持ってきた。病院で教わった比率でトロミにダマは無く、香澄のサポートも手慣れたものだった。


香澄「桜が浮いてる!かわいい!」初めて見た飲み物に脳内で心を躍らせた。

湊「でしょ笑。ほら、一緒に乾杯しよ!」

ホワイトボードに「うん!」と声を出せない香澄は大きく書いた。

2人はグラスを合わせて乾杯し、2人で見つめ合った後2週間ぶりのキスをした。


ガボチャのスープに一度ミキサーにかけたひき肉をお肉の形に見立てたステーキが並べられている。流動食ではあるが久しぶりのご馳走だ。

2人は食事を済ませて、お互い別々に過ごした2週間について熱く語り合っていた。お腹も落ち着いた頃、湊がかしこまって話しかけてきた。


湊「実は香澄にプレゼントを用意したんだ。」

香澄「えっ、なになに!」

湊「手術した時に喉に穴空けただろ?だからこれ使えると思って…」

湊は袋から淡いオレンジ色をした、鱗文様うろこもんようのスカーフを取り出し、香澄の首に巻いた。


湊「いいね!よく似合ってるよ!鱗文様って蛇や魚の鱗からきてるらしく、蛇は脱皮を繰り返すから生命力の象徴で再生の意味を持つんだってさ。また香澄の声が聞けるようにと思って選んだんだ。」

