LIFE TUNINGレポートvol.6 :『今後、余白がより求められる世の中になると思っています』カンターキャラバンジャパン・副代表 並木 美緒 さん
働き方、暮らし方に大きな変化が起きている昨今。だんだん慣れてきた一方で、まだどこかで負担を感じている面もあるのではないでしょうか。
このような時代の中で、心身ともに健康な状態で過ごすにはどうすればよいかを追求する連載「LIFE TUNINGレポート」、第六回は企業向けに大自然の中でのオフサイトミーティングの企画・運営サービスを行う「カンターキャラバンジャパン」副代表の並木 美緒さんにお話していただきました。
並木 美緒さん(34歳)
ヨーロッパのヴィンテージトレーラーをオフィスに改築し、大自然の中でのチームビルディングやミーティング用に企業に貸し出すオランダ発の「カンターキャラバン」事業を夫と共に運営。また、フリーランスで企業の経理財務を担当。趣味はカフェやバーや電車での読書と、夫婦で楽しんでいる落語。最近ではオンライン寄席を楽しんでいる。夫、一歳の子供と共に横浜に在住。
「育児と仕事の両立に苦労していますが、少しずつ息抜きを覚えてきました 」
ーーリモートワークでのご調子はいかがですか?
もともと週の半分はオフィスで、もう半分はコワーキングスペースで働く働き方をしていたので、働き方自体に大きな変化は感じていません。
ただ、保育園が閉まっているので(2020年5月末時点)、子供の世話と仕事を両立しているのが大きな変化です。
今のところ、仕事と子育ての両立に苦労しており、ストレスも溜まってきています。子供もストレスをためてご機嫌斜めになりがちで、より手がかかるという悪循環になっています。
仕事と育児の切り替えに苦労してきましたが、最近では息抜きも覚え、だんだんとバランスが取れるようになってきました。
仕事面の変化で言うと、オフィスに行っていた時は同僚たちと雑談できていましたが、今は雑談相手が夫と子供だけなので、雑談の機会が足りないなと感じています。
脳科学者の方が、男性は一日3000語、女性は1日7000語程度喋らないといけないと言っていたのですが、今までは外での雑談で満たしていた夫婦間のその差分を今は満たせず、寂しく感じています。
私は「余白と潤い」を人生のテーマにしているのですが、雑談は余白を持つために必要なものだったと、最近改めて実感しています。
ーー余白と潤い、とても大切ですね。並木さんのリモートワーク期間の基本的な一日の流れを教えて頂けますか?
(並木さんの1日の調子グラフ)
朝は大体6:30頃に子供と一緒に起きて、子供が朝食を食べた後、自分の朝食を食べています。8:45-9:00に職場のメンバーとオンライン朝会があるので、なるべく参加するようにしています。
その後、9:00頃に子供と一緒に近所にお散歩に出かけます。子供は電車が大好きなので、駅前の踏切近くで角度をかえながら、電車を30分くらい一緒に見ています。散歩には夫も一緒に行ける時は、親子3人で行っています。
11:00頃から子供が昼食を食べてから昼寝をしたら、自分の昼食を食べ、それから仕事に集中します。お昼の2:30頃には子供が起きてくるので、少し一緒に遊びます。
夕方からまた子供とお散歩に行き、再び電車を眺めます。散歩から戻り、夕食を作って、夜6:00くらいから子供が夕食を食べます。その後、夜7:00前には子供がお風呂に入り8:30くらいに寝るので、それから夫婦で夕食を食べ、夜11:30頃まで仕事に集中して取り組みます。
仕事を終えてから、30分程オンラインで筋トレのレッスンを受けてから、片付けなどをして、大体1:00頃に寝ています。
これまで保育園が子育ての多くの部分を担ってくれてことに、今ありがたさを感じています。
ーータイトな日々の中で、ご自身の調子を調えるための「チューニング」としてやっていることがあれば教えて頂けますか?
