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【決定版】声に出して叫びたい世界選抜〜オールタイムレジェンド〜


世間は7月。日本人が1番ハメを外して、すべてのありとあらゆる出来事を季節のせいにしても許される季節「夏」がやってきた。



通常、夜にケーキを食べるなどといった行為は禁止されているが、夏はいい。夏だから。

12時までに寝ないと肌の調子が悪くなってしまうが、夏はいい。夏だから。

2年付き合ってる彼氏より魅力的な男。彼氏が好きなのに…なんでこんな気持ちに…本当なら絶対一線を引かなければならない…でも夏だから…鈴虫の鳴く夏の夜だから。。。

ラブホから出るとき、ラブホの名前が入った使いもしないライターを持って帰る女の気持ち、あんたら男には分からないでしょう。



そんな話はさておき、夏の始まりを告げる7月某日、昨今の風潮であるオンライン会議が行われた。

拠点となったのは日本の川崎市。そこから世界200ヵ国以上の国と地域を巻き込んだこの会議にて、とある選考会が行われた。

そう。「声に出して叫びたいサッカー選手世界選抜」である。


途中10時間以上の睡眠時間、9時間弱のおやつタイムを含む20時間の会議を終え、部屋から出てきた選考委員会のとぅもねば氏は憔悴し切った顔であった。

彼のその顔が、この選抜チームを選ぶということの責任の重さを物語っていた。





それでは、これより「声に出して叫びたいサッカー選手世界選抜」を発表する。










GK ロベルト・アボンダンシェリ

南米でいうところの"佐藤さん"的ファーストネーム「ロベルト」から「アボンダンシェリ」という聞いたことのないセカンドネームで見事な巻き返し。

見事にGKの座を射止めた。

アボンダンのリズミカルな凹凸加減とシェリの肌触りの心地よさすら感じる柔らかさが見事に相まっており、その名前口にする人に小さな幸せを届けてくれる。

上述したとおり、ファーストネームが「ロベルト」なので自らハードルを下げているのでは?という点も選考会では議論されたが、別に彼だって好きでロベルトになった訳ではないという結論に至った。


本業はというとヘタフェの最小失点記録を作ったレジェンド。高いパントキック精度はあまりに有名だが、驚異的な反射神経も素晴らしかった。

現在は引退をし、指導者の道を歩んでいるらしい。

ちなみにミランのジャンルイジ・ドンナルンマも最終選考まで残ったが、挫折知らずの彼が1度ここで代表から外れることによって、もっと素晴らしい名前の選手になってくれるのではないかという期待も込めて今回は選外となった。

DF ソクラティス・パパスタソプーロス

アーセナルの頼れるセンターバックが代表入り。
ファーストネームの「ソクラティス」でギリシャ感を演出し、セカンドネーム「パパスタソプーロス」で一気にぶっちぎる、アボンダンシェリに続いて後半型の選手。

ソクラティスがそもそも声に出したい名前であるにも関わらず、パパスタソプーロスという珍しい of 珍しい発声音で駄目押し。余程心配性なのであろうか。

ソプーロスのプーのイントネーションだが、平行のまま発声するとリズミカルなソプーロスが完成し、やや上に上げるとまるで夏休みのようなワクワク感すら感じられるソプーロスとなる。

少し気分を上げたいときはプーをやや上めに発声することをお勧めする。


選考会ではギリシャ人はシャキシャキした発声音が多いから反則に近いのでは?という声も上がった。

しかし、ギリシャ代表のレジェンドは「ギオルゴス・カラグーニス」であり、どちらかと言えばガチャガチャしていたのでパパスタソープロスのシャキシャキ感は彼のアイデンティティだということで満場一致。見事代表入りを果たした。


DF トビー・アルデルヴァイレルト

こちらも王道パターン「無駄のないファーストネーム」+「個性丸出しのセカンドネーム」という組み合わせ。

トビーという名前は、機関車トーマスに於ける木箱の擬人化みたいなやつがいたことをふと思い出させる程度で、大抵の人は何の違和感も感じない。

そこにつけ込むかのように畳み掛ける「アルデルヴァイレルト」という聴き慣れない濁音and巻き舌のコンボ技。

しかし、その字面と相反するかのように発音にはしなやかさと上品さすら感じられる。

ヤン・フェルトンゲンという至って普通なヤツが隣にいることで彼の名前が際立っているだけでは?という選考会での異議をあまりに美しいその発音で跳ね返し、見事に代表入り。

これには木箱の擬人化もにっこり。

笑えよ!!!