香澄はその意味を聞いてとても喜んだ顔をしながら「素敵!ありがとう!」と小さなホワイトボードに書いた。


湊「声出せないなら出せないで、映画館で映画見ながらくすぐり放題だし、どっちでも俺は良いけどな。」

香澄「バカ!映画はちゃんと見させてよ!」と肩を叩いてからホワイトボードにペンを走らせた。

香澄は退院祝いに素敵なスカーフをもらった。香澄の喜んだ顔を何度も見たけど、2人の時しか見れない素敵な笑顔だった。湊は笑顔が見れたそれだけで嬉しかった。


湊「少し横になるか?」

香澄「(うん)」と無言で頷いた。

電気を暗くして横になった香澄は「抱きしめて頭を撫でてほしい」と書いた後、恥ずかしそうに湊に見せた。



湊「ん?暗くてなんて書いてあるか分からないな」

香澄「……!」香澄の腰は湊のいない方にビクッと動き、湊の顔を見た。湊の手が私の脇腹をつついてきたのだ。


湊「あれ、私をくすぐってくださいって書いてない?」

香澄「…(違うっ!言い返したいのに言えない。辛いっ……!!)」

湊「安心しな。気持ちいいのも苦しいのも全部俺が管理してやるよ。言葉も出せないんだから他の奴に任せられないだろ?俺がたくさん可愛がってやる」

香澄「…(ほんっと最低!でもみなくんの言う通りなのかも……)」


香澄は複雑な気持ちだが、どちらかと言えば湊の言葉は嬉しく感じていた。

香澄「(私の事を良く知っているのも事実。何も言わなくたって本当に嫌な事はしない。危ない時はやめてくれる。)」

「(こんな私だからこそ、本当にみなくんに出会えて良かった。たくさん感謝しなくちゃ。)」とくすぐられながら真面目に考えていた。


湊「もしかして余計な事考えてる?今はくすぐったいだけに集中して。まぁそんな余裕は徐々に無くなるだろうけど。」

香澄はいつものように首を横に振って返事をした。また、いつもと同じ湊に安心感も感じた。


湊「今日は特別な日だから永遠のソフト責めで遊ぼうか。ちゃんとくすぐってほしくなったら俺に言え。ご褒美にもっと良いことしてやるよ。」

そう言って湊はティッシュを2枚取り出した。正方形に広げたティッシュの中心を右手と左手でつまんだ。

ティッシュの四つ角を集めるように形を整えてくすぐったり、面の柔らかい素材を使い分けて香澄の身体に触れるように撫で上げ続けた。


香澄「……(ムズムズする)」香澄は声が出せたとしても笑うほどではない。ゾクゾクするくすぐったさを感じていた。

湊「ティッシュって結構くすぐったいでしょ?衛生的でコスパも良いからくすぐり道具として気に入ってるんだよね。」

確かにくすぐったいんだけど、物足りないくすぐったさと言うのが正しいのだろうか。ぐらの香澄にとっては「もっとくすぐったさが欲しい」と求めてしまいそうだった。


湊「ティッシュを徐々に増やしてたくさん這わせるから、反応確かめさせてね。」

湊は手の指の間にティッシュを挟んで合計8枚のティッシュを使い全身を責め続けた。


ティッシュの枚数が少ない時は耳、首、足裏などの面積の小さい部位を細かく責めていた。我慢出来るけどビクビクする反応を楽しんだ。

枚数の多い時は香澄の腕、ふともも、背中等の責めを追加して全身の感度を高めるように撫でるように責めた。

そんな事を何時間も繰り返してるうちに、香澄の身体はどこを触れてもビクッと反応してしまうようにさせられていた。


湊「こんなに身体はビクビクしてるのに、もっとくすぐってくださいとか、気持ちよくしてくださいって言えないの?」

香澄「……(声出せないの分かってるくせに本当に性格悪い…でも、もう我慢も出来ない……言うより書く方がお願いしやすいし……お願いしよう)」と身体をビクビクさせながら、ホワイトボードに手を伸ばした。


バシッ!!!


香澄「!?」

湊「ねぇ。何しようとした?そういうのいらないから。仰向けに寝て両手上げろよ。」と強く言い放った。

香澄「(違う。きっと怒ってるんじゃない。最初から私にお願いなんてさせるつもり無かったんだ……)」と分からされた瞬間だった。


湊は頭の上に上げた香澄の腕に枕を乗せて、その上に自分が乗っかった。

湊「俺の事はくすぐるなって言ってるだろ?そういう事するなら、こっちもやり方ってものがある。」そう言って二の腕や脇の下辺りを新たなティッシュを使って重点的に責め始めた。

香澄「…(ダメっ!それはソフトでもくすぐったい…!)」

湊「面白いよなぁ。声が出ない分、身体で表現してくれるんだもん。もっとその姿見せてよ。」


最初は悲しんでくれたのに、むしろ私が声出なくなって喜んでるのかと錯覚するような言い回しだった。

あまりのくすぐったさに、身をよじらせていると香澄は段々と意識が朦朧もうろうとしてきた。


湊「本当はこれからが楽しいんだけど、このくらいで終わりにしようか。」

毎日のようにくすぐられた人が、2週間もくすぐられなかったのだから、香澄はもっとくすぐってほしい気持ちが強くなっており悶々としていた。


香澄は我慢出来ずホワイトボードに「もっとくすぐって下さい」と震える手で必死に書いた。


湊「ふーん。じゃあその言葉の通りにしてやるよ」

香澄「…(みなくんになら何されても良い)」あまり考えられる状態では無かったが小さく頷き、トイレを済ませ、とろみ付きの水分を飲んだ。


湊はその間に拘束具を取り出して、香澄をブラジャーもつけないパンツ姿で仰向け大の字に固定した。

自作の拘束具だが、だからこそ香澄のサイズにピッタリ合っている。自由に動かせるのは顔だけで暴れても外れた事は無い代物だ。


湊は突然こんな事を話し出した。


湊「今まで俺が香澄を適当にくすぐってただけだと思う?」

香澄「…(自分が興奮する為にいっぱいくすぐってたんだよね?)」顔色1つ変えずに湊を見た。

湊「俺の好きな香澄の反応って何となく覚えててさ。部位によってどんなやり方で、どんな力加減で、どんな道具が弱いのか。俺と香澄で答え合わせしようよ。まずは耳ね。」


そう言って最初に1枚の柔らかい羽根を取り出した。羽の芯(羽軸うじく)の部分は使わずに、その周りに付いている平たい羽根(羽弁うべん)や羽根の先で耳を執拗にくすぐった。