リモートワーク になり、子育ての合間に仕事をしているので、休憩時間がなく、なかなかチューニングの時間をとれていません。
リモートワーク が始まった当初は、子育てと仕事のバランスに苦労しました。メール返信が途中で止まってしまったり、洗濯も途中で止まったりで、イライラして理不尽に夫に当たってしまうこともありました。
最近は少し落ち着いてきて、一瞬でも抜ける時間がないとだめだ、と分かってきました。
元々夫がタバコを吸っていることが嫌だったのですが、リモートワーク になり、夫が1日数回ベランダでタバコを吸っているのをみて、タバコを吸う人は喫煙の時間自体が良いチューニングの時間になっているのだと思うようになりました。
そんな夫をみて、私も「タバコタイム」みたいなものを取ろうと思い、現在は、気分の切り替えをしたい時は、夫に「二階に行ってハーブ吸ってくるね」と言い、ハーブティーを淹れて飲む時間をとるようにしました。
ハーブティーを淹れる五分ほどの間だけでも、ボーッとしたり、少しだけ読書をして過ごしたり、飲みながら仕事をしたりする「ハーブ吸引タイム」は、大切なチューニングの時間となっています。
その他のチューニングとして、去年の秋からオンライントレーニングを受け始めました。パーソナルトレーナーの方に、週1でトレーニングメニューを作ってもらい、それを実践しつつまた一週間後に相談するという流れで行っています。
食生活についてもアドバイスをしてくれ、サラダ油をやめてオリーブオイルやココナッツオイルにしたり、オートミールを食べ始めたり、新たな食体験を楽しんでいます。運動すると心地よく眠れるので、寝起きもよくなりました。
また、子供や夫と行く、朝夕の散歩も良いチューニングとなっています。
毎日散歩に行くと、昨日より少し暖かいなとか、花が咲いたなとか、日々の細かい変化に気づくことができるようになりました。
カンターキャラバンでも大切にしているのですが、自然の中では人は喧嘩せず柔らかくなれるので、散歩に行き外の空気を吸い、自然に触れ、閉塞感を解消して心を柔らかく保っていたいです。
ーーお忙しい中で心身のチューニングが上手にできていますね。リモートワークを快適にするために、買ってよかったものがあれば教えて頂けますか?
(並木さんのご自宅での仕事環境。経理の業務は紙資料が多く広げながら仕事をするため、何もついていない4人用ダイニングテーブルが使い勝手が良いそう)
・パウンドケーキ型
家で過ごす時間が増えたので、生活のQOLをあげようと思い、パウンドケーキ型を買い、バナナパウンドケーキを作るようになりました。が、オンラインで食生活の相談もしているパーソナルトレーナーさんに、パウンドケーキは脂質が多いと教えてもらい、ストップしました。
・ジェルネイルシール
ジェラートファクトリーというブランドが出している、ジェルネイルシールを買いました。今の状況では、ネイルサロンに行くことが難しいですが、自分でつけるタイプのこちらのジェルネイルシールは安く、仕上がりも良いので気に入ってます。リモートワーク だとお化粧等も雑になりがちですが、ネイルシールで気分も上がり、良い潤いとなっています。
ーー今後、リモートワークで今後試してみたいことがあれば教えてください。
これまでは半分オフィス、もう半分が家かコワーキングという生活でしたが、今後もオンラインが仕事のベースとなると思うので、家の中をもっと快適にしたいと思うようになりました。
自粛でやれることが制限されると、身体にも心にも、余白と潤いがなくなっていくと思ったので、身の回りのものに余白と潤いを足していきたいです。
ーーそれでは最後に、並木さんの今後の目標・ありたい姿について教えて頂けますか?
私は、人生には余白が大事だと思っています。時間がないから余白がないということではなく、忙しくても自分がやりたいことをやっていたら、それは余白があると言えます。
逆に他人の時間を生きていたら、時間があっても余白がありません。私自身、専業主婦をしていた一年間は時間的には余白だらけだったのですが、心は内向きで卑下していて、余白がありませんでした。
夫婦でカンターキャラバンの事業をはじめ、他人の基準ではなく、自分たちがやりたいことをやっていると、忙しい日々の中にも余白を感じられるようになりました。
今後、世の中的にも「余白を持つ」ことがもっと重要だと思われるようになると思っているので、カンターキャラバン事業を通じて、日々の仕事や生活から離れた「心に余白を持てる空間」を提供し、人々が自分と向き合い余白を持てるようにしたいです。
ーーとても素敵な目標ですね!本日はどうもありがとうございました!
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