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今年の桜花賞はオークスに直結するのかを考える

馬券ファンは目の前の全てのレースに賭けたいものであるという前提のもと、「全レース購入して回収率100%超えを達成する」ために開発された予想理論『レース質マトリックス』。
その考案者である立川優馬さんが、レース質(=どのようなレースになるか)をもとに、回収率を底上げする方法を伝授してくれます。

立川優馬の最新刊『回収率を5%ずつ底上げしていくレース質マトリックス馬券教本 実践編』は好評発売中。イラストやデータ等を交えて、回収率を底上げするための様々な技術を収録しているので、ご興味がある方はぜひ手に取ってご覧いただければ幸いです。

●今回のポイント

〇2020年以前の桜花賞は中距離適性が、2021年以降の桜花賞はマイル適性が求められた
〇2024年の桜花賞は、中盤緩んでの外枠差し決着で中距離適性重視のレースであった
〇今年のオークスは「桜花賞上位組>ステップ好走組>桜花賞大敗組」の序列

先週の注目レースに挙げたヴィクトリアマイルでは、推奨馬が逃げ馬のコンクシェルを除いて軒並み外枠という悲しみがありましたが、結局差し馬勢で最も内枠だったテンハッピーローズが勝利。単勝200倍の大穴になりましたが、上がり重視だけで見れば買えた馬かと思います。
また、京王杯SCも推奨4頭中2頭で2、3着という結果。正直、先週の東京芝重賞は、直近に上がり3F32秒台を使った経験がある馬だけ買えば当てられたものでした。直線が長めのコースにおける超高速馬場のねらい方として、「上がり重視」は覚えておいてください。

さて、いよいよ世代の頂点を決める季節になりました。まずは今週の世代女王を決める戦いオークスについて、攻略のポイントを考えていきましょう。

●中距離適性が求められた過去の桜花賞と、マイル適性が求められた近年の桜花賞

桜花賞の傾向は、京都改修に伴うロングラン開催に耐えうるように、阪神芝の馬場造成が硬く高速化した2021年から大きく変化をしました。
それまでは、時計面でも速くて1分33秒台程度、中盤の緩みに合わせて外枠から押し上げてこられる差し馬が好走していて、当時は「オークスは桜花賞組が強い」と言われていたのを覚えている方は多いと思います。これは桜花賞が中距離質のレースであったために生じていたもので、正確に表現するなら「オークスに強い馬が桜花賞も走れていた」わけです。

ところが2021年以降の桜花賞は、決着時計だけで見ても1.31.1、1.32.9、1.32.1、1.32.2と高速化しており、中盤の緩みが小さく、内枠有利の高速持続戦に変わりました。その結果、マイル質のレースになり、一部の名牝を除き、好走馬はオークスでは走れない、あるいはオークスを避けるような路線選びをするようになりました。

○近3年の桜花賞好走馬のオークスでの成績
2023年
1着リバティアイランド(1着)
2着コナコースト(7着)
3着ペリファーニア(12着)

2022年
1着スターズオンアース(1着)
2着ウォーターナビレラ(13着)
3着ナムラクレア(未出走)

2021年 
1着ソダシ(8着) 
2着サトノレイナス(ダービー5着) 
3着ファインルージュ(11着)

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