DF トレント・アレクサンダー=アーノルド


最大にして最強。勇者にして勝者。俺たちのTAA

昨今の風潮である「無駄のないファーストネーム」+「個性丸出しのセカンドネーム」という流れを思いっきり変える新星が現れた。



冒頭「トレント」の軽やかなリズムは発声するものを自然と笑顔にする。

中締め「アレクサンダー」の力強さとどこからともなく湧き出てくる勇気は、今後どんな困難が訪れようと乗り切れる!と、そんな思いにさせてくれる。

そして、結びの「アーノルド」を発声した後、身体中にアドレナリンが湧き出てくるのをふつふつと感じる。

この上ない幸福感に体が包まれているのを感じる。

ポイントは3つの名前全てがそれほど異質では無いこと。

3つとも一見ありがちな名前なのだが、この3つ各々がもつ発音がそれぞれにリレー方式で伝い、結果素晴らしい付加価値を生み出している。

選考会では「彼に全てを持っていかれているが、アンドリュー・ロバートソンも実は代表クラスなのでは?」という審議が上がったくらいで、彼の代表入りを疑う声は一切無かった。


本業では若くて凄い選手。




DF ジオバンニ・ファン・ブロンクホルスト

安心安全のオランダブランド。

オランダ人は「とにかく心地よい発音」を求める我々のオアシスであり、誇りである。

今更説明するまでもないが「ジオバンニ」の発音の余韻を「ファン」で一旦区切ることによって「ブロンクホルスト」の入りに少し残されているのが特徴。

この形があまりにも美しすぎるため、我々の世界ではこれらの名前は彼の愛称にちなんで「ジオ構文」と呼ばれ、広く愛されている。


この構文はやはり主にオランダで大流行し、ファン・デル・サールやファン・デル・ファールトら往年の発音スターを生み出した。

しかし、やはりこの「ブロンクホルスト」にかかってくる「ジオ」の2文字の芸術点には敵わなかった。


最近では「ジオ」超えを目指す、志の高いオランダの若者の間で「デ・ヨング」という名前が流行っているらしい。

「デ」に込められたその熱い思い。「ジオ」を越えるためにはもう1文字で挑むしかないというその覚悟。グッとくるものがある。

選考会の面々は「ジオ構文」信者ばかりのため、満場一致で代表入り。

ライカールト時代のバルサの中心選手だった彼。今は広州富力で監督をやってるらしい。マジ?




MF バスティアン・シュバインシュタイガー

満を持して登場。発音界の貴公子シュバインシュタイガー。

この世界では「シュ」が1番美しい音とされているのは周知の事実であるが、そのシュを贅沢に2回も使う世界唯一の色男。

忘れてはいけないのがシュバインシュタイガーのそのあまりにも美しい発音は「バスティアン」の貢献があってのこと。

バスティアンも本来なら主役を張れる存在である。発音も美しく無駄がない。コンディションさえ良ければ単体で代表入りを果たす力すら持っている。

しかし、そんなバスティアンがプライドを捨て、シュバインシュタイガーというあまりにも巨大な存在を陰で支えていくことを、その覚悟を決めた。

その想いだけで我々は十分なのである。



バスティアン・シュバインシュタイガー。愛称はシュバイニー。もはやバスティアンの影はそこにはない。

それでも、彼がこれほど評価されている理由は「バスティアン」があってこそ。

選考会では彼の話題が出るたびに「バスティアン」に想いを馳せて涙を流す面々もいる。


発音界では時としてこんなエピソードもある。だからこの世界はやめられない。


MF ジュニーニョ・ペルナンブカーノ

ジュニーニョというファーストネームはどこか彼が「サッカー選手である」ということを感じさせる。

そして、そんな「この人、多分サッカー選手だ!」というワクワク感をいい意味で裏切る「ペルナンブカーノ」の響き。

どこかイタリアンの香りさえ漂わせるこの響き。

そんなペペロンチ…ペルナンブカーノのリズミカル且つやや謎に包まれるミスリテアス感が、更に「ジュニーニョ」を引き立てるという今までになかったパターン。


漢文で言うところの帰り点である。


「ジュニーニョ」単体で感じたワクワク感をペルナンブカーノが引き立てることで、ジュニーニョの余韻はどこか自信と希望のようなものを我々に与えてくれる。

そして、そのジュニーニョの力強い余韻が消える頃、ペルナンブカーノのリズミカルな、流れるような優しさが我々を包み込む。


先ほど「ジュニーニョ・ペルナンブカーノは帰り点」との供述をしたが、訂正させてほしい。

ジュニーニョ・ペルナンブカーノは帰り点ではなく、一二三点である。帰り点であるジュニーニョ・ペルナンブカーノを、余韻のジュニーニョ・ペルナンブカーノが一二三点となってカバーしている。


選考会でも、これほどまでに芸術点の高い選手は居ないとの評価。満場一致で代表入りが決まった。



MF ミゲル・アンヘル・アングロ

ホップ・ステップ・ジャンピング〜!というネタで一躍ブレイクしたエドはるみが、そのネタをうっかり忘れてしまった時の代用として常に持ち歩いていたのがミゲル・アンヘル・アングロ。