香澄「…(耳はソフトにされればされるほど弱いの知ってたんだ……くすぐったい……)」唯一抵抗できる顔を必死に動かした。

湊「確かめてるんだから動かないでよ。まぁそんな事言っても言う事聞けないだろうから、腕で抑えるしかないよね。」と横を向かされた状態にされ、左手で頭を抱えるように抑えくすぐり続けた。


香澄「!?」突然耳の穴に羽根の先が潜り込んできて、思わず跳ねるように反応してしまった。不意にそこを責められるのはくすぐったすぎる。

湊「俺が思ってた通りの反応してるよ。そこ弱いんでしょ。」


こんなのがいつまで続くのかと考えただけで、香澄はお願いした事を後悔した。でも私がして欲しかった事でもあったので興奮が止まらなくなり始めてもいた。


湊「じゃあ今度は脇の下。大の字に拘束したからどんなに暴れても大丈夫。安心しな。」とローションを手に取ってネチネチと手で擦り合わせて温めた。その手で香澄の脇の下へと全体に塗りたくる。

湊「抵抗する姿も可愛くて好きだけど、されるがままの姿も可愛いね。」とローションをまとった両手で指を押し当てながらくすぐる。


香澄「…(そんなのダメ!耐えられないよ……!)」拘束された身体を思い切り動かしたが湊も上に跨っており、全然動けなかった。

湊「ローションが乾く前に足さないとね。」と再びローションを手に馴染ませて脇の下に塗り始めた。全体的に塗り終え、脇の下の窪みに指をさらに食い込ませてくすぐった。


香澄「…(いやぁぁー!何で!!ダメだって……!)」どんなに身体を動かしても、湊にやめての声は届かなかった。

湊「なんだかいつもの声が聞こえてくるような気がするよ。楽しくなってきたね。」


湊「今度は足の裏。」と2つの枕を右と左で、ふくらはぎの下に入れた。かかとが浮いた状態にして指で全体的にくすぐってきた。

香澄「…(くすぐったいけど、それは耐えられるもんね)」と気持ちいいくらいの反応で余裕を見せた。


湊「これで感度はいい感じに上がったかな。」と感度を上げるための工程でしかない事を知らされた。再びローションを足の裏に塗り、ヘアブラシを取り出して指の付け根辺りを集中的にくすぐった。

香澄「!?(そこばっかり嫌っ!くすぐったい!!)」

湊「香澄は可愛いな。俺の思った通りの反応してくれるもんね。」

香澄はまるで湊の操り人形だ。湊がこうくすぐれば、こんな反応をすると全て把握されている。それをコントロールするのが湊は楽しくて仕方がなかった。


湊「じゃあそろそろ取って置きのやつやるか。」と言いながら何故か足の拘束具を外し始めた。

香澄「…(あれ?これで終わり?)」と湊の顔を見た。

湊「ん?手は外さないのかって?素直にお願い言えたんだからご褒美、伝家の宝刀デンマの出番でしょ」


香澄はそれを使うにしても、拘束したままの方が動けなくて良いんじゃ無いかと不思議に感じていた。

湊「くすぐりながら気持ちいい事したらどうなるんだろうね。」と伝家の宝刀の振動を最弱にして弱い所に当てた後、香澄の太ももに挟ませた。

その太ももの上に湊が跨り、足を広げられないように抑えながら脇腹や脇の下、胸の横をくすぐり続ける。


香澄「…!!(あぁ…もう気持ちいいのかくすぐったいのか分からなくなってきた……)」香澄の身体は湊のくすぐりでビクビクと反応が大きくなり、どんどん壊されていた。

くすぐりと快楽責めを同時にする為に技と足の拘束を外したんだ。こんな事を続けられたらおかしくなる事は容易に想像できた。


湊「やべえ……俺も興奮してきた。ずっと見ていたい。本当に無理ならキス顔で教えて。」

いつも自分のペースで香澄を管理してやめていた湊が、セーフワードならぬセーフフェイスを決めるのは指折りで数えられるほど珍しい事だった。

とても興奮をしている証拠だと言えるだろう。


香澄「…(おかしい…くすぐりが気持ち良くなってる気がする……こんな弱く同じ刺激を続けられたらダメになる……)」声を出す事ができない香澄は身体で受け続けるしか選択肢がなかった。

