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(7/7 FPSVRの結果追記)VRChatで5700x&RTX3060→RTX4070ti superに載せ替えると、どの位差が出るのか?比較検討してみました。



はじめに

 皆さんこんにちは。fronです。
この度RTX4070ti super jetstreem OCをドスパラで128900円で購入したので、自分のようにRTX3060 12GBから載せ替える人向けに取ったデータを共有したいと思います。

palit 4070ti super jetstreem OCの箱です

 さて、私が4070ti superを購入した理由ですが、私が今まで使用していたRTX3060 12GBでは大体の場面では快適にプレイできるものの、時折訪れる大人数のインスタンスや景観の良いワールドでFPSが落ちやすく、その点を改善する為に前々からグラフィックボードの購入を検討していました。

 そんな中、私が購入した時点でのリーク情報で、NVIDIAが今年四半期(来年1月~3月)にRTX5000番台発売を予定しているという噂を聞きました。   
 仮にこの情報を信用するなら、それまでにCPUやマザーボード、電源等を整えておいて発売されたらそのまま5000番台を迎えるという選択肢もありましたが、私は私は5000番台は3000番台よりも高額になった4000番台よりもさらに高額になるとのリーク情報で既にRTX4070ti superの価格で財布がキツかった私はそんな5000番台を諦めました。また、中国で4000番台が値上げされた事から、前々から狙っていたドスパラ専売のRTX4070ti super jetstream OCの在庫がどこかのタイミングで無くなるor値上げされるのでは?と考えて急ぎ足で購入しました。

 実際の処理性能以外の部分について言うと、最安値とはいえ特に問題なく、VRCをPCVRモードで起動しながらAntecのP10 fluxに入れた状態で大体58~65℃の間位で推移しているので満足しています(P10 fluxについているグラボ冷却用の逆回転ファンの恩恵もあるかもしれません)。


検証環境

CPU AMD Ryzen 7 5700X(8コア/16スレッド、定格3.4 GHz/ 最大4.6 Ghz)
CPUクーラー DeepCool AK400
マザーボード ASRock B550m pro4 
GPU RTX3060 12GB/RTX4070ti super
メモリ CORSAIR VENGEANCE LPXシリーズ DDR4-3200 16GB×2(32GB)
CMK32GX4M2Z3600C18(XMP適用済で、3200Hz動作)
SSD WD Black SN770 1TB(容量50%程度)
電源 BTOの為型番が不明。enhance社製で容量750w&Gold認証なので、恐らく十分な性能です。
ケース Antec P10 flux

各パーツごとの性能は長くなってしまうので省略させていただきます。詳しく知りたい方はYoutubeなどのレビュー動画などが参考になるので、そちらをご覧下さい。

Virtual desktopの設定

Quest2&AirlinkからQuest3&Virtual desktopに乗り換えた時に、Godlikeの画質には非常に驚かされました。ただ、平均FPSはがっつり下がるのでその点は注意して下さい(とはいえ深夜ポピ横のような激重空間でもない限りガクガクで動かないような事はありません。常時30~50程度です)。

VRCの画質設定

これは個人的な感想ですが、「Shadow Quality」「LOD Quality」「Particle Physics Quality」の3つはhighにしてもあまり変化を感じられませんでした。なので今はLowでの運用で落ち着いています。

また、以下検証していくワールドは特に断りが無い限りinvite等で新しく立て直したインスタンス内での、1人状態での計測です。使用アバターは出来るだけ計測に支障が出ないように、非常に軽量なアバター「Mururu」で統一しました。

(MururuはVRC内での公式publicアバターなので、ここで購入しなくても無料で利用できます)

検証結果

One roomA

RTX3060
RTX4070ti super

FPSが78→85(10FPS↑)に向上しました。元々快適なFPSが出ているので、あまり体感の違いはないです。

Organizm

RTX3060
RTX4070ti super
RTX3060


RTX4070ti super

FPSは73→64(9FPS↓)、68→73(5FPS↑)となり、1枚目のシーンでは何故かFPS値が逆転しています。詳細は後程。

宙夢島 -Stratoreverie Island-

RTX3060
RTX4070ti super

 景観が非常に綺麗な代わりに非常に重い事で有名なワールドでの計測。
FPSは21→31(10FPS↑)に向上し、体感としても「ギリギリ何とかなる」から「まぁ何とかなる」程度になりました。
 これはRTX4070ti superの性能が足りないせいかもしれませんが(およそ4090の50%程度)、世間一般から言っても約13万は既にハイエンドグラボだと言って差し支えないですし、このグラボは大半の人(FHDでゲームを遊んでいる人)にとって少し過剰なスペックです。それでもまだ余裕とは程遠い、VRC(というかVRSNS全般?)の方が私は恐ろしいです。この先のGPU性能向上に期待ですね。