ミゲ「ル」アンヘ「ル」とリズムを刻みつつ、最後のアングロで「ル」の余韻を一気に消し去る。

余韻が評価される世界に於いて、このような手法は基本的に評価されないことが多いのだが、彼は別である。

「アングロ」単体の力強さ、そして発音後の余韻は前置詞が「ミゲル・アンヘル」であったことを忘れさせる。

特にア「ン」グロの「ン」でその前の「ル×2」の余韻を打ち消すことにより、発声した後には「グロ」の少し力強くも心地よい余韻が後を引き、癖になる。


同系統で言うとセルヒオ・アグエロなんかもこのタイプなのだが、セルヒオは発音として余韻が残りにくく、ミゲル・アンヘルのリズム感には敵わなかった。


選考会でもこの「アングロ」のいい意味での大胆さが癖になると大好評。満場一致での代表入りを果たした。


MF ステファーノ・オカカ・チュカ

アングロに負けず劣らずなリズム感の持ち主であるオカカ・チュカも順当に代表入り。


ステファーノというカッコ良さからの「オカカ・チュカ」という可愛さ120%で韻を踏んでいく姿に多くの個サポが彼に付いていることは言うまでもない。

「可愛いは作れる!」とCMで張り切って言っている河北麻友子も、この「ステファーノ・オカカ・チュカ」の発音からそのセリフを思いついたとかついていないとか。


ステファーノを少し長めの間で発音し、オカカ・チュカと徐々に尻すぼみにさせていく発声法は、上級者の間で広く親しまれている。


ちなみに「オカカ」の発音は生まれ育った食卓の環境に依存するらしい。

そんな家庭の食卓まで彷彿とさせる常連プレイヤーのステファーノ・オカカ・チュカ。今回も代表入り。

選考会でも、オカカの発音を巡って話がどんどん膨らみ、最終的には「1番好きなふりかけの味」の話にまで発展した。


インド代表が「わさび」と言い放ち、全員で「カレーじゃねぇのかよ!」とツッコミをいれた瞬間がこの選考会で1番盛り上がった瞬間であった。




FW 長谷川アーリアジャスール

日本から1名、世界選抜に名を連ねた。

「長谷川」は日本ではまぁまぁメジャーな名字ではあるが、シャキシャキ系の4文字はこの世界では鉄板。

発音をする者は「京子かな?」「博己かな?」と高揚感を募らせる。

そして満を持して出す切り札が「アーリアジャスール」

この一切角のない、まるで川のせせらぎののうな美しさ。

無駄がなく、それでいて前置詞 「長谷川」のシャキシャキ感を損なわずにうまく共存するその姿。まさにワールドクラス。これには穂積も思わず感動を覚えるレベルである。

今までこの代表に招集された日本人は2016年の田辺草民のみだったが、約4年ぶりに日本からの代表メンバーが誕生した。

選考会でも「何故もっと早く気付かなかったんだ!」という己への叱責が飛び交い、200を超える国と地域の選考員全員でアーリアのチャントを熱唱した。




FW ルート・ファン・ニステルローイ

このFWのポジションは長らくガブリエル・バティストゥータ、ズラタン・イブラヒモビッチが君臨をしていたのだが、この度ファン・ニステルローイの本名が判明したことにより、序列がひっくり返った。

本名、ルトヘルス・ヨハネス・マルティヌス・ルート・ファン・ニステルローイ。

この事実を知った我々は即座に発音。


ルトヘルス・ヨハネス・マルティヌスでしっかりと韻を踏み、この余韻を最大限に残すべく「ルート」という滑らかな言葉を活用。

この「ルート」のお陰でルトヘルス・ヨハネス・マルティヌスが最終局面の「ファン・ニステルローイ」にまで掛かってくるという奇跡が起こった。

この瞬間、我々は膝から崩れ落ちた。

この興奮、この感動、この高揚感を表せる言葉を我々は知らなかったのだ。

今までただのルート・ファン・ニステルローイとして扱ってきたので「ルート」にどこか弱さ、主張の無さを感じていた。

これは、間違いであった。

ルートは主張をしないことが正しいのだ。

ルトヘルス・ヨハネス・マルティヌスを活かし、ニステルローイにまで結びつけるという無理難題を、ルートは単体でいとも簡単にこなしていたのだ。

この感動を表せる言葉はない。この興奮を表せる表現方法はない。

我々はただ崩れ落ち、その場で笑顔で涙を流し続けたのであった。


笑顔の代表入り。ルトヘルスは今後しばらくこの座を守り抜くことであろう。





以上を持って「声に出して叫びたい世界選抜」の発表を終わりにさせていただく。

悲しいことや辛いことがあった時、彼らの名前を声に出して叫んでみては如何であろうか。


彼らの名前は、ただの名前ではない。


必ずやあなたを幸せへと導いてくれるはずだ。


フォーメーションに当てはめてみたけど、最終ラインが文字化けを起こした。












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