与えられたのはキス顔をしてやめてもらう事だけ。でもまだやめてほしくない……終わりを自分で決める事が無さすぎて、全然決められる気がしなかった。


湊「反応がいい所、まだあったね」と上半身のくすぐりをやめて抑えてる太ももはそのままで、手を後ろに伸ばして足の裏をくすぐり始めた。

香澄「…!?(いやっ…ダメ……もうおかしくなる……)」少し慣れてきた上半身から、足の裏に変わった事でくすぐったいのに、とても気持ち良く感じてしまった。

湊「いい反応だね。いつまで耐えられるか見させてもらうよ。」

香澄は身体がビクビクし始め、次第に大きくなっていった。


湊「これまだ最弱じゃん。」と伝家の宝刀の強さも1段階あげられた。

香澄「…(あぁ…ダメ…もう我慢出来ないよ……)」

香澄はしばらくビクビクと反応した後、身体を反らせて頭でブリッジをするように抵抗し、バタンと力尽きた。

湊「あーあ。これでおしまいか。まだ挿れてないのになぁ。」と不服そうに言った。

湊「でも楽しかった。いつもありがとう。」


2人はキスをしてプレイは強制終了とした。その後はプレイの感想を話し合い、2週間ぶりのプレイにお互い興奮して満足していた。

シャワーを浴びて寝る支度を行い、疲れ切った2人はすぐに眠りについた。


カーテンから差し込む朝日で香澄は目を覚ました。目を開けたら湊は既に布団の中にはいなかった。食卓でガチャガチャ音が聞こえてきたのでそちらに向かう。


湊「おはよう。昨日は術後初日なのに高まっちゃってごめんね。」

香澄「ううん。大丈夫!」と寝ぼけ眼で書いた。

湊「朝から言う事じゃないかも知れないんだけど、聞いてくれるかな?」

香澄「うん。どうしたの?」さっきの文字は消して、すぐに書いた。

湊「俺と結婚してくれないか?」


香澄はさっきまでの重い瞼が一瞬で持ち上がり目が覚めた。


香澄「1つだけ聞いてもいい?」

湊「なに?」

香澄「こんな私でも良いの?」少し間を空けて書いた。

湊「もちろん。俺は香澄が好きだから。」と即答で返事をした。

香澄「でも声が好きって言ってくれたよね。今はそれも無いんだよ。」と強く書き殴った。

湊「それも香澄だよ。個性じゃないか。一般的に病気は悲しい事かも知れないけど、そのお陰で俺は結婚の決心が着いた所もある。香澄が病気になったおかげで、俺が香澄を幸せにしたいって気持ちが、もっと強くなったんだ。」


香澄は目に溢れる程の涙を流しながら「よろしくお願いします。」と手を握った。本当は香澄も病院でこの形を望んでいたからだ。

湊「ああ。大好きだよ。」と2人は抱き合い、湊は香澄の頭を撫でた。


その後、用意していた婚姻届を2人で書いた。2週間の入院生活の間に香澄の両親にも話ており、自分の両親の名前も婚姻届に記載させているのを見て、香澄は涙が止まらなかった。

病気の事や指輪や結婚式の話し合いなど、まだまだ話す事は多いが幸せが続きそうだ。これからも笑いの絶えない家族でいようと決めた日でもあり、間違いなく笑いが絶えない家族になるだろう。

◼️終わりに◼️

いかがだったでしょうか?
内容があまあま過ぎて吐き気を催した方はごめんなさい笑

かなり長い時間かけて書いてみたので、個人的には満足してます!(それ1番大事)

また妄想が捗ったらこんな形で表に出して残していけたら良いなと思います!

私自身くすぐりフェチであり、仲間と一緒に界隈を盛り上げて、自分にできる事を考えていたら教科書という形にたどり着きました。

「こんな内容を記事にしてほしい!」「これってどうなの?」等あればコメント頂けると嬉しいです!

出来るだけ記事にしていきたいと思います!
最後まで閲覧いただきありがとうございました!!!

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