遠郷の冬めく夜 -Nostalgic Winter Night-

RTX3060
RTX4070ti super

FPSは58→60(2FPS↑)と、微増程度です。

Yayoi summer night

RTX3060
RTX4070ti super

FPSが48→56(8FPS↑)に向上。「まぁまぁ快適」が「快適」になった程度でしょうか。

天元-ハジマリクイキ- Isolated Area -Origins

RTX3060
RTX4070ti super

FPSは54→66(12FPS↑)に向上しました。何故かこのワールドはCPU使用率が非常に低いので、GPUの純粋な性能差が表れているのでしょうか。

Yayoi onsen

RTX3060
RTX4070ti super

FPSは40→53(13FPS↑)に向上しました。Yayoi summer Nightと同様の感想です。

japan street

RTX3060
RTX4070ti super
RTX3060
RTX4070ti super

Japanstreetを一人で巡る事はあまりないかもしれないですが、参考程度に。
FPSは52→62(10FPS↑)、52→58(6FPS↑)に向上。

Inokashira-kōen Station(井の頭公園駅)

RTX3060
RTX4070ti super

FPSが67→76(9FPS↑)に向上しました。

Driving city at night

RTX3060
RTX4070ti super

何気にスタート地点から遠い展望台からの撮影です。FPSが71→81(10FPS↑)に向上しました。

姚望海大橋を渡る夕日の島

RTX3060
RTX4070ti super
RTX3060
RTX4070ti super

個人的なお気に入りワールドです。FPSが63→73(10FPS↑)、36→49(13FPS↑)に向上しました。

神隠シンドローム -SpiritedAway Syndrome-

RTX3060
RTX4070ti super

FPSが64→74(10FPS↑)に向上しました。

メゾン荘 201号室

RTX3060
RTX4070ti super

FPSは72→80(8FPS↑)に向上しました。メゾン荘に一人でいる事は少ないと思うので、参考程度です。

青色エモーショナルキャプチャー

RTX3060
RTX4070ti super

宙夢島と同様な傾向のワールドです。しかし、こちらはもっと重く、FPSも23→24(1FPS↑)と差が出ていません(このワールドが重すぎるのか、単純にCPUボトルネックなのかだと思います)。

春京˸ 旧八重駅 -輝桜神社- Spring Capital˸ the Former Yae Station

RTX3060
RTX4070ti super

FPSが36→47(11FPS↑)に向上しました。

検証は以上です。

感想&考察

 何故かOrganizmのワンシーンではFPSが逆転してしまっていますが、これは恐らく、撮るタイミングの問題だと思います(つまり、たまたまFPSが上下している内の下の方を撮ってしまったのだと思います)。なので、あまり気にしないで下さい。

 さて、ここから性能に影響が少ない程度の少人数でのGPUアップグレードによる恩恵を述べていきます。
 全体を概観すると、5700X据え置きの状態におけるRTX3060からRTX4070ti superへの移行で、私の画質設定(Godlike,90fps)ではFPSは例外を除いて概ね6~13FPS程度の向上が見られます。RTX3060とRTX4070ti superはFF14ベンチや3D Markなどのベンチマークソフト、ApexやFortniteなどのシューター系ゲームでは結構な性能差があるのですが、私の環境だとVRCでは劇的なFPSの向上は見られませんでした。

 その上でこのFPSの差をどのように捉えるのかですが、仮に60FPS→70FPSに上がってもFPSカウンターを見ていない状態で体感するのは難しいです。なので、このアップグレードによる恩恵は、主に『Yayoi summer night』のような中量級ワールドや『宙夢島』のような重量級ワールドにおけるFPSの底上げにあると思います。
 VRChatterの皆さまなら共感頂けると思いますが、60→70FPSの変化よりは20FPS~50FPSにおける10FPSの底上げの方が比べ物にならない位ありがたいですよね。

 続いて、(プライバシーの関係で画像は用意できませんでしたが)20人程度の人がいるpublicについて言うと、ここでもCPUの性能の範囲内でなら底上げ効果を受けられるようです。但し、大人数になるほどCPUの性能不足と思われるCPU Frame timeの増大が起き、5700xではCPUボトルネックの状態になります。

