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潜水艦との衝突で沈んだ? 「第58寿和丸」をめぐる情報開示関連訴訟、クラファンを始めました

2008年6月、千葉県犬吠埼沖のはるか太平洋上で、福島県いわき市の漁船「第58寿和丸」が転覆・沈没し、船長や漁労長らも含め、17人が犠牲になりました。船体は今も、深海5000メートルの海底に沈んだままです。

事故原因については、国の運輸安全委員会が調査しました。結論は「波による転覆、沈没」です。

ところが、当時の海況や生存者の証言らによると、波で転覆・沈没するとはとても思えません。生存者や船主、海事関係者ら多くの人々は事故直後から「波が原因」と言われ続けたことに疑問を持ち、運輸安全委員会の結論についても強い疑念を持っています。

フロントラインプレスのメンバー、伊澤理江さんは2年以上も前からこの問題を取材し続けています。この間、海事や船舶事故、船舶工学の研究者・専門家ら数多くの人に取材しました。もちろん、生存者3人にも全員取材し、現場海域にいた僚船の乗組員らにも取材を重ねています。他方、運輸安全委員会側の関係者にもたくさん取材しました。米国の情報公開関制度(FOIA)を使って開示請求も続けています。


そうした結果ーー。


一部の人は事故直後から「原因は船底損傷だ」といい、「潜水艦との衝突が原因ではないか」と疑っていました。われわれも「潜水艦」を強く疑っています。取材の結果については、先行的にサブスクの「スローニュース」に発表しましたが、取材はまだまだ継続しています。


ところが、そこに大きな壁が……。関係資料を公開しない国(運輸安全委員会)がそれです。事実上、全く公開しません。ゼロです。第58寿和丸の事故調査に使った資料のタイトル、いわば背表紙すら見せません。


第58寿和丸の事故調査を初期に担当した国側の一部当事者たちは、実は事故直後から「波ではない」と考え、潜水調査の可否を検討していました。潜水艦との衝突の疑いを捨てていなかったのです。

情報公開に消極的な国(運輸安全委員会)。
事故調査のプロセスを隠したがる国。

そこを突破するために、フロントラインプレスはこの10月、国を相手取って「公文書をきちんと開示しなさい」という訴訟を起こしました。すでに裁判は始まっており、次回は11月18日です。

この訴訟を少しでも多くの人に知ってもらいたいとの思いも込め、訴訟費用のクラウドファンディングも始めました。公共的な訴訟を扱うクラファンのサイト「CALL4」を利用させていただきました。


ご支援をどうぞよろしくお願いします。各方面にも広く拡散ください。


取材、がんばります!



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