 このデータからの結論としては、このアップグレードに視野を限ると6~15FPS程度の向上に129800円の価値を見出せるかに乗り換えの価値が掛かっていますが、この向上幅は画質設定の向上やアンチエイリアシングの強化などで容易に消え去る差であるのは間違いないでしょう。
 そういう意味では、RTX4070ti superへの移行の真価を発揮するならCPUも交換する方が良さそうです(5700xはどうしても同価格帯のIntelのi5-12400やワンランク上のi5-12600Kなど比較するとシングルコアの性能が出にくく、それもおそらく影響しています)。逆に言えば、CPUもアップグレードする前提で購入するor既に私よりも強力なCPUを使用しているなら、それなりにオススメできます。

 新規で購入するならAM5マザーボードの値段がかなり落ち着いてきてきた事と3D-VcasheがVRCにも効くという風の噂から、7800x3Dが狙い目でしょうか。ただ、今は7800x3Dが値上がりしているので、夏の初め位までは買うのを待った方が良さそうです。

追記

 もう少し詳しく調べたい方はこちらの記事と比較しながら見る事を強くオススメします(「VRC 4070ti super」と調べたら真っ先に出てくる記事なので、私の記事を見つける方なら既に見つけているかもしれませんが、念の為)。

 この記事でのCPU・GPUはi5-13500/RTX4070ti superと私と大体同程度の性能ですが、恐らく画質設定の違いから私の設定よりも性能差が顕著に出ているようです(一応私の方でもこの方の設定に合わせた後にYayoi summer nightに行ってみましたが、FPSは88~90程度でした。この方ではFPSが90~95だったそうなので、少し低い気がしますが大体合っています)。

 つまるところ、今回のデータで変化の幅があまり無かったのは自分の画質設定がスペックと比較して重すぎるという事なのかもしれないですね(ちなみに、Virtual desktopの最高画質設定であるGodlikeの隣にはRTX4090/RX7900XTXと書いてあります……)

7/7 追記

1.GPU温度について


→フル稼働時のGPU温度が購入当時と比較して上昇し、大体68℃位になりました。夏の室温の上昇のせいかもしれません(私がPCVRをしている時はいつも冷房が効いていて、室温自体は27℃位)。特に性能には支障ありませんが、一応記載しておきます。

2.継続使用した上での所感


→現在は検証環境から画質設定を調整し、Ultra画質で遊んでいますが、私のPCスペックではこの辺りが丁度いいようです。一人でワールドを回っている際にCPUがボトルネックになっているような印象はありません(FPSも極端に重いワールドでなければ55FPS程度、Oneroomなどの軽量なワールドでは上限の90FPS出ており快適です)。また、フル解像度のミラーを出した状態でゆっくりしている時もワールドの重さや人数(いつも大体10人以内)等で重さを体感したことは殆どありません
 この構成で重さを感じることがあるワールドとしてはJapan streetやFuziyama、Chihaya matchingなどですが、それらの殆どではCPUがボトルネックとなっており、普通程度の人数でも80~90%程度(38~45FPS程度)、人数が多い場合はGPUが55~60%(25~30FPS程度。カクツキなども発生する場合があり厳しいです)しか動いていない事もあります。

3.FPSVRでの測定結果


→この検証の後にFPSVRが各プレイ時間のCPU・GPUのFrame timeの統計をグラフの形で出力できる機能を知り、そちらでも後日計測しましたのでそちらのデータも掲載しておきます。
 目安としては、CPU・GPU両方のFrame timeが13.9ms(横軸)の時は72FPS、16.6msの時は60FPS、20msの時は50FPS、25msの時は40FPSです。どちらかのFrame timeが遅延している場合、遅延している方のFPSが出ます。

プライベートで2人で過ごしていた際のデータです。

軽い環境でプレイした時のデータです。平均FPSも68前後で非常に快適でした。体感できるほどではありませんが、グラフを見るとCPUのグラフがGPUのグラフよりも右寄りになっていて、CPUがボトルネックになっているのが分かります。

重い環境で遊んだ際のデータです。

重い環境でプレイした際のデータです。平均FPSは47.79で、軽い環境よりも顕著にCPUがボトルネックになっています。CPUの処理速度が改善すれば、平均FPSは大体55~60FPSになるかと思います。

総評


 総評すると、よく『4Kの場合はCPUであまり差が出ないから、VRCやるつもりならCPUをそこそこにしてGPUにお金をかけた方が良い』と言われますが、VRCはワールドや人数次第でCPU性能も(GPU程ではないにしても)要求してくるゲームだというのをひしひしと感じています。
 ……とは言っても、publicに行かない人であればCPUへの負担はそこまでないので、この一見アンバランスにも思える構成でも快適に遊べるかと思います。publicに行く方であればCPUの負担も相応に大きくなりますから、併せて強化すると、よりGPUの性能を生かせるかと思います。
 


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